女流棋士の香川愛生さん=杉本康弘撮影

「もう帰ろう」と言わなかった母 香川愛生さんを支えて:朝日新聞デジタル

へぇ・・・


2021年6月13日 12時00分

女流棋士の香川愛生さん=杉本康弘撮影
女流棋士の香川愛生さん=杉本康弘撮影

女流棋士・香川愛生さん

私が将棋と出会ったのは、小学3年のときでした。友だちにルールを教えてもらい、当時住んでいたアパートの下の階のおじいちゃんに将棋を習いました。母は、将棋のことはまったく知りませんでした。

母は1人で私を育てながら経理の仕事をしていましたが、私が東京・千駄ケ谷の将棋会館にある将棋道場に通うようになり、会社を辞めて送り迎えをしてくれるようになりました。どうしても将棋が指したい私は、平日夜で対戦相手がいないときも、まだ見ぬ敵を求めてガラガラの道場に居残っていました。母も「もう帰ろう」とは言わず、一緒に待ってくれました。

習っていた水泳や学習塾をやめたいと言ったときも、東京を離れて立命館大学に進学を決めたときも、結局は受け入れてくれました。強制すると逆にムキになってやらない私の性格を理解して、尊重してくれました。

20歳のとき、初めてタイトル戦に挑戦しました。1勝1敗で迎えた三番勝負の最終日が、ちょうど母の誕生日。しかも会場は、母が送り迎えをしてくれた将棋会館でした。

棋士にとって、タイトル戦は人生を左右する一大イベントですが、晴れやかな気持ちで臨みました。将棋は精神的な要素が大きいゲーム。盤上にもいい影響があったと思います。大一番に勝つことができました。

心配して会場に駆けつけていた母に報告できたのは、終局後かなり時間が経ってから。さすがの母も疲れ切っていましたね。タイトルのお祝いにもらった花束をそのまま母に贈りました。やっと一つお返しができたかなと思いました。

いまでも対局の日になると、母はお弁当をつくってくれます。小学生のときと同じ弁当箱に、お塩で味付けしたわりとよく焼けた厚焼き卵。私にとっての母の味です。やっぱり、頑張ろうという気持ちになれます。

私は、伝統的な将棋の世界をどんどん切り開いて、普及につなげていきたい。ユーチューブで発信したり、会社代表としてゲームを開発したり。コスプレにも挑戦しました。もちろん、自分の時間を捧げて私を応援してきてくれた母に、もう一度タイトル戦の舞台に立つ姿もみせたいです。

そういえば、コスプレの衣装は、裁縫が得意な母につくってもらったんでした。なんだか恥ずかしいですが、もうちょっと感謝しなきゃいけないですね。(聞き手・鎌田悠)

かがわ・まなお 1993年生まれ、東京都調布市出身。15歳で女流棋士となり、大学在学中に女流王将戦で初タイトル。翌年防衛に成功。今年1月に女流四段に昇段。ユーチューブの登録者数は16.7万人。=杉本康弘撮影

情報源:「もう帰ろう」と言わなかった母 香川愛生さんを支えて:朝日新聞デジタル




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