へぇ・・・
将棋、囲碁、オセロの3種目を1人が続けて対局する大会が11月4日、東京都内で行われた。目の前の相手には目もくれず、一心にスマートフォンやタブレット端末を指先で操作し続ける。失礼千万、スマホ中毒もここに至れり…とあ然とさせられる対局風景だが、実はこれ、ちゃんとルールに則っている。いったい、この不思議な大会とは…。
■ボードゲームのトライアスロン
この大会は「グロービス・トライボーディアン日本選手権」。将棋や囲碁の書籍を発行するマイナビ出版(東京都千代田区)が主催し、ビジネススクールを運営するグロービス(千代田区)が協賛したもので、今年が3回目になる。
「初回が64人、昨年が73人、今回は大台にのりました」とマイナビ出版の島田修二・将棋書籍編集長。105人が参加した。関東周辺はもちろん、大阪、名古屋、熊本、岩手など遠方から駆けつけた人もいるにぎわいだった。
1人の選手が水泳→ランニング→バイク(自転車)を同日に連続して挑むトライアスロンにちなみ、似て非なるボード(盤上)ゲームの囲碁→将棋→オセロ(リバーシ)を続けて行い、最強を決める頭脳バトルがこの“知のトライアスロン”「トライボーディアン」だ。
対局では実物の将棋盤や碁盤、オセロ盤を使わない。オンラインゲーム「将棋クエスト」「囲碁クエスト」「リバーシ大戦」という3つの対戦型アプリケーション(ソフトウェア)を各自スマートフォンなどにインストールして戦う。
3つアプリの開発者である棚瀬寧(たなせ・やすし)さん(42)は、東京大学の学生時代からコンピューター将棋の開発に携わってきた、この分野の第一人者。
「これだけの規模で将棋、囲碁、オセロ盤をそれぞれ用意しようとすると、スペースも必要だし運搬も大変。それがスマホ1台でできるのだから手軽。ボードゲームとインターネットの親和性は高いと思います」と話す。
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一般的にアマチュアの将棋や囲碁大会の参加者といえば高齢者が多いが、ダウンロードしたアプリを使用することから、こちらは20~30代が中心。なかには小学生の姿も。
名前を読み上げられた順番に着席し、アプリを起動して机上に置いてあるパスワードを入力すると、対局者の端末にも同じ盤面が登場する。「友達対局」と呼ばれる機能で、自分が着手するごとに相手の端末にもその手が現れる。静まりかえった会場は、実際に盤がある通常のアマ大会と同じで真剣そのもの。平均30分程度で3種目を終えていた。
通算14勝4敗で優勝したのは会社員の佐谷哲さん(35)。オセロの世界ランクでトップ10入りをうかがう実力者だ。
「大学で将棋部に入っていて、大学院のときにオセロに興味を持ちました。このトライボーディアンをきっかけに、囲碁も始めました。3回目で、“オセロ勢”の優勝は初めてなのでうれしい」と笑顔を見せる。
最終戦で、第2回優勝の高山弦大さん(囲碁・将棋有段者)に3連勝し、栄冠をつかんだ。佐谷さんは「囲碁が強くないと、上位には入れない。まさか最終戦で3連勝できるなんて、思ってもいませんでした」と驚いていた。
とはいえ、囲碁のプロ棋士も苦戦していた。プロ入り最短で囲碁の公式戦に優勝した芝野虎丸七段(17)の兄、芝野龍之介初段(19)は20位に終わった。「囲碁は全勝でしたが、最後にオセロが強い人に負けて悔しい」とがっくり。
一方、こちらも囲碁のプロ棋士で3位に入った安斎伸彰七段(32)は「囲碁は勝たなければ、というプレッシャーがあったが、なんとか勝ってホッとした」。
バッテリーの残量が減り、電源がある場所に移動して充電しながら戦う対局者がいたのも、この大会ならでは。
対局後に互いの着手の善悪を検討する「感想戦」も、スマホ内に棋譜が残されているから、実際の盤上で一手一手思い返しながら振り返るより手軽のよう。
参加者からは「将棋の羽生善治棋聖はチェスでも日本トップの実力と聞く。囲碁も有段者らしいけど、オセロはどうなんだろう? ひょっとしたら勝てるかも」や「藤井聡太四段にも、囲碁でなら勝てるんじゃないか?」「(囲碁の)井山裕太七冠に将棋かオセロで勝ちたい!」と、“打倒タイトル保持者”をぶちあげる怖い者知らずもいた。(文化部 伊藤洋一)
情報源:羽生善治棋聖、藤井聡太四段もチャレンジしていない知のトライアスロンって何だ!?(産経新聞) – Yahoo!ニュース
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ほぉ・・・