封じ手を記した封筒を青野九段(左)に手渡す渡辺王将(撮影・沢田 明徳)

渡辺王将が63手目を封じる|第69期 大阪王将杯王将戦 七番勝負第3局

封じ手は ▲63手目、▲渡辺明王将 が封じる


2020年2月9日 05:30

第1図(上)と第1日指了図
第1図(上)と第1日指了図

第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第3局第1日 ( 2020年2月8日 栃木県大田原市・ホテル花月 )

【渡辺】   【広瀬】
(1)▲2六歩1  (2)△8四歩1
(3)▲2五歩2  (4)△8五歩1
(5)▲7六歩   (6)△3二金1
(7)▲7七角1  (8)△3四歩1
(9)▲6八銀2  (10)△7七角成1
(11)▲同銀   (12)△2二銀
(13)▲4八銀1  (14)△3三銀1
(15)▲3六歩1  (16)△6二銀1
(17)▲3七銀2  (18)△7四歩4
(19)▲7八金1  (20)△7三銀1
(21)▲4六銀2  (22)△6四銀6
(23)▲5八王6  (24)△5二王9
(25)▲3五歩9  (26)△同歩9
(27)▲同銀  (28)△8六歩4
(29)▲同歩1  (30)△8五歩1
(31)▲2四歩15 (32)△同歩6
(33)▲3四歩1  (34)△2二銀1
(35)▲2四飛  (36)△2三歩3
(37)▲2六飛  (38)△8六歩6
(39)▲8八歩  (40)△7三桂4
(41)▲6六歩18 (42)△7二金6
(43)▲6八銀9  (44)△8四飛7
(第1図)
(45)▲6七銀6 (46)△7五歩1
(47)▲同歩18 (48)△同 銀1
(49)▲7六歩  (50)△6四銀1
(51)▲3八金3 (52)△5五銀12
(53)▲3七桂25 (54)△4四銀45
(55)▲4六銀12 (56)△2四歩34
(57)▲7七桂20 (58)△2三銀2
(59)▲6五桂1 (60)△同桂75
(61)▲同歩1 (62)△2五歩2
(63)▲封じ手41
(第1日指了図)

(消費時間)▲渡辺3時間19分 △広瀬4時間7分
(残り時間)▲渡辺4時間41分 △広瀬3時間53分

情報源:王将戦第3局第1日指し手― スポニチ Sponichi Annex 芸能


王将戦第3局に挑む(右から)渡辺明王将と広瀬章人八段(撮影・沢田 明徳)
王将戦第3局に挑む(右から)渡辺明王将と広瀬章人八段(撮影・沢田 明徳)

◇第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第3局第1日(2020年2月8日 栃木県大田原市・ホテル花月)

渡辺明王将(35)に広瀬章人八段(33)が挑む第3局が始まった。1勝1敗のがっぷり四つで迎えた仕切り直しの一戦は、先手の渡辺が誘導した角換わりを受ける広瀬が午前中から積極策をちらつかせ、後手番ながら主導権を握ろうと手を尽くす展開。午後6時、渡辺が63手目を封じて指し掛けとなった。対局再開は9日の午前9時。

ともに先手番が1勝ずつ。サービスキープ合戦になりかけている番勝負で「ブレーク」の後手勝ちは宝石のように貴重だ。広瀬の狙いはそれしかない。まばゆいばかりの陽光が降り注ぎ、暖房をオフにするほど暖まった昼前の対局室で、確固たる意思を表示したのは44手目△8四飛(第1図)だ。

デフォルトの8二からふわりと上昇する「浮き飛車」を選択した挑戦者。控室の長谷部浩平四段(25)は「8一に引く前例が多いのですが、これはアグレッシブに局面を動かしていく工夫の一手では」と分析した。飛車を一段目に引いてしまう凡庸な対応を選択した場合、先手の攻めを待たなければならない。つまり相手ペースになる。後手とはいえ、いつまでも受け身でいられるか。柔らかな広瀬の表情の裏には妥協を許さない決意が秘められていた。

とは言っても、主導権を握るまでには至らない。渡辺の左桂が二段跳ねで自王の頭にじわじわ迫る。「結構激しいですね。第1日にしてはかなり急な展開だと思います」(広瀬)。62手目△2五歩=第1日指了図=は本来なら封じ手に温存しておきたい勝負手だったのか。持ち時間では48分のビハインド。この差を拡大されるのも味が悪い。

片や必勝を自らに義務づける先手の王将も緊張の面持ちで「小競り合いが始まって、かなり複雑な局面になったのでは」と第1日を解析した。角換わりのスタートにもかかわらず相掛かり的な盤面。ともに銀1枚を前線に繰り出し、にらみ合う。両者の王も意地を張ったかのように中住まいだ。

見た目は決して激戦ではないものの、肩肘を張り合いながら重心高く組み合っている格闘技のようだ。

対局室の東空には9日、完全に満ちる寒月が鋭く輝いていた。

封じ手を記した封筒を青野九段(左)に手渡す渡辺王将(撮影・沢田 明徳)
封じ手を記した封筒を青野九段(左)に手渡す渡辺王将(撮影・沢田 明徳)

《封じ手は?》▼正立会青野照市九段 [先]2五同飛。積極的に進んで悪いと思っていない。本人がGOサインを出している。

▼副立会中座真七段 [先]2五同飛ではないか。飛車が逃げるようでは気合負け。ここは強気に歩を取る。

▼記録係滝口勇作初段 [先]2五同飛。小競り合いが始まった状態で、自分は引かないという思いの表れ。

情報源:広瀬八段 後手でも強気 渡辺王将「かなり複雑な局面になったのでは」 王将戦第3局第1日(スポニチアネックス) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:広瀬八段 後手でも強気 渡辺王将「かなり複雑な局面になったのでは」 王将戦第3局第1日― スポニチ Sponichi Annex 芸能


2020年2月9日 05:30

◇第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第3局第1日(2020年2月8日 栃木県大田原市・ホテル花月)

◆渡辺明王将

(前夜は0時半に就寝)

8:20 起床。朝食は取らず

8:50 対局室に入る

8:54 鼻をかみ、信玄袋から扇子を出し、お茶をすする

9:00 一礼。対局開始

9:01 前のめり気味で初手▲2六歩

9:47 羽織を脱ぐ

渡辺王将の午前のデザート。、とちおとめショートケーキとフレッシュオレンジジュース
渡辺王将の午前のデザート。、とちおとめショートケーキとフレッシュオレンジジュース

10:30 デザート(とちおとめのショートケーキとフレッシュオレンジジュース、ケーキはフロ・プレステージュのもの)

12:07 前傾姿勢のまま体を揺らして考慮

渡辺王将、広瀬八段の昼食、うな重定食
渡辺王将、広瀬八段の昼食、うな重定食

12:30 昼食休憩(自室に戻りうな重定食。肝吸い、カニとキュウリのサラダ、バナナのヨーグルト掛けがセット)

13:29 対局室に戻る

15:00 デザート(ホットコーヒーのみ)

15:41 メガネを取ったまま盤面を見つめる

17:21 電気ストーブのスイッチを入れ離席

18:00 封じ手の時刻。用紙を受け取り別室へ

18:05 封じ手を正立会の青野照市九段に手渡す

18:07 退室

19:00 夕食(馬刺しの盛り合わせ、与一和牛のシャブシャブ、天ぷら、あん肝のポン酢添えなど)

◆広瀬章人八段

(前夜は1時に就寝)

6:30 起床。自室で朝食(アユのやわら煮、マグロの自然薯=じねんじょ=山かけ、納豆など)

8:46 対局室に入る

8:52 駒を並べる指が震えている

9:03 まばたきし、一呼吸おき応手△8四歩

広瀬八段の午前のデザート。 和菓子・白梅(皿上の左)とおとづれ(同右)と抹茶のセット
広瀬八段の午前のデザート。 和菓子・白梅(皿上の左)とおとづれ(同右)と抹茶のセット

10:30 デザート(和菓子と抹茶。和菓子はすずらん本舗の「白梅」と「おとづれ」)

10:40 副立会の中座真七段が入室し、室温を確認

11:49 渡辺の離席中に44手目△8四飛

渡辺王将、広瀬八段の昼食、うな重定食
渡辺王将、広瀬八段の昼食、うな重定食

12:30 手番で昼食休憩(メニューは渡辺と同じ)

13:29 渡辺に続き対局室に戻る

13:30 対局再開

14:08 あぐらのまま重心を後ろに移動し、膝を上げたまま数秒キープする通称“広瀬ウイリー”

15:00 デザート(とちおとめ、メロンなどのフルーツ盛り合わせ、ホットレモンティー)

17:14 75分の大長考で△6五同桂

18:04 封じ手を受け取りサイン

18:07 ゆっくりと立ち上がり退室

19:00 夕食(メニューは渡辺と同じ)

情報源:渡辺王将VS広瀬八段 2・8ドキュメント(スポニチアネックス) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:渡辺王将VS広瀬八段 2・8ドキュメント― スポニチ Sponichi Annex 芸能


渡辺王将が63手目を封じ手とし、1日目が終了しました。封じ手の考慮時間は41分。1日目の消費時間は▲渡辺3時間19分、△広瀬4時間7分(持ち時間は各8時間)。明日9時から指し継がれます。

情報源:大阪王将杯王将戦中継ブログ : 渡辺王将が63手目を封じる


渡辺明王将 vs △広瀬章人八段(棋譜を見る

封じ手は ▲63手目、▲渡辺明王将 が封じる




 



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