ほぉ・・・
藤井聡太六段(15)らの活躍で将棋界が盛り上がりを見せるなか、仙台市の高校1年の女子生徒が、女流棋士の仮資格を得る快挙を成し遂げた。プロの女流棋士は全国でわずか60人ほどしかいない難関。どのような環境で腕を磨いてきたのか。
仙台市に住む高校1年の加藤結李愛(ゆりあ)さんは4月1日付で、女流棋士3級になった。将棋のプロには「棋士」と「女流棋士」の二つの制度がある。女流棋士制度の3級はプロの仮資格。公式棋戦を戦い、2年以内に規定の成績を収めれば、女流2級に昇級して正式なプロとして認められる。
加藤さんが将棋を始めたのは小学2年。きっかけは「将棋日本シリーズ テーブルマークこども大会」の参加賞だった。「駒の形をした消しゴムが欲しくて、将棋のルールを知っていた兄から教わりました」
その後、仙台市太白区にある「杜の都 加部道場」(日本将棋連盟杜の都支部)で将棋を学び始めた。「年齢に関係なく年上の方とも対局できることや、先の展開を読むのが楽しかった」と振り返る。
加藤さんを女流棋士に導いたのは、ある出会いだった。東日本大震災後、東北統括本部長の島朗(しまあきら)九段(55)と東北普及部長の鈴木環那(かんな)女流二段(30)が被災地を訪れ、子どもたちへの指導対局などを続けており、参加する機会があった。
「震災後、忙しいにもかかわらずたくさん足を運んで下さり、楽しい経験になった。鈴木女流二段が笑顔で指導しているところを見て、自分も女流棋士になりたいと思いました」
2年前、女流棋士らを養成する同連盟の「研修会」に入会。その年の秋に開かれた第48期女流アマ名人戦は3位になった。昨年9月の研修会の例会で6連勝、女流3級の資格を得た。
現在、連盟所属の女流棋士は約60人いる。
師匠の石田和雄九段(71)は「オーソドックスな将棋だが、入門した頃からプロとしてやれるのではないかと考えていた」と話す。石田門下としては初の女流棋士。「一段と飛躍するよう頑張って欲しい」とエールを送る。
今後は女流タイトル戦の予選トーナメントなどで、先輩たちと戦う。
目標を尋ねると、「タイトルを取れるような女流棋士になりたいです」との答えが返ってきた。
加藤さん通った「加部道場」 年齢に関係なく対局
加藤さんが通い続けている「加部道場」は、マンションの一室にある。
「よく指せたね」「正解。合っていたよ」
道場師範の加部康晴さん(63)が、子ども3人に将棋盤を三つ使って同時に指導していた。加部さんは七段。朝日アマ名人3期を含め、全国優勝4回の実績を持つ。
道場は毎週土曜にあり、会員は62人(高校生以下34人)。子ども教室には小学生を中心に26人が在籍。大盤による詰将棋出題と序中盤の講座や、実戦での対局を通じて学んでいく。教室後は、一般会員と対局を重ね、道場規定の成績により昇段・昇級が認定される。
仙台市の小学3年、菱川櫂君(8)は「兄が将棋を習っていて始めた。強くなって、いっぱい連勝して段位を取りたい」と話す。
道場出身者には、5人の現役奨励会員がいる。プロ棋士を目指す全国の逸材が集まる場。うち2人は三段リーグに在籍し、リーグで上位2人に入るとプロになれる。
加部さんは「藤井六段効果で、将棋に興味を持つ子が増えたことは喜ばしい。だが将棋は習い事ではなく、あくまで自身を磨く向上心の自覚が必要」と言う。将棋の効用を「伝統文化としての礼儀作法と相手に対する思いやりを学び、集中力、思考力、何より洞察力を養える」と語る。
子どもの大会 参加増える
将棋ブームは、子ども向け大会の出場者数にも表れている。仙台市青葉区の仙台国際センターで昨年あった「テーブルマークこども大会」の東北大会の参加者は642人で、前年比57%増を記録。特に小学3年以下の部では、108人も増えて285人となった。
大会事務局の担当者は「将棋を題材にしたアニメや映画などで子どもたちが関心を持ち始めた後に、昨年、藤井六段らの活躍が続いたことが大きい」と増加の背景を語る。
今年の東北大会は7月に仙台市宮城野区の夢メッセみやぎで開かれる。2年前と同じ会場だが、今年も大勢の申し込みが見込まれるため、以前は1ブースだった会場スペースを2ブースに広げる。(高橋昌宏)
情報源:宮城)仙台の高校生が将棋の女流棋士に:朝日新聞デジタル
へぇ・・・