感想戦に臨む藤井聡太七段(奥)と広瀬章人竜王=11月19日午後7時55分、東京都渋谷区、田辺拓也撮影

最終盤、急転直下の決着 王将リーグ、広瀬が挑戦権獲得 藤井、自玉の詰み見落とす:朝日新聞デジタル

残念だったな・・・


2019年12月2日16時30分

感想戦に臨む藤井聡太七段(奥)と広瀬章人竜王=11月19日午後7時55分、東京都渋谷区、田辺拓也撮影
感想戦に臨む藤井聡太七段(奥)と広瀬章人竜王=11月19日午後7時55分、東京都渋谷区、田辺拓也撮影

将棋の第69期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の挑戦者決定リーグ(王将リーグ)は、広瀬章人竜王(32)が最終戦で藤井聡太七段(17)との直接対決を制して渡辺明王将(35)への挑戦権を獲得した。秒読みの中、藤井七段が最も得意とする最終盤でミスを犯して決着するという劇的な幕切れだった。

7人総当たりの王将リーグ最終戦は11月19日、東京・将棋会館で行われた。4勝1敗同士の広瀬と藤井、3勝2敗の羽生善治九段(49)と1勝4敗の糸谷哲郎八段(31)、1勝4敗同士の久保利明九段(44)と三浦弘行九段(45)の3局だ。豊島将之名人(29)は4勝2敗で全対局を終えていた。注目は、勝った方が挑戦権を獲得する広瀬―藤井の直接対決で、朝から多くの報道陣が詰めかけ、進行を見守った。

藤井の先手で戦型は相矢倉になり、中盤で藤井が仕掛け、広瀬が反撃して終盤戦へ。広瀬が駒損しながらも激しい攻めを見せ、藤井は「踏み込まれて苦しくなった」と感じていた。

4時間の持ち時間を使い果たし、1分将棋になった藤井は相手玉に激しく迫る。一方、残り50分近くあった広瀬は小刻みに考え慎重に対応していた。が、そこで広瀬にミスが出る。「指してすぐに気がついて青ざめました」と広瀬。人工知能(AI)が示す形勢判断の針が藤井側に振れる。藤井が初挑戦を決めるかもしれない――。控室の雰囲気は一変した。

王将リーグ・広瀬―藤井戦△6九飛成まで
王将リーグ・広瀬―藤井戦△6九飛成まで

追い詰められた広瀬は藤井玉に迫る。そんな中で「事件」は起きた。図は広瀬が△6九飛成と王手をかけたところだ。ここで藤井は▲6八歩と合駒を打った。この瞬間、AIの評価値が広瀬側に大きく反転した。詰みがあるという判断だ。広瀬は4分使って△7六金。以下▲同金△5六金▲7七玉△8七香成▲同玉△8九竜▲8八香△7八銀▲7七玉△8五桂打▲同金△同桂▲7六玉△7七桂成と進んで藤井が投了。急転直下の終局だった。

「最後の△7七桂成という手をうっかりしていた」と藤井。実は▲7六同金に△7八銀と打てば簡単な詰みで、この手は両者とも見落としていた。図で▲5七玉なら先手玉に詰みはなく、藤井の勝ちが濃厚だった。広瀬も「一応、自陣に手を戻すつもりでしたが、勝ち目は薄いと思っていたし、実際負けでした」と振り返る。詰将棋を得意とする藤井には珍しい、自玉の詰みを見落とすというミスで、激闘に終止符が打たれた。

■藤井「残念だがそれが実力」 広瀬「いい勝負ができれば」 渡辺「長く調子維持したい」

「難しくなったかなと思ったが、時間がなかったのでわからなかった。最後に間違えてしまったのは残念だが、それが実力かなと思う。実力を高めていきたい」と藤井。17歳5カ月というタイトル挑戦最年少記録がかかっていたが、あと一歩及ばなかった。

広瀬章人竜王
広瀬章人竜王

勝った広瀬は5勝1敗で挑戦権を獲得。「歴史ある王将戦で番勝負に出場することができてうれしい。(渡辺王将は)充実されている方だが、対策を立てて、いい勝負ができればと思う」と話した。

藤井の戦いぶりについて渡辺は「勝った将棋はほとんどが圧勝。あの年齢であの相手に4勝1敗で最終戦を迎えられたのはすごい」と評価する。「自分が初めてタイトル戦に出たのは19歳の時で、相手の羽生さんは33歳だった。今回藤井君が挑戦だったら、わりと似た状況。彼の初めてのタイトル戦となればすごく注目される舞台になる。今回はあと1勝というところだったので、心の準備はできていた。どうせやるなら自分もいい状態で迎え撃ちたい。今のトップコンディションで指せなかったのは縁がなかったのかなという気もする。自分自身のいい状態を長く維持して、そういう時を待ちたい」と話した。(村上耕司)

情報源:最終盤、急転直下の決着 王将リーグ、広瀬が挑戦権獲得 藤井、自玉の詰み見落とす:朝日新聞デジタル



ふむ・・・