(香川愛生の駒音だより)将棋への関心、高まりを実感:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2017年10月3日 5時00分

香川愛生女流三段
香川愛生女流三段

9月、「将棋日本シリーズ」の四国大会が高松市で行われた。全国11会場を転々と移るトーナメントで、ファンの方々にとってはプロ棋士の公開対局を観戦できる絶好の機会である。

対局と同じ壇上で、大きな盤を使った解説会が行われるのも日本シリーズならではだ。私は今回、この解説会の聞き手を務めた。数百人の観戦者に対して、対局者の横顔を紹介すると共に、指し手の意味をわかりやすく伝える役割だが、対局者の思考の妨げになってはいけない。解説の棋士に「この手はどういう狙いですか」などと尋ねる際にも、どこまで突っ込めば良いのか、気を使った。

この日対戦したのは、佐藤天彦名人と山崎隆之八段だった。平素の対局はスーツなど一般的な正装が主だが、こうした大舞台では和服が慣習である。これまで佐藤名人は、趣向を凝らした数々の装いを披露してきた。今回は深緑の紋付きの和服。つややかな光沢のある生地の上に、背中の紋の刺繍(ししゅう)が一本一本ライトを受けて細やかにきらめいていて、まるで宝石を見ているような心地だった。

熱戦の末、山崎八段が勝った。終局後に対局者を包み込む拍手は、例年以上に大きく感じられた。聞くと、この日同じ会場で開かれたこども大会の参加者数は昨年の約1・5倍だったという。将棋に対する世間の関心の高まりを改めて実感した一日だった。(将棋女流棋士)

◆1993年生まれ。中学3年だった2008年にデビュー。女流三段。「女流王将」のタイトルを2期獲得。

情報源:(香川愛生の駒音だより)将棋への関心、高まりを実感:朝日新聞デジタル



へぇ・・・