「将棋」と「囲碁」子どもにやらせるならどっち? 直感力、論理力、集中力を鍛えるマインドゲーム | デイリー新潮

ふむ・・・


17日朝日杯での藤井vs羽生
17日朝日杯での藤井vs羽生

ますます悩ましい「将棋」と「囲碁」子どもにやらせるならどっち?(1)

羽生善治、井山裕太両氏の国民栄誉賞受賞に続き、藤井聡太・新六段の快挙――空前のフィーバーに沸く将棋&囲碁界だが、そこで世の父母(ちちはは)の頭を悩ませているのが、以下の“難題”である。「将棋」と「囲碁」、子どもにやらせるならどっち?

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藤井六段が連勝街道をひた走っていた昨年前半。数多の絶賛評の中で、棋界から時折聞こえてきたのが、こんな声である。

「今、藤井クンが当たっているのはC級のメンバーが多いでしょ。A級の棋士と戦ったらどうなるか」

「運がいいだけ」

その時点で、羽生二冠との対戦成績は、非公式戦での「1勝1敗」だったが、

「非公式戦はプロ野球のオープン戦のようなもの。羽生さんもお手並み拝見という気持ちだったはず」

「羽生さんと比べたら? そりゃまだまだでしょう。羽生さんの終盤は桁違いに強いですよ」

が、それから1年も経たない今、棋界で同じような評価をするムキは、ほとんどいないのではなかろうか。

連勝が29でストップした後も高勝率で突っ走り、(名人戦挑戦リーグの)「順位戦」ではC級2組を1年で通過。そして、2月17日の朝日杯オープン戦では、準決勝で羽生二冠を破って見事優勝。15歳6カ月で、史上最年少での棋戦優勝と、六段昇格を果たしたのだ。

「羽生さんと当たる前の準々決勝では、佐藤天彦名人を倒しています」

とは、さる観戦記者だ。

「羽生さんは竜王のタイトル保持者ですから、棋界最高位の名人と竜王2人を連破したことになる。しかも羽生さんは朝日杯で通算勝率8割6分と抜群に強い。それを倒したのですから価値は高いです。そして決勝の相手・広瀬章人八段もA級在籍の棋士。つまり今回の優勝は、中学生とかデビュー1年目などとは関係なく、藤井六段が現在の棋界で、トップクラスの力を持っていることを示したのです」

佐藤名人、渡辺棋王が語る「藤井六段」

実際、トップ棋士たちもはっきりと藤井六段の実力を認めている。

佐藤名人に聞くと、

「藤井さんの強さはそれ以前からわかっていましたが、対戦してみると予想通り強かった。特に終盤が鋭く、相手玉に寄せがある時にそれを見つける能力が高い。成算を持って踏み込んでいってますね。また、序盤、中盤もそつがなく、形勢をはっきり損ねるようなミスが少ないです。総じて完成度が高いと思います」

そして、

「これから1〜2年のうちにタイトル戦に登場してもまったく驚かないですね」

と言う。もちろんこの期間にタイトル戦に出られれば、またもや史上最年少記録を更新することとなる。

「技術的にトップレベルにあることは間違いないと思います」

と述べるのは、本誌(「週刊新潮」)連載でもお馴染みの渡辺明棋王。永世竜王の称号を持つ、現役最強棋士の1人だ。

「佐藤名人、羽生竜王との対戦も完勝と言える内容でした。頭の良さが将棋に生かされています。今後の期待は、羽生さんの持つ数々の記録を破る、ということになるでしょうか。しかし、これからこの圧倒的な才能と対峙していかなければいけないのかと思うと、自分も手放しで驚いたり、誉めていればいいという立場ではないと思っています」

と、もはや対等の“ライバル視線”を向けるのである。

茂木健一郎が解く「将棋脳」と「センター試験」

かくして藤井六段への評価は高まる一方だが、他方、対する囲碁の井山七冠(28)も負けてはいない。2月15日、七大タイトルの一つ、棋聖戦で6連覇を果たしたが、その内容が圧倒的だった。

先の観戦記者によれば、

「挑戦者は王座戦、天元戦に続いて一力遼八段。3棋戦連続して挑戦者になるということは、一力さんの力がそれだけ図抜けていると言えますが、井山さんはその彼に10連勝。3戦をすべてストレートで下したのです。今の囲碁界での井山さんの力は、絶対的としか言いようがありません」

若きスターが思う存分、躍動しているのが、今の囲碁、将棋界なのである。

「朝日杯での優勝によって、藤井さんは、左脳だけでなく、右脳も優れていることを証明しましたね」

と解き明かすのは、脳科学者の茂木健一郎氏である。

次の一手を考えるための「持ち時間」が4〜9時間などのタイトル戦に比べ、朝日杯は40分。考慮時間が短い、「早指し戦」である。

「この場合、思い浮かんだ手の精度を検証する時間が少ないので、より直観力が試されることになります。直観とは、瞬間的にパターン分析を行うことですから、右脳の動きが中心になる。対して、持ち時間の長い棋戦では、左脳による論理力や推理力が問われることになります」

逆に言うと、将棋をやることによって、直観力に論理力、両方の能力が鍛えられることになるワケだ。

茂木氏が続ける。

「早指しは、短い時間内に正確な結論を出さなければいけない。早指しの達人になることは、センター試験など、制限時間の短い試験で力を発揮するのに役立ちます。それに対し、『長考』の将棋に強くなることは、東大の2次試験など、じっくり考える必要のある課題への対応能力をアップさせることに繋がります」

もちろん、「早指し」や「長考」の棋戦は囲碁にもある。だから、これらの特長が囲碁にも当てはまることは言うまでもない。

「インターネットの発達で我々は細切れの時間を過ごすことが多くなっている。その中で、将棋や囲碁は、現代で最も深い集中を必要とする。集中力を鍛えることにも結び付きます。そしてそこで得た集中力は、もちろん学習にも応用が利く。学びの吸収力を高める効果を生むのです」(同)

子どもの脳を鍛えるための、非常に有効なマインドゲーム、と述べるのである。

(2)へつづく

情報源:「将棋」と「囲碁」子どもにやらせるならどっち? 直感力、論理力、集中力を鍛えるマインドゲーム (デイリー新潮) – Yahoo!ニュース

情報源:「将棋」と「囲碁」子どもにやらせるならどっち? 直感力、論理力、集中力を鍛えるマインドゲーム | デイリー新潮


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