藤井六段が独占寄稿「悩んだ序盤、将棋ソフトが転機に」:朝日新聞デジタル

へぇ・・・


朝日杯の決勝で、広瀬章人八段と対局する藤井聡太六段=2月17日午後、東京都千代田区、柴田悠貴撮影
朝日杯の決勝で、広瀬章人八段と対局する藤井聡太六段=2月17日午後、東京都千代田区、柴田悠貴撮影

全棋士が参加するトーナメントで優勝し、名人戦につながる順位戦で昇級を果たした将棋の藤井聡太六段(15)。朝日新聞に寄せた寄稿では、研究にコンピューターを採り入れている現代的な側面や、自身を客観的に捉える冷静なまなざしがうかがえる。

朝日杯初優勝を決め、優勝カップを手にする藤井聡太六段=2月17日、東京都千代田区、恵原弘太郎撮影
朝日杯初優勝を決め、優勝カップを手にする藤井聡太六段=2月17日、東京都千代田区、恵原弘太郎撮影

昨年度は、順位戦昇級、朝日杯優勝という結果を出すことができた。朝日杯では、早指しとはいえ羽生善治竜王や佐藤天彦名人に勝利することができ、優勝という結果を含めて手応えを得られた。順位戦については、6時間という長い持ち時間をフルに生かして戦えたことは、今後につながる経験だったと感じる。プロ棋士になってから1年強でこうした実績を残せたのは望外であるが、要因を挙げるとすれば、序中盤の指し手の精度が向上したことが大きいのではないかと思う。

三段に昇段する頃までは、詰将棋とネット対局を中心とした勉強をしていた。しかし序盤がなかなか上達せず、そこで形勢を損ねるケースが多いことに悩んでいた。

そんな中で、将棋ソフトを使い始めたことが一つの転機となった。ソフト同士を対戦させてみると、序盤から今まで見たこともないような局面に展開していく。そして一見奇異に映る配置でも、しばらく考えると、それなりの理由があるのに気付かされることも多かった。このことを契機に将棋の奥深さ、おもしろさを再確認でき、実戦においても自分の指したい手を自信を持って選べるようになった。また、序盤における駒のポジショニングの感覚も、この頃(ころ)から徐々に磨かれていったように感じる。

ソフトによる、既存の常識にとらわれない将棋に触れたことは、自分にとって有益だったと確信しているが、一方でソフトを使うことはリスクをはらんでもいる。一つ間違えれば、思考そのものをソフトに委ねて、自ら考えるのを放棄することになりかねないからだ。これからもソフトの価値観を取り入れつつ、自分の読みも大事にしていきたいと思う。

将棋において、強くなるための方法論はまだ確立されていない部分が多い。しかし、今後さらなる高みを目指していくためには、改善すべき点をしっかり見据えて、自覚的に取り組んでいくことが必要だろう。将棋の可能性は尽きない。自分の可能性を信じて、試行錯誤しながら強くなっていきたい。(寄稿)

情報源:藤井六段が独占寄稿「悩んだ序盤、将棋ソフトが転機に」:朝日新聞デジタル


佐藤名人らに勝利、手応え 将棋・藤井六段、寄稿全文:朝日新聞デジタル


ほぉ・・・