(大志 藤井聡太のいる時代)番外編 30年前に最年少記録、「お化け屋敷」に再注目:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2020年7月5日 5時00分

朝日杯将棋オープン戦の2次予選で藤井聡太四段(当時、手前)と対戦した屋敷伸之九段(奥右)=2017年12月15日、東京都渋谷区
朝日杯将棋オープン戦の2次予選で藤井聡太四段(当時、手前)と対戦した屋敷伸之九段(奥右)=2017年12月15日、東京都渋谷区

「中盤での思いきりのよさと終盤の手堅さが印象に残りました。トップレベルの力はまちがいなくあります」と言うのは屋敷伸之九段(48)。6月28日、渡辺明棋聖(36)に藤井聡太七段(17)が挑戦する第91期棋聖戦五番勝負第2局で、立会人を務めた。藤井が2勝目を挙げた将棋を間近で見た感想だ。

藤井は棋聖戦であと1勝すれば初タイトル獲得の最年少記録を更新する。その記録は30年前に屋敷が作ったものだ。1990年の夏、当時四段の屋敷は第56期棋聖戦五番勝負で、当時名人の中原誠棋聖(72)=現十六世名人=に挑んだ。2連敗するもそこから3連勝し、18歳6カ月で初タイトルを獲得。その8カ月前に羽生善治九段(49)が10代初となる19歳3カ月で竜王位を獲得していたが、その記録をあっさり塗り替えた。

「相手は格上。1、2局は完敗だったので1勝でも返せればと思った。3局目で勝てたのが大きく、それが三つ重なった。運がよかった」と振り返る。ただ、今ほど騒がれることはなかった。「世間的にはそんなにといった感じで、ピンとこなかった」という。それが藤井の活躍で改めて注目されている。

少年時代からの強さで「お化け屋敷」とも言われ、89年12月にはプロデビューからわずか1年2カ月、17歳10カ月で棋聖戦の挑戦者になった。五番勝負は中原と第5局まで戦い、最後は敗れたものの、堂々の戦いぶりで存在感を示した。タイトル挑戦の最年少記録は先月、藤井にわずかに更新されたが、最速記録は今も破られていない。

藤井との公式戦は2回で、いずれも敗れた。「しっかり駒組みをし、中盤を組み立て、最後もしっかり勝つ。地に足を着けて戦っている。勢いだけで勝っていた私とは全然違う」

この夏、獲得記録も更新されるかもしれない。屋敷は「記録はいつかは破られるもの。藤井七段はこれからどんどんタイトル戦に出て、獲得していくと思います」=敬称略(村上耕司)

◆毎週日曜に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)番外編 30年前に最年少記録、「お化け屋敷」に再注目:朝日新聞デジタル



へぇ・・・