藤井聡太五冠

藤井聡太の師匠が語る、羽生善治九段との「王将戦」見どころ 意外な勝敗予想は? | デイリー新潮

1月8日開幕


2023年01月07日

藤井聡太五冠
藤井聡太五冠

メッシ(35)対エムバペ(24)――これまでサッカー界を引っ張ってきたスターと、これからのサッカー界を背負っていく新鋭との戦い。サッカーW杯決勝はそんな側面もあった。ところ変わってわが国でも、同じような戦いが盤上で始まろうとしている。

***

2023年の大一番、藤井聡太五冠(20)に羽生善治九段(52)が挑む第72期王将戦七番勝負――それぞれの説明は不要だろう。一時代を築いた羽生、そして築くであろう藤井。二人がタイトル戦で相まみえるのは、意外にも今回が初めてだ。

「王将戦の前哨戦として注目されましたが、藤井五冠の長所がいかんなく発揮された一局でした」

と語るのは、藤井の師匠である杉本昌隆八段(54)。

「角換わりの難しい将棋を、一手一手丁寧に読み進めていた。ほぼノーミスではないでしょうか」

と弟子に賛辞を贈る。一方、自身と同世代の羽生についても、

「前年が悪すぎただけで、本来の力が発揮されたら現在の勝率は当たり前。同世代には強い棋士が何人もいますが、その中でも羽生先生が特別であることは共通認識。私も若い頃は、羽生先生との対局前夜はうれしくて眠れませんでした」

藤井について羽生に聞くと…
そんな杉本八段の羽生九段との勝敗は、失礼ながら0勝8敗(準公式戦含む)。

「先生が対局中に呟(つぶや)くのは有名ですが、あるときも私が中盤で明らかな悪手を指したのに『うんうん』『あっ、そうか』と。相手のどんな手にもその真意を探ろうとする姿勢が見える。おかげで勝勢だった私は“羽生マジック”で逆転負け。即詰みを逃して200手以上で負けた将棋もあります。私の財産ですね」

19年の対局後には、対戦相手と会食するのは珍しい羽生と食事をともにし、雑談の機会もあったという。話題は自然と藤井に及び、

「私が『先生のお若い頃と比べてどうですか?』と尋ねると『時代が違いますから』と。将棋界の注目度が高まった上、SNSなどの普及で、街で見かけた姿がすぐに拡散される。自分の頃より大変だ、と気遣っておられました」

羽生九段からも藤井について質問があった?

「ごめんなさい。中身はお話ししにくくて……でも、彼を気にかけていただけていることは言葉の端々に感じましたし、ご自身が歩んだ道を彼が進むということは確信しておられました」

藤井少年“羽生”で泣きやむ
逆に、藤井五冠は羽生をどう見ているのか?

「目指すスタイルは谷川浩司十七世名人なのですが、将棋を覚えた頃に頂点にいた羽生先生が目標だったのは確か。彼が小学2、3年生の頃、研修会で必勝の将棋を終局間際に“四段目角成り”で反則負けしましてね」

子供の頃の藤井が泣き虫だったのは有名だが、このときは輪をかけて号泣し、誰も止められなかったとか。

「そこで、現場にいた大人が『あの羽生さんだって一手頓死で負けたことがあるんだよ』と慰めたんです」

羽生が01年竜王戦挑戦者決定戦で痛恨の失着、一手詰みにされた一件だ。

「すると、藤井少年が『ホントに?』と言って、ピタリと泣きやんだんです」

来る“大一番”に話を戻そう。藤井はタイトル戦11期無敗。羽生は1年前のA級陥落から復調し、勝てば前人未踏、通算獲得タイトルを100期の大台に乗せる。

師匠から弟子に授ける秘策はあるのか?

「藤井五冠は良い意味でも悪い意味でも相手によって作戦を変えることをしないので。こちらがアドバイスする必要はないのではないか、余計な情報を与えない方がいいのではないか、という気がします」

「希望としては3勝3敗で…」
では、どんな戦いになるのか? 見どころは?

「直線的に先を読んで読んで切り込む藤井五冠に対し、曲線的に流れを受け止める羽生九段はどんな戦型も柔軟に指しこなす。それどころか、相手の得意な戦法で戦い、その良さを引き出して、終わってみたら自分のものにしてしまう。逃げずに吸収してしまう。どんな展開でも勝ちパターンにしてしまう。なので羽生九段の戦型選択に注目ですね。番勝負は一局落としても全体で勝ち越せばいいので、いきなりエースを出すのか、それとも2局目以降に温存するのか……」

ずばり予想は何勝何敗?

「羽生九段の復活は、同じ棋士としてうれしく、一局でも多く名勝負を見てみたい。今回、世間が羽生九段を応援しているのもよくわかります。私も弟子が相手でなければ応援します。希望としては、3勝3敗でフルセットにもつれて……」

ちょっと待った。弟子が3敗していいんですか?

「羽生九段との対局は、盤上だけでなく、一局につき2泊3日、前後入れれば4日間一緒に行動する、貴重な機会です。師匠としては弟子に少しでも多くその経験を積ませたいですね。だからフルセット。ただ、そうはいっても弟子ですから、7局目は勝って防衛してほしい。いや、フルセットならどちらが勝ってもいい、という気持ちもあります」

王将戦第1局は1月8日、9日に静岡県の掛川城で行われる。

「週刊新潮」2023年1月5・12日号 掲載

情報源:藤井聡太の師匠が語る、羽生善治九段との「王将戦」見どころ 意外な勝敗予想は? | デイリー新潮


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