「本番に近い環境で」と、対局で使われるものと同様の盤や駒台を使って研究する折田さん(大阪市内で)=佐藤行彦撮影

将棋ユーチューバー、プロへ王手かカド番か「実力出し切りたい」

将棋プロ編入試験 五番勝負第3局 山本博志四段 vs 折田省吾アマ
2020年1月27日 10時から対局開始、山本四段の先手


2020/01/19 13:00

「本番に近い環境で」と、対局で使われるものと同様の盤や駒台を使って研究する折田さん(大阪市内で)=佐藤行彦撮影
「本番に近い環境で」と、対局で使われるものと同様の盤や駒台を使って研究する折田さん(大阪市内で)=佐藤行彦撮影

将棋のプロ棋士(四段)を目指すアマチュア強豪で「将棋ユーチューバー」として知られる折田翔吾さん(30)(大阪市)が、日本将棋連盟の棋士編入試験に挑んでいる。新鋭棋士5人と1局ずつ指す五番勝負で、3勝すれば合格する。編入が決まれば現行制度で6年ぶり2人目。ここまで1勝1敗で、27日の第3局に向けて「周囲の支えに感謝しながら実力を出し切りたい」と意気込む。

「疲れたけど、一晩寝て元気になろうと思います」。昨年12月23日、大阪市の関西将棋会館であった編入試験第2局で出口若武わかむ四段(24)に敗れたが、その日のうちに動画投稿サイト「ユーチューブ」の自身のチャンネルで、次局に向かう決意を語った。

チャンネルの視聴登録数は約3万6000人。落ち着いた声で淡々と語るスタイルで、自身のネット対局の模様を実況するなどし、人気を博している。

折田さんは幼少期に父から将棋を教わり、小学6年の頃、ネット対局にのめり込んだ。「もっと強くなりたい」と2004年、同連盟の棋士養成機関・奨励会に入会。高校を中退して退路を断ち、11年にプロへの最終関門、同会三段リーグに上がった。

だが、30人余りが所属する同リーグから棋士に上がれるのは原則半年に2人。5年間で1度も勝ち越せず、2016年、年齢制限の26歳で退会した。「積み上げたものが崩れ去った。苦しかった」と振り返る。

それでも「元々前向きな性格ですぐに気持ちを切り替えた」といい、ユーチューバーの活動を開始した。

将棋の研究も継続。新たに人工知能(AI)を使い、「前例にとらわれない序盤の構想力が身についた」。17年にアマ王将戦で準優勝した。アマ出場枠のあるプロ公式戦で18年夏以降、棋士相手に10勝2敗。「10勝以上、勝率6割5分以上」という受験資格を満たした。

受験が決まると、14年に合格した今泉健司四段(46)らから「周囲の応援を力に変えた方がいい」と助言を受けた。その言葉に従い、受験料約50万円はクラウドファンディングで集めた。練習対局の相手も、ツイッターで募ったアマ強豪たちだ。

「本当に多くの人に支えられている」との思いを胸に昨年11月、関西将棋会館で第1局に臨み、黒田尭之たかゆき四段(23)に勝った。第2局は落としたので、東京・将棋会館での山本博志四段(23)との第3局は、合格にあと一歩と迫るかカド番になるかの正念場だ。

編入試験は月1回ペースで進む。折田さんは「奨励会時代より技術も気持ちの面も高まっている。夢の実現に向けて全力を尽くす」と前を見据えている。

◆棋士編入試験=アマ強豪のための制度で、戦後1例目は2005年の瀬川晶司六段(49)で、アマ枠で参加したプロ公式戦で好成績を挙げ、特例として実施された試験に合格した。06年に制度化され、14年に今泉四段が合格した。折田さんはこれに続く戦後3例目の受験者だ。

情報源:将棋ユーチューバー、プロへ王手かカド番か「実力出し切りたい」(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュースコメント

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山本博志四段 vs △折田省吾アマ

2020年1月27日 10時から対局開始





ここで勝って、2勝目を確保しておきたいところ・・・