羽生竜王、相手のミス見逃さず 名人挑戦者決定・観戦記:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


第76期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の挑戦者決定戦は21日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、羽生善治竜王(47)が稲葉陽(あきら)八段(29)に勝ち、佐藤天彦名人(30)への挑戦を決めた。稲葉八段の失着を見逃さずリードを広げ、快勝した。名人戦七番勝負は4月11日に開幕する。

名人戦の挑戦者に決まった羽生善治竜王=21日午後11時、東京都渋谷区、恵原弘太郎撮影
名人戦の挑戦者に決まった羽生善治竜王=21日午後11時、東京都渋谷区、恵原弘太郎撮影

季節外れの雪に見舞われた春分の日、名人挑戦者を決める熱い戦いが将棋会館の特別対局室で繰り広げられた。

対局を振り返る羽生善治竜王(左)と稲葉陽八段=21日午後11時28分、東京都渋谷区の将棋会館、村上耕司撮影
対局を振り返る羽生善治竜王(左)と稲葉陽八段=21日午後11時28分、東京都渋谷区の将棋会館、村上耕司撮影

羽生は、史上初の6者プレーオフを3連勝で勝ち上がった豊島将之八段を下しての決定戦進出。対する稲葉は前期、初参加のA級を8勝1敗という圧倒的な成績で名人挑戦を決めた(七番勝負は佐藤名人が4勝2敗で防衛)。ところが今期は6回戦まで2勝4敗。降級の心配をしなければならないほど低調だったが、そこから残り4戦を全勝で切り抜けた。

A級での序列順位は前期の成績に基づく。挑戦者だった稲葉は1位の「特典」を生かし、プレーオフでは最終5局目のこの挑戦者決定戦で、対戦相手が決まるのを待っていた。

過去の対戦成績は羽生の3勝2敗。だがその2敗はいずれもA級順位戦で喫したものだ。この連敗を止められるかも注目された。

第1図・△3三金まで
第1図・△3三金まで

対局は午前10時開始。持ち時間は各6時間。先手となった稲葉は初手▲2六歩、羽生が△8四歩と応じ、互いに飛車先の歩を突き合う相懸かりの出だしだ。しかし局面は導かれるように横歩取りのような形に。第1図は稲葉が仕掛けて角交換になり、羽生が△3三金と飛車にあてて力強く受けた局面だ。ここから稲葉も飛車を見捨てて強く▲4四歩。以下△3四金▲4三角△6三玉▲3四角成と一気に決戦に突入した。

第2図・▲4五金まで
第2図・▲4五金まで

局面は進んで第2図。▲6六角、△5四角と自陣角を打ち合い、稲葉が▲4五金と打ったところだ。△3六角と出られる手を受けたわけだが、△6五角と出られて困った。次に△2八飛から△3八角成の攻めを狙っている。▲3九金と受けても△3八角成▲同金△2九飛とされて後手の攻めが速い。第2図で稲葉は▲5六歩△同角▲3九角と受けたが、これを境に防戦一方になった。その後は羽生が徐々にリードを広げ、押し切った。

終了図・△3六歩まで
終了図・△3六歩まで

終了図では▲4五桂と桂を逃げても△4四銀が援軍となり、後手の攻めを先手は支えきれない。稲葉は持ち時間を30分近く残して投了した。感想戦では第2図の▲4五金が敗着とされた。これに代えて▲4七金と打っていればまだまだ難しい戦いが続いていた。

終局後、稲葉は「△6五角をうっかりした。▲4五金がひどい手だった。このあとはつらすぎる感じになって、どうしようもなかった」と話した。

羽生は、豊島、稲葉と今期順位戦で敗れた20代の若手2人を連破して、名人挑戦権を獲得した。名人戦については「まだ実感はないが、機会に恵まれたので、コンディションを整えて臨みたい」と話した。

羽生が今期、名人位を奪取すると、通算獲得タイトル100期という前人未到の記録を達成する。(村上耕司)

情報源:羽生竜王、相手のミス見逃さず 名人挑戦者決定・観戦記:朝日新聞デジタル



羽生善治竜王が名人挑戦権獲得 奪取ならタイトル通算100期の大偉業 4月11日開幕


名人でタイトル100期目なるか・・・