官房長官 東京新聞の反論に「官邸側の対応に問題ない」

官房長官 東京新聞の反論に「官邸側の対応に問題ない」 | NHKニュース

NHKもあいかわらず、切り貼りしてるなぁ・・・


2019年2月20日 19時22分

菅官房長官は20日午後の記者会見で、東京新聞が官房長官の記者会見に関して、総理大臣官邸側から「受け入れがたい申し入れがあった」などとする記事を掲載したことについて、「違和感を感じる」としたうえで、官邸側の対応に問題はないという認識を示しました。

菅官房長官の定例の記者会見での東京新聞の特定の記者の質問をめぐって、総理大臣官邸は先に報道室長名で記者クラブに対し、「事実に反する質問が行われたことは遺憾だ」として、「問題意識の共有」を求める要請文書を出しました。

これに対し、東京新聞は20日の朝刊に、官邸側から過去に9回の申し入れがあったとしたうえで、「一部質問には事実の誤りがあったが、多くは受け入れがたい内容だった」としたうえで、表現の自由を制限しているなどと反論する見解を掲載しました。

これについて、菅官房長官は午後の記者会見で「両者の間のいくつかの重要なやり取りが掲載されていないなど、個人的には違和感を覚えるところがあるが、コメントは控えたい」と述べたうえで、官邸側の対応に問題はないという認識を示しました。

また、菅官房長官は、記者団が「東京新聞が『国民の代表として会見に臨んでいる』と主張したのに対し、官邸側は『国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員』と応じた」などとした記事の確認を求めたのに対し「そのとおりだ」と述べ、そうしたやり取りがあったことを認めました。

情報源:官房長官 東京新聞の反論に「官邸側の対応に問題ない」 | NHKニュース


検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ

官房長官記者会見での本紙記者の質問を巡り、首相官邸が昨年12月、「事実誤認」「度重なる問題行為」として内閣記者会に「問題意識の共有」を求める文書を出した。

官邸側からは一昨年秋から9件の質問で、臼田信行・東京新聞(中日新聞東京本社)編集局長に「事実に基づかない質問は厳に慎んでほしい」などと文書で申し入れがあった。

抗議と並行して会見進行役の首相官邸報道室長が、本紙記者に質問をせかす質問妨害を続けている。経緯を明らかにして問題を検証し、本紙の見解を示す。

情報源:東京新聞:検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ:特集・連載(TOKYO Web)


2019年2月20日付朝刊

記者会見する菅官房長官=首相官邸で
記者会見する菅官房長官=首相官邸で

首相官邸にある記者クラブの内閣記者会に上村(うえむら)秀紀・官邸報道室長名の文書が出されたのは昨年十二月二十八日。その二日前に行われた菅義偉(すがよしひで)官房長官の定例記者会見で、本紙社会部の望月衣塑子(いそこ)記者が行った質問に「事実誤認」があったとしていた。

「東京新聞側にこれまで累次にわたり、事実に基づかない質問は厳に慎むようお願いしてきた」。会見はインターネットで配信されているため「視聴者に誤った事実認識を拡散させることになりかねない」とし、「記者の度重なる問題行為は深刻なものと捉えており、問題意識の共有をお願いしたい」とあった。

記者会側は「記者の質問を制限することはできない」と官邸側に伝えた。

官邸側が「事実誤認」としたのは沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設工事に関する質問で、本紙記者が「埋め立ての現場では今、赤土が広がっている。琉球セメントは県の調査を拒否し、沖縄防衛局が実態把握できていない」「赤土の可能性が指摘されているにもかかわらず、国が事実確認をしない」と述べた部分。

官邸側は(1)沖縄防衛局は埋め立て材(土砂)が仕様書通りの材料と確認している(2)琉球セメントは県の立ち入り調査を受けている-として「質問は事実に反する」と指摘。「赤土が広がっている」という部分も「汚濁防止措置を講じており、表現は適切でない」と批判した。同じ日付で長谷川栄一・内閣広報官から臼田局長に抗議文書も送られてきた。

実際はどうなのか。十二月十四日に土砂投入が始まると海は一気に茶色く濁り、県職員や市民が現場で赤土を確認した。県は一週間後に「赤土が大量に混じっている疑いがある」として、沖縄防衛局に現場の立ち入り検査と土砂のサンプル提供を求めたが、国は必要ないと応じていない。

代わりに防衛局は過去の検査報告書を提出したが、検査は土砂を納入している琉球セメントが二〇一六年三月と一七年四月の計二回、業者に依頼して実施したものだった。

そのため県は「検査時期が古く、職員が現場で確認した赤土混じりの土砂と異なる」として、埋め立てに使われている土砂の「性状検査」結果の提出を求めているが、これも行われていない。

このような状況から本紙記者は「現場では赤土が広がっているのに、発注者の国は事実を確認しない」と発言したのであり、官邸側の「事実誤認」との指摘は当たらない。

◆「表現の自由」にまで矛先 内閣広報官名など文書 17年から9件

長谷川広報官の申し入れ文書は「事実に基づかない質問は慎んでほしい」という抗議だけでなく、記者会見は意見や官房長官に要請をする場ではないとして、質問や表現の自由を制限するものもある(表(1)参照)。

本紙記者は昨年一月の質問で、国連人権理事会のデービッド・ケイ氏が二〇一五年十二月一日から特定秘密保護法や報道の自由度の調査で来日を予定していたが、外務省が三週間前に面会を一年延期したことに触れ、「ケイさんが菅さん(官房長官)や高市(早苗)総務相(当時)に面会したいというときも、政府側がドタキャンしたという経緯があった」と述べた。

官邸側は、ケイ氏は菅氏に面会を要請した事実はなく、高市氏も日程が整わなかったとして、ドタキャンしたとの質問は事実に基づかないと指摘してきた。

臼田局長は「官房長官の面会予定があったと受け取れる箇所など、一部で事実誤認があった」と誤りを認める一方、「『政府側がドタキャンした』という表現は論評の範囲内だと考える」と回答した。ケイ氏の来日中止は当時、本紙や毎日新聞、共同通信も「日本政府の要請で突然延期になった」と報じていた。

今月十二日の衆院予算委員会で、菅氏はケイ氏に関する質問を例に挙げ、「内外の幅広い視聴者に誤った事実認識を拡散させる恐れがある」と答弁した。だが、会見では菅氏も「ドタキャンなんかしてません」と即座に回答しており、記者の言いっ放しにはなっていない。

昨年十一月、外国人労働者を巡る入管難民法改正案の国会成立について、本紙記者が「短い審議で強行に採決が行われましたが…」と質問したのに対し、長谷川氏から「採決は野党の議員も出席した上で行われたことから、『強行に採決』は明らかに事実に反する」と抗議がきた。

採決の状況から本紙や他の新聞や通信社も「採決を強行した」と表現していた。それにもかかわらず本紙記者の発言を「事実に反する」と断じており、過剰な反応と言わざるを得ない。

森友学園に対する国有地払い下げを巡る決裁文書の改ざん問題で、本紙記者が昨年六月、財務省と近畿財務局との協議に関し「メモがあるかどうかの調査をしていただきたい」と述べると、長谷川氏から「記者会見は官房長官に要請できる場と考えるか」と文書で質問があった。

「記者は国民の代表として質問に臨んでいる。メモの存否は多くの国民の関心事であり、特に問題ないと考える」と答えると、「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員。貴社は民間企業であり、会見に出る記者は貴社内の人事で定められている」と反論があった。

<官房長官会見> 原則、月-金曜日の午前と午後に1回ずつ、首相官邸で開かれる。主催は内閣記者会。金曜日午後の会見は、内閣記者会に所属していなくても一定の要件を満たしたジャーナリストが参加できる。官邸のホームページで会見の動画を見ることができる。

<内閣記者会> 記者クラブの一つで、所属記者は首相官邸などの取材を担当している。記者会の常駐会員は新聞、テレビ、通信社の計19社。非常駐会員やオブザーバー会員として地方紙や海外メディアも所属していて、全会員数は185社に及ぶ。

本紙記者の質問に対する9件の官邸側申し入れと本紙回答
本紙記者の質問に対する9件の官邸側申し入れと本紙回答

情報源:東京新聞:(上)国、投入土砂の検査せず 「辺野古工事で赤土」は事実誤認か:検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ:特集・連載(TOKYO Web)


2019年2月20日付朝刊

記者会見の進行役を務める上村報道室長が、質問の途中で本紙の望月記者をせかすようになったのは一昨年秋から。「簡潔にお願いします」「質問に移ってください」と繰り返し、そのたびに質問は遮られてぶつ切りとなる。聞き取りにくく、時間がかかる結果となっている。

本紙は今年1月22日、長谷川広報官に文書を送り、18日の沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡る県民投票に関する二つの質問で、上村氏から途中に計8回、せかされたと伝えた。「お互いが落ち着いて質疑をするために、事務方の催促は最小限にしてほしい」と要請したが、その後も続いている。

例えば安倍晋三首相がNHK番組で「(辺野古沖の)土砂投入にあたって、あそこのサンゴは移植している」と語った「サンゴ発言」などを巡る1月24日の二つの質問(表(2)参照)では、開始からわずか数秒で「質問は簡潔に…」とせかされ、以後も数秒おきに続いた。1分半ほどの短い質疑で、質問は計7回も遮られた。

官邸側は本紙編集局長宛てに文書で、会見は記者が意見や政府への要請を述べる場ではないと主張、上村氏が質問を遮る理由にもなっている。ところが他社の記者の質問では、意見が交じって時間がかかっても遮ることはほとんどしない。

沖縄の県民投票を巡り、今月14日にあった他社の記者の質問(表(3)参照)では、本紙記者よりもかなり長く質問し、最後に「そういうことがあってもいいのかなと思うんですけど、いかがですか」と意見を述べた上で、菅氏の見解を求めている。

この記者は3問質問したが、本紙記者の場合、当てられるのは常に最後で、1問目が終わるといつも上村氏が「次の質問、最後でお願いします」と宣言するため、2問に限定されている。上村氏が本紙記者に質問妨害や制限を行っているのは明らかだ。

望月記者は一昨年から森友・加計学園疑惑などで官房長官らに質問してきた。最近では「税を追う」キャンペーンに関連し、増大し続ける防衛予算や沖縄・辺野古の埋め立て工事などの質問を多く行っている。

森友学園への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざんのように、政府側の説明にはうそや誤りがあることがあり、それをスポークスマンである官房長官に質問するのは記者の重要な仕事だ。特定の記者に対する質問妨害に、政府側が嫌う記者を封じ込めようとする意図はないのか。

本紙記者の質問制限を巡る山本太郎参院議員の質問主意書に、政府は「今後もやむを得ない場合には、司会者がこれまで同様に協力呼びかけを行う」と回答した。だが、比較検証したように本紙記者の質問は特別長いわけではない。狙い撃ちであることは明白だ。

官房長官記者会見でのやりとり
官房長官記者会見でのやりとり

情報源:東京新聞:(中)1分半の質疑中 計7回遮られる:検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ:特集・連載(TOKYO Web)


2019年2月20日付朝刊

官房長官会見での望月記者の質問を巡り、官邸から九回にわたり「事実に基づかない質問は慎んでほしい」などと申し入れがありました。一部質問には確かに事実の誤りがあり、指摘を認めました。

しかし、多くは受け入れがたい内容です。昨年十二月に辺野古の工事を巡り、「赤土が広がっている。沖縄防衛局は実態を把握できていない」と質問したことに対し、官邸は事実に基づかない質問であり、赤土の表現も不適切だと申し入れてきました。

本紙は今年一月、防衛省が沖縄県に無断で土砂割合を変更した事実や赤土投入が環境に悪影響を与えている可能性を報じました。記者の質問は決して「事実に基づかない」ものではなかったと考えます。 取材は、記者がそれまでに知った情報を会見などで確認していく行為です。官房長官は本紙記者の質問を「決め打ち」と批判しましたが、「決め打ち」なら会見で聞くことなどないでしょう。正しい情報を基に質問することが必要ですが、不正確な情報で問いただす場合もあり得ます。

そんな時でも取材相手がその場で修正したり否定したりすれば済む話で、一般的には珍しくありません。権力が認めた「事実」。それに基づく質問でなければ受け付けないというのなら、すでに取材規制です。

短い質問の途中で事務方が何度も質問をせかし、終了を促すのも看過できません。会見時間は限りがあり、「質問は簡潔に」との要請は理解できますが、こんなに頻繁に遮る例は他に聞きません。批判や追及の封じ込めとも映ります。

記者会見はだれのためにあるのか。権力者のためでもなければメディアのためでもなく、それは国民のためにあります。記者会見は民主主義の根幹である国民の「知る権利」に応えるための重要な機会です。

だからこそ、権力が記者の質問を妨げたり規制したりすることなどあってはならない。私たちは、これまで同様、可能な限り事実に基づいて質問と取材を続けていきます。

情報源:東京新聞:(下)会見は国民のためにある 編集局長・臼田信行:検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ:特集・連載(TOKYO Web)



7分10秒あたりから

情報源:平成31年2月20日(水)午後 | 平成31年 | 官房長官記者会見 | 記者会見 | 首相官邸ホームページ


官房長官記者会見は動画が配信されるんだから、すぐばれるのにな。