(大志 藤井聡太のいる時代)番外編:1 くじ運嘆いた佐々木、故郷の対馬に届いた勝利:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2019年11月3日05時00分

佐々木大地五段(右)は、王座戦の挑戦者決定トーナメントで藤井聡太七段を破った=6月3日、東京都渋谷区
佐々木大地五段(右)は、王座戦の挑戦者決定トーナメントで藤井聡太七段を破った=6月3日、東京都渋谷区

「1次予選から勝ち上がったのに……」

今春、第67期王座戦の挑戦者決定トーナメントの組み合わせを見た佐々木大地五段(24)は、くじ運の悪さを嘆いた。1回戦の相手が藤井聡太七段(17)だったからだ。しかし、その後、考えを改めた。

「せっかく指せるのだから、楽しんで指そう」

6月3日。目まぐるしく攻守が入れ替わる大熱戦を139手で制したのは、佐々木の方だった。藤井は対局後、「序盤から積極的に指されて、こちらがバランスをうまく保てず、苦しくなってしまった」と話した。

佐々木にとっては手応えを感じる勝利だった。藤井との公式戦の対戦成績はこれで2勝1敗だ。「しっかり準備をして臨めた。自分の力が出し切れた」。思わぬ反響もあった。「お盆に対馬に帰った時、知らない人からも声をかけられたんです」

長崎県対馬市で育った。家族に将棋を教わり、インターネット対局で腕を磨いた。小学生の全国大会で常連になるほど上達し、プロの道を志した。

両親も我が子の夢を後押しした。棋士養成機関「奨励会」の例会は東京か大阪で行われる。離島から通うのは難しい。そのため、まず一家4人で横浜市内に引っ越し、奨励会試験に備えることにした。同じ長崎県出身の深浦康市九段(47)に弟子入りした佐々木は、中学1年で期待通りに合格。その7年半後、晴れてプロ入りを果たす。「引っ越ししたので、父は転職もした。自分なら同じことはできないと思う。ありがたかった」

佐々木は昨年度、大きく飛躍した。46勝は、藤井を1勝上回って全棋士の中で1位。だが、本人は満足していない。名人戦につながる順位戦と竜王戦では一番下のクラスのままだからだ。「まだ自分は何も残せていない」。先月、棋王戦で羽生善治九段(49)を破った。挑戦権獲得まで、あと3勝に迫っている。=敬称略(村瀬信也)

◆「激闘編」は前回で終わり、今回から「番外編」です。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)番外編:1 くじ運嘆いた佐々木、故郷の対馬に届いた勝利:朝日新聞デジタル


へぇ・・・