(月刊将棋)冷静な受け、若き俊英5連勝 名人戦・C級1組順位戦:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2019年11月2日16時30分

第78期将棋名人戦・C級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)は5回戦を終えた。10代と20代の若手が中心となって昇級レースを引っ張っている。「冷静な受け」が光った俊英2人の将棋を振り返る。

■佐々木勇、意外な好手でしのぐ 藤井、逃げ道広げてかわす

佐々木勇気七段=10月15日、東京都渋谷区
佐々木勇気七段=10月15日、東京都渋谷区

C級1組は、名人戦につながる順位戦で下から二つ目のクラス。今期は36人が参加し、成績上位2人が昇級する。5人が4勝0敗の状況で5回戦を迎えた。

全勝対決の佐々木勇気七段(25)―佐藤和俊七段(41)戦は、佐藤が三間飛車を採用し、佐々木が左美濃で対抗。中盤まで続いた渋い応酬の後、大駒が飛び交う激しい攻防が繰り広げられた。

図1・△2八飛まで
図1・△2八飛まで

図1は、佐藤が△2八飛と打ち、次に4八の馬を動かす王手を狙った局面。ここで▲7九金が意外な「受けの好手」だった。△5七馬に▲7八金打だと△7九馬と金を取る手があるが、持ち駒を使わない▲7八金が冷静で後続の手段がない。佐藤はいったん受けに回った後、△5九馬と指したが、これには▲7八金打が手堅い。相手の攻めをしのいだ佐々木が押し切った。対局後、「読みが合わず、いい手を指されたなと思うことが多かった」と話した。

棋王戦で挑戦者決定戦に進出した実績を持つ実力者。C級1組は今期が6期目で、9勝1敗の好成績ながら順位の差で昇級を逃した悔しい経験がある。「(昇級を)意識しすぎてもいけない。ベストのコンディションで順位戦の日を迎えられるようにしたい」

藤井聡太七段=10月15日、大阪市福島区
藤井聡太七段=10月15日、大阪市福島区

藤井聡太七段(17)は前期、このクラス初参加で9勝1敗ながら、やはり順位の差で昇級できなかった。今期も4回戦まで土つかず。5戦目で宮本広志五段(33)と対戦した。

図2・△7七歩まで
図2・△7七歩まで

図2は、宮本が△7七歩と打った局面。ここで▲8七銀打がしっかりした受けだ。以下△7八銀▲同銀△同歩成▲同玉△6七銀▲同銀△同歩成▲同玉と進み、先手玉は逃げ道が広くてつかまらない。宮本は△3一飛と飛車取りを避けたが、▲6五角成が手厚い一手。藤井はここで「優勢を意識した」という。藤井はこの勝利で、順位戦の成績が通算24勝1敗となった。

この他、4勝0敗の石井健太郎五段(27)と島朗(あきら)九段(56)は、千葉幸生(さきお)七段(40)、青嶋未来五段(24)とそれぞれ対戦。C級1組初参加の石井は勝ったが、島は敗れた。この結果、5勝0敗は佐々木、藤井、石井の3人に。佐藤、島、青嶋、西尾明七段(40)、及川拓馬六段(32)の5人が4勝1敗で追う展開となった。

5日の6回戦では、藤井―青嶋戦、石井―島戦、西尾―及川戦がある。いずれも上位者同士のカードで、熱戦が期待される。その後も8回戦で佐々木―西尾戦、9回戦で石井―佐藤戦などがある。昇級争いは終盤までもつれ込むことになりそうだ。(村瀬信也)

■C級1組順位戦の成績上位者

(3)藤井聡太  5勝0敗

(14)佐々木勇気 5勝0敗

(34)石井健太郎 5勝0敗

(6)青嶋未来  4勝1敗

(13)西尾明   4勝1敗

(25)島朗    4勝1敗

(32)及川拓馬  4勝1敗

(33)佐藤和俊  4勝1敗

(カッコ内数字は前期成績に基づく順位。敬称略)

情報源:(月刊将棋)冷静な受け、若き俊英5連勝 名人戦・C級1組順位戦:朝日新聞デジタル




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