小山怜央アマの勝利｜棋士編入試験五番勝負第2局

16時39分終局
111手 4四桂まで、▲小山怜央アマの勝ち

2022年12月12日 16時40分

棋士編入試験第２局に勝利した小山怜央アマ

プロ棋士を目指す将棋講師・小山怜央アマ（２９）が１２日、東京将棋会館で指された棋士編入試験五番勝負第２局で、岡部怜央四段に先手番で勝ち、２連勝で合格へ王手をかけた。試験は新四段５人と対戦し、３勝すれば合格となる。

戦型は角換わり腰掛け銀。中盤まで互角の展開が続いたが、先手が相手の攻めをうまく受け、終盤に威勢よく反撃に出ると、勝利をたぐり寄せた。

試験官の岡部は今年度１２勝８敗で、公式戦では５連勝中と好調だった。対する小山アマも９日に行われた朝日杯オープン戦２次予選１回戦で同大会優勝経験もある千田翔太七段を下す快進撃。２次予選決勝では広瀬章人八段に敗れ、アマ初の本戦出場はならなかったものの、プロ棋士にも劣らぬ活躍っぷりを見せている。

編入試験ではこれまで、今泉健司五段と折田翔吾四段が合格しているが、２００５年に特例で実施され、合格した瀬川晶司六段を合わせても、連勝ストレートでの合格者はいない。また、プロ養成機関「奨励会」に入った経験のない受験者は初めてだ。

情報源：将棋・小山怜央アマ、岡部怜央四段に勝利！　プロ入りに王手　棋士編入試験第２局 : スポーツ報知

2022-12-12 棋士編入試験五番勝負第２局

☗小山－☖岡部　終局後インタビュー

――一局を振り返っていかがでしたか。

小山　戦型は角換わりを予想していて、どの対策にするか後手が選べるので、なった形に対応しようと思っていました。本譜は予想外の形になってしまって、序中盤は自玉が危険な状態でのやり取りが続いて自信がありませんでした。
戦いになってからはこちらがよかったと思うので、割と差がついてよくなったので読みきりやすくなって、勝ちやすかった展開だったと思います。

――序盤作戦は予想外だったということでした。そのあたりの手応えはいかがでしたか。

小山　予想外の展開になるかも、とは事前に思っていました。その場合は、時間を使って自玉がつぶれないように頑張るしかないと思っていました。その通りに進められたので、それはよかったと思います。

――岡部四段とは、朝日杯でも対戦していました。そのときの経験は生きましたか。

小山　岡部先生のイメージは序盤作戦の選択がうまい印象でした。それを念頭に入れて事前準備することができたので、朝日杯の対戦を生かせたと思います。

――中段玉の展開でした。一見危険をはらんでいたように思いますが、怖さのようなものはなかったのでしょうか。

小山　私はもともと玉の薄い展開が割と好きなので、本局のように、薄いけど安定しているという展開のほうが扱いやすいです。

――そこはAIを含めた現代将棋への研究の成果なのでしょうか。

小山　確かにAIはバランスの取れた形を好むので、その辺は生きたのかなと思います。

――２連勝となりました。あと１勝で合格です。第３局への抱負をお願いします。

小山　２連勝は自分でも驚いているのですが、第３局も気を引き締めていままでと同じように準備して、自分の力を出しきれたらと思います。

――序盤、ノータイムでの指し手も多かったです。作戦についてはいかがでしたか。

岡部　角換わりは本命でした。本譜は用意していた作戦でした。序盤は後手番ながら主導権を握れたと思うのですが、先手玉が４七まできて安定してしまったので、そこは結構自信のない展開になってしまったと思いました。

――攻め方が難しかった感じでしょうか。

岡部　その前に攻めていければよかったのですが、自分にはわかりませんでした。☖９八角と打つ攻め方がよくなかったかもしれません。飛車を成り込んでも、先手玉が安定しているので自信がなかったです。本譜は思ったよりも苦しかったです。

――小山アマとは朝日杯で対戦していました。そのとき以来の対戦でした。

岡部　試験官の中では、唯一公式戦で対戦していました。前回では逆転負けでした。今回も序盤でリードをと思いましたが、あまりよくしきれなくて、自分の展開にならなかった感じです。

小山怜央アマが受験する棋士編入試験五番勝負第2局の対岡部怜央四段戦が12月12日（月）に行われ、小山アマが111手で岡部四段に勝ちました。

小山アマの試験成績は2勝0敗となりました。

狩山幹生四段と戦う第3局は1月に行われます。

第3局に勝つと小山アマは編入試験に合格します。

情報源：岡部怜央四段VS小山怜央アマ棋士編入試験五番勝負第2局小山怜央アマの勝利｜棋戦トピックス｜日本将棋連盟

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— スポーツ報知 (@SportsHochi) December 12, 2022

#小山怜央アマの勝利

【 #棋士編入試験五番勝負第2局】

●岡部怜央四段 VS ○小山怜央アマ

小山怜央アマが受験する棋士編入試験五番勝負第2局の対岡部怜央四段戦が12月12日（月）に行われ、小山アマが111手で岡部四段に勝ちました。 https://t.co/TKlLViWUET

— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) December 12, 2022

▲小山怜央アマｰ△岡部怜央四段

詰将棋のような鮮やかな桂捨てだ。☖４四同銀、☖４四同歩とも後手玉の逃げ場がふさがるため☗４一角から詰む。また、☖３三玉も☗２二角と捨てれば、後手玉は４四に逃げられない。以下☖２二同玉☗３二金☖１三玉☗２二銀☖２三玉☗３三金☖１二玉☗１三金までの詰み。
この局面で岡部が投了した。終局時刻は16時39分。消費時間は☗小山２時間19分、☖岡部２時間59分。相手の攻めをしのいだあとは鋭く寄せて、小山アマが制勝。角換わりの先後ともに制した形で２連勝とし、試験合格にあと１勝となった。
※局後の感想※
感想戦は15分程度行われた。序盤は後手ペースだったが、66手目☖９七歩成は結果的に攻め急ぎとなった。82手目☖６五金では☖６五桂がまさったようで、「（どうするのがいいか）わからないです」と小山アマ。岡部は「☖６五金からは後手がダメそうです」と振り返った。本譜は後手の攻めが決まらず、駒損が響いた。

16時39分終局
111手 4四桂まで、▲小山怜央アマの勝ち