感想戦で、分岐点となった序盤の局面を前に考え込む藤井聡太七段=2019年7月18日、東京都渋谷区

(大志 藤井聡太のいる時代)鍛錬編:7 その歩を取るか! 佐藤康九段も驚いた:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2020年5月24日 5時00分

感想戦で、分岐点となった序盤の局面を前に考え込む藤井聡太七段=2019年7月18日、東京都渋谷区
感想戦で、分岐点となった序盤の局面を前に考え込む藤井聡太七段=2019年7月18日、東京都渋谷区

横歩を取られたのは想定外でした。ちょっとびっくりしましたね」。そう語るのは、名人2期、棋聖6期などタイトルを通算13期獲得し、「永世棋聖」を名乗る資格を持つ佐藤康光九段(50)だ。日本将棋連盟の会長を務めながら、他の棋士がまねできないような独創的な戦術を駆使し、A級順位戦などで成長著しい若手と渡り合う。そのトップ棋士が2019年7月18日、東京・将棋会館で行われた第69期王将戦の2次予選で藤井聡太七段(17)と対戦した。

先手番の藤井が得意の角換わりの戦型をめざしたのに対し、佐藤は角交換を拒否して力戦模様に誘導した。飛車で取られそうな「横歩」を受けなかったところ、藤井がその歩を取ったのだ。「後で桂馬を損することになるので、取りづらいだろうと思ったんですが……」と佐藤。「普通に指しても不満がないようなところで、私の手をとがめに来たんです。気合を重視するような手でした。藤井さんは局面ごとに割り切って指す合理的なイメージがあったので、意外でした」と振り返る。

定跡のない手探りの将棋は佐藤の得意とするところ。複雑な攻防の末、佐藤がペースをつかんだ。しかし終盤、秒読みの中で佐藤が勝機をつかみ損ねて逆転。反撃に転じた藤井が最後に鮮やかに勝ちきった。

終局後、藤井は「あまり類型のない将棋で、中盤の入り口で間違えてしまった。はっきり苦しくしたが、なんとか勝負できたかなと思います」。誕生日を翌日に控え、16歳最後の対局だった。「17歳になりますが、決意はお持ちでしょうか」と取材陣が尋ねると、「何より強くならないといけないなと思っているので。17歳の1年で確実に成長できたといえるように頑張りたい」と話した。=敬称略(村上耕司)

◆次週は「名人戦ニュース」です。次回の「大志」は6月7日に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)鍛錬編:7 その歩を取るか! 佐藤康九段も驚いた:朝日新聞デジタル



ほぉ・・・