第63期王位戦28日開幕 藤井聡太王位の3連覇か、豊島将之九段の雪辱か

第63期王位戦28日開幕 藤井聡太王位の3連覇か、豊島将之九段の雪辱か|文化・芸能|徳島ニュース|徳島新聞電子版

今期はどうなるか・・・


2022/6/27 5:00

藤井聡太王位(19)=竜王、叡王、王将、棋聖=に豊島将之九段(32)が挑戦する「お~いお茶杯第63期王位戦」(徳島新聞社など新聞三社連合主催、伊藤園特別協賛)7番勝負が28日から始まる。昨年、王位戦だけでなく、叡王戦と竜王戦の三つのタイトル戦で対局した2人が再びぶつかることになった。両対局者に大舞台で戦う意気込みを聞くとともに、永世名人の資格を持つ森内俊之九段(51)と、このところ王位リーグの常連となっている佐々木大地七段(27)に7番勝負の展望を語ってもらった。

藤井聡太王位、序盤の修正が課題

豊島九段は、序盤の研究や知識が非常に深く、戦型選択のバリエーションも豊富です。中盤の鋭い踏み込み、悪くなってからの粘りも優れています。苦しいときであっても、相手を楽にさせない技術は、本当に素晴らしいと思っています。見習っていかなくてはいけないところのひとつです。

ふじい・そうた 2002年、愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下、12年、6級で奨励会入会。16年、四段昇段。17年にかけデビューから29連勝で連勝記録を更新。20年、棋聖で初タイトル、王位で二冠。21年、棋聖、王位防衛。叡王、竜王奪取で四冠。九段。22年、王将獲得で五冠に。詰め将棋で鍛えた鋭い終盤力を持つ居飛車党。
ふじい・そうた 2002年、愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下、12年、6級で奨励会入会。16年、四段昇段。17年にかけデビューから29連勝で連勝記録を更新。20年、棋聖で初タイトル、王位で二冠。21年、棋聖、王位防衛。叡王、竜王奪取で四冠。九段。22年、王将獲得で五冠に。詰め将棋で鍛えた鋭い終盤力を持つ居飛車党。

昨年のタイトル戦では、序盤で豊島九段に先行される展開が多かったように感じています。序盤が自分にとって最大の修正するべき課題だと思います。

特にこちらが後手番のとき、豊島九段の作戦にどのように対応するのかを考えなければいけません。後手番だと幅広い展開に合わせる必要があります。序盤の定跡だったり、その後の指し方を含めて、いまより良くしていけるように取り組んでいます。

相居飛車の主な戦型は矢倉、相掛かり、角換わりですが、どれを選ぶかこだわりがないというのが、近いところかと思います。定跡の研究をしていても、そこから外れたときに対応できないと意味がありません。経験値を増やし、自分自身でしっかり将棋を考える必要があると感じています。

王位戦7番勝負は、持ち時間が8時間あります。一手一手を考えて、結果的に自分の個性が出るように指したいですね。全国各地を転戦しながらの対局です。移動は好きなので、毎回楽しみがある棋戦だなと感じています。

豊島将之九段、中終盤強化を意識

昨年無冠となりましたが、またタイトル戦で対局することができ、うれしく思います。

藤井王位は居飛車党の本格派です。序中盤はじっくりした戦いを好まれ、鋭い終盤力を持っています。昨年の藤井王位とのタイトル戦を振り返ると、序盤で指しやすくなった将棋もありましたが、決めきることができませんでした。2日制は王位戦が1勝4敗、竜王戦は4連敗でしたので、今期は一局一局、たくさん対局できるようにしたいと思っています。

とよしま・まさゆき 1990年、愛知県一宮市出身。桐山清澄九段門下、99年、6級で奨励会入会。2007年、四段昇段。18年、棋聖で初タイトル、王位戦も制する。19年、名人、竜王奪取。九段。20年、叡王獲得、竜王防衛。21年、王位挑戦。22年、王位戦挑戦者決定戦で池永天志五段を破る。精密な研究で他を圧倒する居飛車党。
とよしま・まさゆき 1990年、愛知県一宮市出身。桐山清澄九段門下、99年、6級で奨励会入会。2007年、四段昇段。18年、棋聖で初タイトル、王位戦も制する。19年、名人、竜王奪取。九段。20年、叡王獲得、竜王防衛。21年、王位挑戦。22年、王位戦挑戦者決定戦で池永天志五段を破る。精密な研究で他を圧倒する居飛車党。

自分の実力不足を認めて、中終盤を強化することを意識しています。昨年の竜王戦が終わった後、いろいろなことをいっぺんに変えようとしすぎたため、(今年の前半は)内容も結果も悪いものになってしまいました。序盤のことを意識しすぎず、詰め将棋を解く量を増やすなど、少しずつ見直しています。いまは悪いなりに安定してきたのかなと感じています。

戦型は、居飛車系統の将棋が幅広く出てくるのではと感じています。研究課題が盤上で表現されるのではないでしょうか。

勝てるかどうかは分からないですが、実力をしっかりつけ、良い内容の将棋を指せば、シリーズを通じていい勝負ができるかなと思ってます。終盤まで際どい内容の将棋を指し、どちらが勝つかわからない勝負を楽しんでいただけるようにしたいと思います。

【対談】森内俊之九段、仕掛けの時機注目 佐々木大地七段、新しい手出るかも

―昨年と同じ顔触れの7番勝負になる。

佐々木 豊島九段は激しい変化にも飛び込みますし、研究のストックも豊富。特に先手の場合、角換わりが多くなるのではないでしょうか。藤井王位は後手番では、局面を無理に良くしようとせず、自然体に構えます。得手不得手がないので、先手だと相掛かり中心と予想しますが、自分が指してみたい形をぶつけてくることになりそうです。

森内 豊島九段の方が序盤に重きを置いています。詳しい形に誘導しリードを奪う意識が強いですね。藤井王位は、豊島九段の研究範囲まで互角を維持したいと考えているはず。藤井王位には際だった終盤力があるので、序盤で無理をしなくて良いのが強みです。

佐々木 豊島九段から序盤の工夫が出ることになりそうですね。持ち時間を生かし、かなり深いところまで読みあって、ねじり合いになる中盤戦へ進むことが予想されます。

―両対局者は、鋭い終盤力も特徴。

森内 終盤力がある藤井王位でも持ち時間が減れば、正確な読みができなくなるので、混戦に持ち込むことができます。豊島九段がギリギリの一分将棋を目指すのか、勝負どころをもう少し前に持っていくのかは注目したい。藤井王位にしか見えない、長い射程から踏み込まれるような展開は避けたい。藤井王位の長所を消す接近戦に持ち込んだ方が、挑戦者にとって面白いのではと思っています。

佐々木 藤井王位は、複雑な局面でも全てを読み切る読みの早さと正確性が一級品。他の棋士と比べひとつ抜けていると感じます。豊島九段は、形勢を悪くしても相手を楽にさせない指し方がうまい。形勢が悪ければ複雑な、形勢がいいときはさっぱりとした局面にするのが巧みです。両者、終盤で大崩れすることはなく、中終盤は紙一重です。

―両者ともに、AI(人工知能)研究を深く取り入れている。

森内 AIの発想は、棋士が気づかないものがあり、技術が向上しやすい。上を目指す人にはやりがいのある状況で、今シリーズで試すこともあると思う。

佐々木 7番勝負の最中で、新しい手が出てくるのではと感じています。優秀だなと思う作戦や構えを、両者はAI研究を通じてたくさん持っていますので。

―楽しむポイントをファンに教えてほしい。

森内 1日目から手が進むのではないでしょうか。1日目の終わりで優劣が付くかもしれず、気が抜けない時間が長くなります。リードを奪っても、緩むとすぐに追いつかれる。いまは棋士のレベルが上がっていて、中でも2人は最高峰。新たな内容の将棋が生み出され、ファンの人たちにその作品を喜んでもらえる機会になればと思います。

佐々木 昨年、両者が対戦した三つのタイトル戦(王位、竜王、叡王)で勝利した藤井王位が優勢と思う方が多いとは思います。しかし豊島九段も新たな気持ちで臨むでしょうから、力を出すと感じています。

第63期王位戦について展望を話し合った森内俊之九段(左)と佐々木大地七段=東京都千代田区の中日新聞東京本社
第63期王位戦について展望を話し合った森内俊之九段(左)と佐々木大地七段=東京都千代田区の中日新聞東京本社

 

62期プレーバック

藤井聡太王位の王位初防衛戦。相手は豊島将之竜王・叡王となった。豊島は7番勝負がはじまる前まで、対藤井戦を6勝1敗と大きく勝ち越しており、藤井にとって厳しいタイトル戦となることが予想された。

第1局は、後手番の豊島が序盤から積極的に動き先勝。藤井は1時間41分を残しての完敗だった。

第2局、「豊島良し」の時間が長く続くも、終盤で逆転。藤井が1勝を返した。ここで流れが変わったか、第3、4、5局を連勝で制した藤井が王位防衛を果たしている。

第62期を振り返った記事はこちら↓
第62期王位戦 戦いの歩み 藤井聡太王位、豊島将之竜王
第62期王位戦第5局まとめ 徳島対局8月24・25日<動画> 藤井聡太王位が初防衛
藤井聡太が王位防衛 徳島対局を【動画】で振り返る

【7番勝負の日程】

第1局 6月28、29日 ホテルインディゴ犬山有楽苑(愛知県犬山市)
第2局 7月13、14日 ぬくもりの宿ふる川(札幌市南区)
第3局 7月20、21日 中の坊瑞苑(神戸市北区)
第4局 8月15、16日 和多屋別荘(佐賀県嬉野市)
第5局 8月24、25日 渭水苑(徳島市)
第6局 9月5、6日 平田寺(静岡県牧之原市)
第7局 9月19、20日 元湯陣屋(神奈川県秦野市)

【藤井王位の対豊島九段戦の成績(2021年以降)】

棋戦名・勝敗
第14回朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメント ○
第62期王位戦第1局 ●
第62期王位戦第2局 ○
第62期王位戦第3局 ○
第6期叡王戦第1局 ○
第6期叡王戦第2局 ●
第6期叡王戦第3局 ○
第62期王位戦第4局 ○
第6期叡王戦第4局 ●
第62期王位戦第5局 ○
第6期叡王戦第5局 ○
第34期竜王戦第1局 ○
第34期竜王戦第2局 ○
第34期竜王戦第3局 ○
第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ ○
第34期竜王戦第4局 ○
第42回JT将棋日本シリーズ決勝 ●

【王位戦の成績(過去10年間)】

※左から順に、期・年・王位・勝敗・対戦相手

53 2012 羽生善治 4-1 藤井猛
54 2013 羽生善治 4-1 行方尚史
55 2014 羽生善治 4-2(1持将棋) 木村一基
56 2015 羽生善治 4-1 広瀬章人
57 2016 羽生善治 4-3 木村一基
58 2017 菅井竜也 4-1 羽生善治
59 2018 豊島将之 4-3 菅井竜也
60 2019 木村一基 4-3 豊島将之
61 2020 藤井聡太 4-0 木村一基
62 2021 藤井聡太 4-1 豊島将之

【藤井聡太王位と豊島将之九段のインタビュー動画】https://youtu.be/3sUJgbwSA_0

【森内俊之九段と佐々木大地七段の対談動画】https://youtu.be/G-j5_sM7zaQ

情報源:第63期王位戦28日開幕 藤井聡太王位の3連覇か、豊島将之九段の雪辱か|文化・芸能|徳島ニュース|徳島新聞電子版



藤井聡太王位-豊島将之九段(棋譜中継

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