藤井聡太の快進撃は続く(時事通信フォト)

トップ棋士たちの藤井聡太対策 カギは「持ち時間」か|NEWSポストセブン

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2020.09.02 07:00

藤井聡太の快進撃は続く(時事通信フォト)
藤井聡太の快進撃は続く(時事通信フォト)

棋聖、王位と相次いでタイトルを獲得し、破竹の快進撃を続ける藤井聡太二冠(18)。史上最年少での二冠を達成し、さらには王将戦リーグを勝ち抜いての3つ目のタイトルまで視野に入ってきた。そうしたなかで注目されているのが、渡辺明・名人(棋王、王将と合わせた三冠、36)が「対藤井戦に特化した対策」に言及したことだ。

渡辺名人はこの7月に藤井二冠(当時は七段)との対決となった棋聖戦に1勝3敗で敗れ、タイトルをひとつ失ったばかり。それを受けての月刊誌『文藝春秋』(9月号)のインタビュー記事では、藤井二冠について、〈どれぐらいの速度で、どんなことを読んでいるのか、頭を割って中を見てみたい気分〉〈現状ではこれといった策が見当たらない〉と率直にその強さを認めている。

さらには、タイトル獲得や棋戦優勝を視野に入れる上位15人ほどのトップ棋士たちは、〈今後は藤井君に勝たないと、そういった成果は得られない〉と断言した上で、〈対藤井戦に特化した取り組み〉が必要かの判断に迫られることになると語っている。一人の棋士に特化した対策・研究をすることで、全体のバランスが崩れ、〈他の対局に、悪い影響がないとも限りません〉としつつも、これからの棋界の頂点に立つには“藤井攻略”が避けては通れないテーマだと論じているのである。

トップ棋士たちが次々と「対藤井に特化した対策」を講じていく“藤井包囲網”の形成を予感させる発言だ。将棋ライターの松本博文氏はこうみる。

「藤井二冠の今の強さは“研究しても勝てないかもしれない”と思わせるほど際立っていますが、それでも渡辺名人のようにタイトル獲得・防衛が目前の課題としてある棋士は、『藤井対策』に注力せざるを得ない状況でしょう。渡辺名人の言及した“上位15人くらい”の顔ぶれを考えると、直近では王将戦リーグで対戦する豊島将之竜王(30)、広瀬章人八段(33)、永瀬拓矢二冠(27)、羽生善治九段(49)、佐藤天彦九段(32)、木村一基九段(47)。タイトル経験のある深浦康市九段(48)、久保利明九段(45)、菅井竜也八段(28)、斎藤慎太郎八段(27)。20代若手で高勝率の千田翔太七段(26)、佐々木勇気七段(26)、大橋貴洸六段(27)、増田康宏六段(22)、佐々木大地五段(25)といった面々が思い浮かびます。

かつて羽生九段が最年少記録を次々と塗り替えて注目されていた時代に、大先輩である中原誠十六世名人(73)、米長邦雄永世棋聖(故人)、加藤一二三九段らが勝って称賛されたことがありましたが、今後は藤井二冠がそういう扱いになるのかもしれません」

すでにトップ棋士たちのなかには、“打倒藤井二冠”の対策を練りに練ったうえで対局に臨んでいる者もいるという。カギとなるひとつが「持ち時間」の使い方だ。松本氏が続ける。

「今年7月の竜王戦決勝トーナメントで、丸山忠久九段(49)は藤井二冠に対し、完璧なゲームプランで勝利を収めています。この対局は千日手指し直しとなり、53手目の時点で藤井二冠の残りの持ち時間が2分しかなかったのに対し、丸山九段は1時間49分を残していた。藤井二冠は終盤の読みに絶対的な強さがありますが、丸山九段は持ち時間で大きなアドバンテージを持った状態で終盤に突入する状況を築いたのです。今年2月の朝日杯準決勝では、千田翔太七段が藤井二冠の3連覇を阻止しましたが、この時も藤井二冠が40分の持ち時間を使い終わって1分将棋に突入した時点で、千田七段は4分しか時間を消費していなかった。徹底的に事前研究を重ね、時間も形勢も差をつけて勝ったのです」

前述のインタビュー記事で渡辺名人も〈終盤で相手側が持ち時間を多く残しているのが、藤井君の負けパターンだと判断した〉と言及している。ただ、今後はそうした対策を重ねても、藤井二冠の勢いを止められるトップ棋士がいるかはわからないという。

「これまで藤井二冠との対戦成績で4勝0敗と圧倒している豊島竜王は最近、調子を落としていいます。豊島竜王や渡辺名人がもし藤井二冠に勝てないようであれば、藤井二冠は“ほぼ無敵”とさえ言えるように思えます。9月から始まる王将戦の挑戦者決定リーグで藤井二冠が挑戦権を手にして、さらに7番勝負に勝利して王将のタイトルを渡辺名人から奪えば、『藤井一強時代』の到来といってもいいのではないか」(前出・松本氏)

三冠、そしてその先へと突き進む藤井二冠と、それを阻止せんとするトップ棋士たち。盤上の熱戦は、まだまだ続きそうだ。

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