藤井王位は「どんどん強くなる」　挑戦者豊島竜王の決意：朝日新聞デジタル

ほぉ・・・

2021年5月25日 8時00分

第62期王位戦挑戦者決定戦で羽生善治九段に勝ち、藤井聡太王位への挑戦権を獲得した後、記者会見した豊島将之竜王=2021年5月24日午後、大阪市福島区の関西将棋会館、佐藤圭司撮影

将棋の藤井聡太王位（18）=棋聖と合わせ二冠=への挑戦権を争う第62期王位戦（新聞三社連合主催）の挑戦者決定戦が24日、大阪市福島区の関西将棋会館で指され、午後6時18分に終局。豊島将之竜王（31）=叡王と合わせ二冠=が110手で羽生善治九段（50）に勝ち、挑戦権を勝ち取った。

勝った豊島竜王が記者会見に応じた。主なやりとりは以下の通り。

――矢倉の序盤で、工夫をこらした展開からスタートした。本局を振り返ると？

「先手（の羽生九段）から▲1六歩と端を突かれたタイミング……。それに対して、どうやって対応するかということで、苦心しながら指していました。基本的にずっと受ける展開だったんですけど、途中で竜を作って、王様を上部に逃げ出すような展開になって……」

――羽生九段とは昨年末の竜王戦七番勝負など大きな対局でも戦ってきた。今日の挑戦者決定戦は普段と変わらず臨んだ？

「普段通りです。強敵なので、自分の良さが出る形にして思い切りぶつかっていこうというような感じでした」

――王位戦七番勝負で藤井王位に挑戦する。藤井王位の印象は？

「全体的に非常に精度が高くって、最近の将棋だと、ずっと優勢を維持したまま勝つっていうような将棋が多くて。非常に強敵という印象です」

――どのような七番勝負にしたい？

「強敵ですけど、自分の力が出るような展開にできるように、しっかり準備をして、なんとか、いい勝負が出来たら、と」

――以前と比べ、藤井王位の印象は？

「将棋のスタイルは、そこまで大きく変わっているわけではないと思いますが、やっぱり、年々、全体的な精度が上がってきていて、どんどん強くなられている印象です」

――藤井王位との過去の公式戦では6勝1敗と大きく勝ち越しだが、2日制で対局されるのは今回が初めて。今までと違った難しさは？

「自分は長い（持ち）時間で、ゆっくり考えるのは好きです。藤井二冠も、順位戦など、長い時間の将棋の方が精度が高い将棋を指されている。どんどん強くなられていて、大変な戦いになるのかな、と」

「自分が今の段階でどれくらいやれるか、非常に強い相手と番勝負を指し、どうなるか。自分なりに精いっぱいやって、どれくらい指せるか、どうなるか、やってみたい」

――（防衛戦の）叡王戦と同時進行で、ダブルタイトル戦になる点について。

「日程は詰まって、大変なところもあるだろうと思いますが、（昨年末に）竜王戦が終わってから対局が少なくて、難しいところがあった。たくさん対局できるのは（ありがたい）。体力に気を付けて、頑張っていきたい」

――藤井王位とのタイトル戦は楽しみ？

「そうですね。まあ、いつもそうですが、不安もありますけど、楽しみなところが大きいというか。他のタイトル戦も、だいたい、そんな感じで指しています」

――愛知県出身の二冠王同士の決戦になる点について。

「藤井二冠は本当に、国民的なスーパースターだと思いますけど……。愛知県同士ということで、地元の方も喜んでくださると思います」

――棋聖、王位、名人の三冠を達成されたことがあり、今回も竜王と叡王を持ちながら王位に挑戦。自身2度目の三冠を目指す戦いになる。

「あんまり、三冠とかは考えていなくて。（昨年）名人戦と叡王戦を並行して（戦って）いた時もそうですけど、二つタイトル戦を指すと、大変ではありますが、二つあった方が、期待値的にも、ちょっと上がるかな、っていう感じで。タイトルを持ち続けたい、タイトル戦に出続けたい、という気持ちで、やっているので。これで（王位に）挑戦出来たので、一つ前に進めたかな、と思っています」

――王位戦第1局の舞台は、名古屋市の「名古屋能楽堂」。改めて、意気込みを。

「（自分も愛知県一宮市出身で）地元の方に、普段からお世話になっているので、愛知県での対局ということで、良い将棋になるように、開幕に向けて頑張っていきたいと思います」（佐藤圭司）

情報源：藤井王位は「どんどん強くなる」　挑戦者豊島竜王の決意：朝日新聞デジタル

村）豊島竜王は２０１８年から毎年、タイトル戦の挑戦者になっています。藤井王位については「やっぱり、年々、全体的な精度が上がってきていて、どんどん強くなられている印象です」。
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— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) May 24, 2021