「AI将棋の申し子」豊島将之と藤井聡太、どっちが強い? | デイリー新潮

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藤井聡太七段
藤井聡太七段

AI(人工知能)とヒトならどちらが優秀か。その答えは“AIを活用するヒト”だと、豊島将之(とよしままさゆき)新名人(29)は証明したのかもしれない。将棋ソフトを駆使する彼は群雄割拠の棋界を背負って立つ人材ともっぱらの評判だ。そこで素朴なギモンが頭に浮かぶ。藤井聡太七段(16)とどっちが強いの?

名人戦は5月16、17日に福岡県飯塚市で第4局が行われ、佐藤天彦(あまひこ)名人(31)に豊島新名人が133手で勝利。4連勝でのタイトル獲得で、棋聖、王位に続き3冠となった。

将棋ライターの松本博文氏が解説する。

「4戦目は中盤から豊島さんが優勢になりそのまま押し切った形でした。昨年度、日本将棋連盟の最優秀棋士賞にも選ばれていますし、むしろ実力に成績が追いついたという気がしますね」

父で弁護士の茂長さんが語る。

「将之は4歳の頃にNHKで羽生善治さんが出ている番組を見て、“これは何?”と興味を持ち、将棋を始めました。家内が初心者用の定跡本を読み聞かせ、教えて2、3カ月すると、両親ともに勝てないほどになっていたのです」

すでに才能の片鱗を見せていた豊島名人は5歳で出身地の愛知から大阪に引っ越し、将棋会館に通うようになる。その後、小学3年生で奨励会に入ると、高校2年生でプロ入りを果たす。

大きな転機は2014年。棋士とコンピューターが対戦する「第3回電王戦」で、5人の出場者のうち、唯一コンピューターに勝ったのだ。

「電王戦出場を機に、AIと認識されるほどに強くなった将棋ソフトを活用して研究するようになりました。実力の近い棋士が集まる研究会にも彼は参加しなくなった。AI将棋を使う若い世代でも、そこまで徹底しているのは少数派です」(松本氏)

藤井君の方が強い

日本将棋連盟の森下卓常務理事も指摘する。

「AI将棋を使いこなすのが彼の強みだと思います。率直に言って将棋ソフトは強い。野球でいえば200キロの剛速球のような感覚です。また、ある局面で打った手が良いのか、悪いのか、検証することも可能です。それが豊島さんの結果につながっているのでしょう」

まさにAI将棋の申し子。とはいえ、彼の背後には同じ愛知出身の藤井聡太七段が控えている。

「本人は“藤井君の将棋に刺激を受けている”と話しています」(茂長さん)

これまで、豊島名人と藤井七段は公式、非公式合わせて3回対戦している。結果は豊島名人の2勝ではあるが、昨年末に行われた対局は藤井七段が勝利。実力が拮抗しているのか。

「藤井さんが奨励会にいた小学6年生の頃、師匠の杉本昌隆八段が豊島さんに指導対局を頼んだことがありました。その時は豊島さんが勝利したものの、“自分が奨励会にいた時より藤井君の方が強い”と話していたそうです」

先の松本氏はそんな逸話を披露した上で、

「藤井さんはAI将棋を活用する一方で、詰将棋を解くなどのオールドスタイルで強くなっています。いま、豊島さんに七番勝負で挑戦すれば、最終戦までもつれこむ実力伯仲の戦いになるかもしれない。全棋士が出場する朝日杯を2連覇していますし、トップ棋士と遜色ないくらいに強い。羽生善治さんのように圧倒的実力を身に付け、タイトルを席巻する可能性だってあります」

と、言うのだが、さらに先を見据えると、

「今後、幼少期からAI将棋を活用した世代が登場することになる。その結果、藤井さんや豊島さんよりもはるかに強い棋士が現れることもありうるでしょう」(同)

そうした未来について、森下常務理事は言う。

「AI通りの手をAIの代わりに打つプロの試合が面白いのか、とも思います。勝つために仕方ないとはいえ、ファンや将棋関係者から見れば寂しいですよ」

AIにヒトが飲みこまれる日――。棋界も時代の流れには抗えないのである。

「週刊新潮」2019年5月30日号 掲載

情報源:「AI将棋の申し子」豊島将之と藤井聡太、どっちが強い?(デイリー新潮) – Yahoo!ニュースコメント

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