ほぉ・・・
2番・セカンドとして広島に欠かせない男は今季、打撃面で苦しい日々を強いられた。だが破天荒な守備で幾度もピンチを救い苦しみながらも強い責任感で優勝に貢献した。
* * * * * *
誰にも真似できない守備、2番としてのつなぎの打撃。カープにとって絶対に替えがきかない選手である菊池涼介。今季も球界最高の守備力を武器に丸佳浩、田中広輔と共にチームリーダーとして勝利に貢献してきた。しかし今季は序盤から例年との違いを感じていた。
「噛み合わない試合ばかり。勝ってはいますが内容は全然ダメですね。『納得して勝った』と思える試合が1試合もないと感じるくらいです」
開幕から全幅の信頼を寄せるベテラン新井貴浩がケガのため不在が続き、新井復帰直後には長年共に出場を続けてきた丸佳浩が故障により1カ月間の離脱。精神的支柱である新井、そして共にチームを引っ張る丸が不在というアクシデントを受けて、菊池はよりリーダーとしての重要性を感じていた。
「監督からチームリーダーとして3人の名前(田中、菊池、丸)を挙げてもらっている中で、1人欠けるということが初めてでした。欠けた以上は僕ら2人が引っ張っていかなきゃいけないと思ってプレーを続けていました。打順で言うと僕が丸の後ろを打っている訳ではないので、そういう違和感はありませんでした。僕の前には田中がいつも通り打っていましたからね。ですが、守りの連携がいつもと違う面はありました。僕は守っていて深追いするところがあります。野間(峻祥)がセンターを守っていましたが、試合勘は出ていないと養えないものですから、そういうフォローは僕と田中で深追いしなければならない部分が出てきていましたし、難しいところはありました。そういう意味でもチーム全員でまとまって戦っていかなければ、その先は見えてこないと思います」
主軸が離脱する中で菊池は強い責任感で田中と共にチームを引っ張り続けた。しかし、打撃面では苦戦を強いられた。序盤こそ打率は3割前後を推移したものの、5月は月間打率・244、6月は・204と不振を極めた。打撃状態が上向かないまま迎えた8月4日のDeNA戦、この日まで打率・236の菊池は『8番・セカンド』でスタメン出場。スタメン8番はプロ7年目、863試合目で初。広島打線の看板でもある『タナキクマル』トリオの解体を経験するなど、苦しい時期を過ごした。
「僕としてはずっと2番打者を任されていて、5年、6年と経験を積み重ねていくことで、2番という打順にも思い入れがあります。きっちりとその役割をこなしていくだけです」
ランナー盗塁への対応、右方向へのつなぎの打撃、エンドランへの対応。2番打者としての難しさを誰よりも経験してきた。打撃の調子こそ上がらないものの、首位を快走するチームの2番打者として必死にその役割に徹し、要所では豪快な一発を放つなど存在感を見せた。
一方で日本球界最高の守備力は健在だった。開幕から全試合スタメン出場を続ける中、7月20日の巨人戦(マツダ)まで失策0と安定感抜群の守備力を見せつけ、幾度もスーパープレーでファンを魅了し続けた。
「失策0でシーズンを終えることが究極ですが、攻めなかったらアウトにならないプレーも絶対にありますし、エラーを怖がって守備はしていません。守備は積み重ねですから」
多くの経験に基づいた打球方向の予測、強肩を生かした併殺プレー、そして攻めの守備意識で防いできたピンチと失点は数知れず。打撃が不調であれ、菊池のチームへの貢献度は計り知れないものがある。
(広島アスリートマガジン2018年リーグ優勝記念特別増刊号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)
▼ 菊池涼介(きくちりょうすけ)
1990年3月11日生、東京都出身/28歳・プロ7年目/武蔵工大二高-中京学院大-広島(11年ドラフト2位)/171cm・72kg* * * * * *
広島アスリートマガジン月刊誌・特別増刊号は広島県内の主要書店および主要ネットショップでご購入できます。ぜひご覧ください。
情報源:広島 ピンチを救う球界最高の守備・菊池涼介(広島アスリートマガジン) – Yahoo!ニュース
さすがに、今の守備を今後5年、10年と続けるのは無理だろうしな・・・