藤井聡太王将、初防衛に王手 挑戦者・羽生善治九段との大激戦を制する シリーズは3勝2敗に/将棋・王将戦七番勝負第5局

藤井聡太王将VS羽生善治九段の勝ち|第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第5局2日目

第72期ALSOK杯王将戦七番勝負 第五局2日目
藤井聡太王将 対 羽生善治九段



2023/02/26 19:47

藤井聡太王将、初防衛に王手 挑戦者・羽生善治九段との大激戦を制する シリーズは3勝2敗に/将棋・王将戦七番勝負第5局

将棋の囲碁将棋チャンネル 第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第5局が2月25・26日の両日、島根県大田市の「さんべ荘」で行われ、藤井聡太王将(竜王、王位、叡王、棋聖、20)が挑戦者の羽生善治九段(52)との激戦を制し、3勝2敗で王将位初防衛に王手をかけた。将棋界のスーパースター同士が激突する“世紀のタイトル戦”。藤井王将が次局で防衛を決めるか、タイトル100期を狙う羽生九段が追いつくか。注目の第6局は3月11・12日、佐賀県上峰町の「大幸園」で指される。

【映像】藤井王将が大激戦を制し防衛に王手をかけた王将戦第5局

これまで互いに先手番で白星を飾り、2勝2敗のシーソーゲームでたどり着いた第5局「島根対局」。出雲国風土記の国引き神話にも登場する霊峰・三瓶山を臨む自然豊かなさんべ荘を舞台に、令和の天才と平成の天才が息をのむような星取り合戦を繰り広げた。

開幕局から一手損角換わり、相掛かり、雁木、角換わり腰掛け銀とバラエティーに富んだ戦型が指されてきたが、本局では後手番の羽生九段が「横歩取り」に誘導。今期の挑戦者決定リーグ突破の原動力ともなった得意戦型を若き王者へとぶつけた。

序盤から激しい展開となった本局は、1日目に藤井王将が昼食休憩を挟んで2時間を投じて決断した単騎での桂跳ねから局面の緊迫度が急上昇。攻め合い必至のあまりに強気な一手に、羽生九段も大長考に沈んだ。

長考合戦の末、一気に局面が動き出し終盤戦に突入。2日目の再開から藤井王将の超攻勢は止まることなく羽生九段を追い詰めていく。劣勢に立たされた羽生九段は、角切りの強襲など様々な勝負手を繰り出したが、藤井王将は動じずアクセル全開の強手でぐいぐいとリードを拡大した。

しかし、防戦一方だった羽生九段は先手の玉頭に狙いをつけ待望の反撃に回ると、重量級の連続手で先手に圧をかけていく。詰みを巡る攻防から一転迫力のある指し手で形勢を押し戻し、羽生九段が終盤で逆転に成功した。

羽生九段が踏みとどまって演じた大激戦はまさに死闘。しかし、終盤力に絶対的な力を誇る藤井王将が後手に超難問の選択を迫り続けた結果、再逆転に成功した。最終盤で後手が受けに回った一瞬を見逃さず、藤井王将が鋭く迫って勝利を飾った。

藤井王将は2022年度の先手番対局は、30勝1敗、勝率.967をマーク。さらに昨年6月の順位戦A級1回戦・佐藤康光九段戦以来、先手番での連勝数を27まで積み上げた。

終局後には、「難しかった」と言葉を揃えて激戦の疲れをにじませた両者。白星を手にした藤井王将だが、「苦しい変化が多いのかなと思っていた」と振り返った。一方、敗れた羽生九段は「正確に読み切れなかった」。さらに「ちょっと対応を誤ると一気に終わってしまいそうな局面が続いていた。早い段階で前例のない形になって、そこからは手探りでやっていた。自信ない局面がずっと続いてた」と語った。

この結果、シリーズは藤井王将の3勝2敗に。念願の王将位初防衛に王手をかけたが、羽生九段もこれまでに2勝を飾っており、挑戦者が先手番を持つ第6局で三度並ぶことも充分予想されている。藤井王将は「あまりスコアは意識せずに、次局も頑張りたい」、羽生九段は「しっかり調整して、良い将棋を指せるように頑張ります」と言葉は少なめ。いよいよクライマックスに突入する次局で、藤井王将が決めきるか、羽生九段が追いつくか。注目の第6局は3月11・12日、佐賀県上峰町の「大幸園」で予定されている。
(写真提供:日本将棋連盟)

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2023年2月26日 18:11

将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社ほか主催)第5局は、25、26の両日、島根県大田市の「さんべ荘」で指され、藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が羽生善治九段(52)に勝利した。史上最年少5冠の若武者と永世7冠の資格を持つレジェンドによる世紀の対決で、藤井がタイトル防衛に王手をかけた。通算成績は藤井の3勝2敗。

これで藤井は、先手番の横歩取りで13連勝。大激戦となった終盤戦で勝負強さを見せつけた。序盤から大駒の交換が行われ、お互い王の守りも薄い。緊迫した空気の中、藤井が2時間の長考で41手目▲4五桂と指し、さらに激しい攻め合いに突入。飛車角を豪快に使い、的確に羽生王を追い詰める。鋭い指し回しで3勝目を挙げた。

藤井は対局後「負けることもあると思っていた」とコメント。勝因については「(終盤)桂馬を取った手が詰めに繋がっているので、その辺りが大きかったのかなと思います」と答えた。

第6局は3月11、12日に佐賀県上峰町の「大幸園」で行われる。藤井は「意識せずにもう一回頑張りたいと思います」と意気込みを語った。

情報源:【王将戦第5局】藤井王将タイトル防衛に王手 羽生九段との“大熱戦”制し世紀の対決3勝2敗に― スポニチ Sponichi Annex 芸能


2023年2月26日 18:49

将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社ほか主催)第5局は、25、26の両日、島根県大田市の「さんべ荘」で指され、羽生善治九段(52)が藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に敗れた。史上最年少5冠の若武者と永世7冠の資格を持つレジェンドによる世紀の対決の通算成績は羽生の2勝3敗となった。

序盤から大駒の交換が行われ、お互い王の守りも薄い。緊迫した空気の中、藤井が2時間の長考で41手目▲4五桂と指し、さらに激しい攻め合いに突入。当初藤井が飛車角を使った豪快な攻めで迫っていたが、細やかな技の数々で羽生が応戦。82手目△3三桂には立会人の福崎文吾九段(63)も「妙手ですね。流れが変わってきました」とうなった。

ただ、「正確に読み切れなかった」と形勢逆転までにはいかず、その後の手を悔やんだ羽生九段。息詰まる大熱戦で惜しくも力尽き、後がなくなった。

対局を終え「ちょっと対応を誤ると一気に終わってしまいそうな局面が続いていた。序盤は経験のある形だったんですけど、早い段階で前例のない形になって、そこからは手探りでやっていたという感じでした。自信ない局面がずっと続いてたのかなというところですかね」と緊迫した終盤戦を振り返った。

先手番となる第6局は3月11、12日に佐賀県上峰町の「大幸園」で行われる。藤井王将に王手をかけられた崖っ縁にも「まあ、はい。しっかり調整していい将棋が指せるように頑張ります」と逆襲に向けて前を向いた。

情報源:【王将戦第5局】羽生九段 妙手3三桂も「正確に読み切れなかった」悔しカド番2勝3敗― スポニチ Sponichi Annex 芸能


2023年2月26日18時13分

藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)が初防衛を国民栄誉賞棋士・羽生善治九段(52)の挑戦を受ける、将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第5局が26日、島根県大田市「さんべ荘」で再開された。25日午前9時から同所で始まった対局は、26日午後6時11分、101手で先手の藤井が激戦を制した。これで3勝2敗として、初防衛まであと1勝とした。第6局は3月11、12日、佐賀県上峰町「大幸園」で行われる。

負けはしたものの、羽生の粘りが光った。激しい攻めへの対応に追われていた。自玉は押しつぶされそうだった。「対応を誤ると一気に終わってしまうので、止めづらい将棋かなと思っていました」。

藤井の鋭い仕掛けに髪の毛をかきむしったり、額に左手を当てながら苦慮する。時折「うーん」と盤の前でうなりながら、体を前後に揺らす。努めてポーカーフェースを装うはずが、苦しい様子が色に出る。

それでも、なかなか決め手は与えない。最善を尽くして受けた。強烈なパンチの応酬が一段落すると、4筋の最下段に金を打ち、自陣に手を入れて藤井の踏み込みをかわす。「後手4一金(76手目)では、ほかの手も考えたんですけど、しょうがないと思っていました」。

経験値を生かして局面を複雑化させ、相手の時間を削る勝負術で、1度は局面をひっくり返したかにみえた。「後手6九飛(84手目)ではなくて、何か違う手を選ぶべきだったかもしれません。後手5一銀打(88手目)で、後手5七銀ですか。それは足りないんじゃないかと思ってしまった。性格に読み切れなかった」。寄せ合いで屈しはしたが、見せ場たっぷりの大善戦だった。

今期の挑戦者決定リーグ戦で2勝、本年度は後手番で7勝3敗と好調で、小学校低学年時代に将棋を覚えた頃から得意としていた横歩取りに誘導した。飛車と角を取り合い、ぶつけ合う。32歳の年齢差は感じさせなかった。

今期の王将戦は、第4局までお互いに先手番で勝ち星を挙げている。第4局(9・10日、東京都立川市「SORANO HOTEL」)の前日検分時、「後手番が2局ありましたけど、自分の方がハッキリ有利という瞬間は1回もなかった」と話した。藤井の強さを改めて実感しながらも、チャンスをうかがう指し回しは、藤井も脅威に感じたに違いない。

次は先手番。第2局は相掛かり、第4局は角換わり腰掛け銀と、タイトル戦11回連続勝利を挙げている藤井の得意戦法にあえて踏み込んで快勝している。タイに追いつけるか。

「しっかり調整して、いい将棋を指せるように頑張ります」。第6局でかど番をしのいで、最終第7局(3月25、26日、栃木県大田原市「ホテル花月」)に望みをつなぎたい。

情報源:【王将戦】羽生善治九段が藤井聡太王将の攻めに屈し3敗目 かど番追い込まれ先手番の第6局へ – 社会 : 日刊スポーツ


2023年2月26日18時13分

将棋の最年少5冠、藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)が羽生善治九段(52)の挑戦を受ける、第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第5局が25、26の両日、島根県大田市「さんべ荘」で行われ、先手の藤井が101手で羽生を破った。シリーズ対戦成績を3勝2敗とした藤井は王将初防衛、5冠堅持にあと1勝とした。第6局は3月11、12日、佐賀県上峰町「大幸園」で行われる。

終盤、ギリギリの攻防を制した藤井は「苦しい変化が多いのかなと思っていた」と振り返った。

世代を超えたスターが初めてタイトルを争う歴史的な一戦は、後手の羽生がエース戦法「横歩取り」に誘導し、藤井が正面から受けて立った。序盤戦、互いに大駒の飛車と角を交換する激しい「空中戦」となり、1歩も引かない。

1日目には藤井が昼食休憩を合わせると3時間の大長考。相手の玉頭を狙い、中段へ桂馬を跳ねる渾身(こんしん)の勝負手を放った。羽生は2時間21分、考えて、応じた。

2日目も激しい攻防が繰り広げられたが、藤井が優勢を築き、リードを広げた。人工知能(AI)の形勢判断も揺れ動く大熱戦。一時は羽生が逆転するシーンもあったが、最後はキレのある寄せで押し切った。

これで先手番では27連勝。藤井は保持するタイトルのうち叡王、棋聖、王位、竜王の防衛に成功し、王将戦は本年度最後の防衛戦となる。2月に始まった渡辺明棋王(名人=38)に挑む棋王戦5番勝負では、2勝0敗で最年少6冠に王手をかけている。

第6局に向け「次局も頑張りたい」と語った。

情報源:【王将戦】藤井聡太王将が初防衛王手「苦しい変化が多いのかなと」終盤ギリギリの攻防制す – 社会 : 日刊スポーツ


2023年2月26日19時14分

藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)が初防衛を国民栄誉賞棋士・羽生善治九段(52)の挑戦を受ける、将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第5局が26日、島根県大田市「さんべ荘」で再開された。25日午前9時から同所で始まった対局は、26日午後6時11分、101手で先手の藤井が激戦を制した。

これで3勝2敗として、初防衛まであと1勝とした。第6局は3月11、12日、佐賀県上峰町「大幸園」で行われる。

◇   ◇   ◇

羽生は最後の最後まで藤井を苦しめた。小学校低学年時代に将棋を覚えた頃から得意としていた横歩取りに誘導する。今期の挑戦者決定リーグ戦で2勝、本年度は後手番で7勝3敗と、結果も出している戦法だ。

中盤、藤井の激しい踏み込みに自玉は押しつぶされそうだった。「対応を誤ると一気に終わってしまうので、止めづらい将棋かなと思っていました」。26日午後の早い段階での終局すら考えられた。

髪の毛をかきむしったり、額に左手を当てて苦慮する。時折、盤の前でうなる。努めてポーカーフェースを装うはずが、苦しい様子が色に出る。それでも、決め手はなかなか与えない。最善を尽くして受けた。4筋の最下段に金を打ち、自陣に手を入れる。「後手4一金(76手目)では、ほかの手も考えたんですけど、しょうがないと思っていました」。

経験値を生かして局面を複雑化させ、相手の時間を削る勝負術で、1度は逆転したかにみえた。「後手6九飛(84手目)ではなく、何か違う手を選ぶべきだったかもしれません。後手5一銀打(88手目)で、後手5七銀ですか。それは足りないんじゃないかと思ってしまった。正確に読み切れなかった」。寄せ合いで屈したが、見せ場たっぷりの大善戦。後手番ながらチャンスをうかがう指し回しは、藤井も脅威を感じただろう。

次は先手番。第2局は相掛かり、第4局は角換わり腰掛け銀で快勝した。「しっかり調整して、いい将棋を指せるように頑張ります」。第6局でかど番をしのぎ、最終第7局(3月25、26日、栃木県大田原市「ホテル花月」)に望みをつなぎたい。【赤塚辰浩】

情報源:【王将戦】羽生善治九段「正確に読み切れなかった」不利な展開で一時逆転思わせる受けの強さ発揮 – 社会 : 日刊スポーツ


2023年2月26日20時12分

将棋の最年少5冠、藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)が羽生善治九段(52)の挑戦を受ける、第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第5局が25、26の両日、島根県大田市「さんべ荘」で行われ、先手の藤井が101手で羽生を破った。

シリーズ対戦成績を3勝2敗とした藤井は王将初防衛、5冠堅持にあと1勝とした。前人未到のタイトル100期を目指す羽生は、後がなくなった。第6局は3月11、12日、佐賀県上峰町「大幸園」で行われる。

◇   ◇   ◇

長考あり、絶妙手あり、我慢の一手あり。最高レベルの読み合いの中、どちらが深く読めているのかが勝負。終盤、ギリギリの攻防を制した藤井は、羽生の「負けました」の言葉に「ありがとうございました」と深々と頭を下げた。

今シリーズは藤井が先勝し、その後は交互に白星を取り合い、2勝2敗で迎えた大一番。後手の羽生がエース戦法「横歩取り」に誘導し、藤井が正面から受けて立った。序盤戦、互いに大駒の飛車と角を交換する激しい「空中戦」となったが、1歩も引かない。

「どういう展開になるか分からなかったが、横歩取りの可能性もあると思っていた」。1日目に昼食休憩を合わせると3時間の大長考。受けるか、攻めるのか。相手の玉頭を狙い、中段へ桂馬を跳ねる渾身(こんしん)の攻めの勝負手を放った。

「猪突(ちょとつ)猛進」。イノシシのように突進し、強手を連発。羽生玉に激しく迫り続けた。2日目の勝負メシは「おおち山くじら猪肉そば」を注文。香ばしく焼いたイノシシの肉と三瓶そばのハーモニーが絶妙な一品を選んだ。

「負けることもあると思っていた」。お互いが玉の守りが薄く、逆転が起きやすい攻め合い。終盤は人工知能(AI)の形勢判断も揺れ動く大熱戦となり、一時は逆転されるシーンも。がむしゃらに突進するのではなく、読みを深め、我慢の一手でしのいだ。

これで先手番では27連勝。本年度の先手番成績は驚異の30勝1敗。まさに「鉄壁の先手番」だ。保持するタイトルのうち叡王、棋聖、王位、竜王の防衛に成功し、王将戦は本年度最後の防衛戦となる。2月に始まった渡辺明棋王(名人)に挑む棋王戦5番勝負では、2勝0敗で最年少6冠に王手をかけている。

ハードスケジュールが続くが、初防衛にあと1勝に迫った藤井は「意識せずにもう1回頑張りたいと思います」。激戦が続く。【松浦隆司】

情報源:【王将戦】藤井聡太王将が大熱戦制し防衛王手、羽生九段投了の言葉に「ありがとうございました」 – 社会 : 日刊スポーツ


終局直後

【藤井聡太王将インタビュー】

--本局は横歩取りの激しい攻め合いの将棋になりました。まず1日目、横歩取りに進んだことについてはどういう感想をお持ちですか。
「始まる前はどういう展開になるかわからないと思っていましたが、横歩取りも可能性はあると思っていました」

--昼食休憩を挟んでの▲4五桂(41手目)という大長考がありました。また封じ手前は▲5三桂成(47手目)と単騎で突っ込む激しい手順を選ばれましたが、1日目についてはどういう方針、形勢判断で指されていましたか。
「△2六歩(40手目)に▲2三歩成△同金▲2八歩と受けるような手もあって、(△2六歩ではなく)△2七歩と打たれたらそう(▲2三歩成△同金▲2九歩と)進めるつもりでした。△2六歩に▲2三歩成は少し損すると思って、▲4五桂も掘り下げて考えましたが、7筋が壁になっていて堅くないので成算はなかったです。▲4五桂に対してもいろいろあると思ったのですが、本譜(44手目△2五飛)だと桂取りの受け方がなくなったので▲5三桂成と進めてみました」

--封じ手の前の▲5三桂成(47手目)では、▲6五桂もあったと思うのですが。
「▲6五桂もあると思ったのですが、本譜は本譜で難しいと思っていました」

--2日目は藤井王将の猛攻が続きました。▲8五飛(61手目)と回ったあと、羽生九段の桂馬がどんどん跳ねて(62手目△7三桂~66手目△7七桂不成)味がいいようにも見える中で攻めていったのですが、あのあたりはどのような方針で指されていましたか。
「▲2五飛(57手目)と打ったところは駒損を回復して悪くないと思っていたのですが、本譜の△2四歩(60手目)に▲8五飛から攻めていったのは結果的によくなかったかと思います。(△2四歩に)▲3五飛や、△6五桂(64手目)に一旦受けるとか、もう少し細かく指さないといけなかったです。本譜は▲6三竜(65手目)に期待したのですが、飛車を渡す攻めになるので、進んでみると思ったほどよくなかったなあと思いました」

--昼食休憩明け、羽生九段の△4一金(76手目)に対して1時間15分の長考で▲5三銀と攻めました。
「△4一金のときに手が広いと思いました。単に▲3五銀と出るつもりでしたが△3四歩と受けられたときにいい攻め方がわからなかったです。本譜は△5六歩(78手目)▲同歩△4五桂が厳しく、難しくしてしまったと思います」

--控室でも形勢が混沌としてきたという声があがりました。▲3五銀(81手目)に対して△3三桂と玉の退路を確保される手が出てAIの評価値も傾いたのですが、感触はいかがでしたか。
「▲5三銀(77手目)が空振りになってしまっている形で、考えていても苦しい変化が多いと思っていました」

--藤井王将の中で形勢を最も悲観された場面はどこでしょうか。
「△4五桂(80手目)を許して自玉がかなり危ない形になったので、よくなかったと思っていました」

--最終盤、手ごたえとしては苦しかったのでしょうか。
「そうですね。▲5四桂(87手目)に△5七銀から竜を取られるような変化(△5七銀▲同銀△同桂成▲同玉△8四角の王手竜取り)も少し苦しいと思っていたので、全体的に△4五桂(80手目)を許してしまって、自玉のまとめ方がなくなってしまったので失敗していると思いました。本譜の△5一銀打(88手目)ももちろんあると思っていて、▲4二角成△同銀▲5三銀(91手目)の局面がどうかと考えていました」

--勝ちになったと思われたのはどのあたりでしょうか。
「▲4五銀(95手目)と桂馬を取った手が詰めろになっているので、そのあたりは好転したかなと思っていました」

--これで3勝2敗となり、王将位の初防衛まであと1勝としました。次戦に向けてひとことお願いします。
「あまりスコアは意識せずに次局も頑張りたいと思います」

【羽生善治九段インタビュー】

--一局を振り返ってどんな将棋だったでしょうか。
「序盤は何局か経験のある形だったのですが、早い段階で前例のない形になって、そこからは手探りでやっていたという感じです。あまり自信のない局面が続いていたというところです」

--後手番ということで、藤井王将の強手を受ける時間が長かったと思いますが、しのぎの場面はどういう感じでしたか。
「ちょっと対応を誤ると一気に終わる局面が続いていたので、まとめづらい将棋とずっと思っていました」

--2日目の終盤、△4一金(76手目)と受けられたところはいかがでしたか。
「ほかの受けはジリ貧になってしまうので、あれは仕方がないと思っていました」

--△3三桂(82手目)が控室でも評判がよく、形勢逆転という声もあったのですが、感触はいかがでしたか。
「あの局面は桂馬を跳ぶ一手と思いました。でも▲4六銀(83手目)のあとに何を指せばいいかわからなかったですね。本譜では負けにしていると思うので、△6九飛(84手目)じゃなくて何か選ぶべきだったかもしれません。

--控室ではAIを参考にして見ていたのですが、その△6九飛は悪い手ではないということでした。
「へえ、そうなんですか。へえ……。じゃあ△5一銀打(88手目)で△5七銀ですか。ちゃんと調べないとわからないですが、それを選ぶべきでしたか。正確には読み切れなかったですね。△6九飛では結構考えたのですが、何をやってもちょっと足りないと思ってしまったので、もうちょっと本譜よりはマシな順があったかもしれません」

--2勝3敗となりましたが、次局に向けてひとことお願いします。
「しっかり調整していい将棋が指せるように頑張ります」

情報源:ALSOK杯王将戦中継ブログ : 終局直後


藤井聡太王将に羽生善治九段が挑戦する 第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第5局が、2月25・26日(土・日)に島根県大田市「さんべ荘」で行われ、藤井王将が101手で羽生九段に勝ち、対戦成績を3勝2敗としました。

王将防衛まであと1勝です。

第6局は、3月11・12日(土・日)に、佐賀県三養基郡「大幸園」で行われます。

情報源:藤井聡太王将VS羽生善治九段 第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第5局 藤井聡太王将の勝利|将棋ニュース|日本将棋連盟


七番勝負の日程



▲藤井聡太王将-△羽生善治九段(毎日新聞スポニチ

藤井聡太王将の勝ち


  

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