マンモス、絶滅なのにワシントン条約? 背景に象牙問題:朝日新聞デジタル

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2019年1月30日09時35分

倉庫に保管されているマンモスの牙=ロシア・サハ共和国
倉庫に保管されているマンモスの牙=ロシア・サハ共和国

絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の対象に、マンモスを加えようという動きが出ている。5月にスリランカで開かれる条約締約国会議に向け、イスラエルなどが提案した。絶滅したマンモスを、野生生物を絶滅の危機から守るための条約の対象するという「異例」の提案の背景には、象牙の密輸問題がある。

議論の対象になっているのは、シベリアなどに生息し1万年ほど前に絶滅したケナガマンモス。シベリアの永久凍土から氷漬けの状態で全身が見つかるほか、牙も掘り起こされている。ゾウの保全を目的にワシントン条約で象牙の輸出入が原則禁止された1990年以降、規制外のマンモスの牙が代替品として国際的に流通。環境省によると、材質は象牙と類似しており、加工品になると外見から識別するのは非常に難しいという。

ケナガマンモスの規制案を提案しているのはイスラエルとケニア。放置すれば、ゾウの密猟や象牙の違法な国際取引を助長するリスクがあるなどと主張。マンモスの牙を国際取引する際、輸出国が発行する許可書が必要となる「付属書2」に掲載するよう求めている。これにより、輸出国は象牙ではなくマンモスの牙であることを確認する必要が生じるとしている。

展示されているマンモスの復元模型=札幌市北区の北海道大学総合博物館
展示されているマンモスの復元模型=札幌市北区の北海道大学総合博物館

公開された提案書によると、マンモスの牙は主にロシアから香港経由で中国本土に輸出されている。2000年ごろは年間9トン未満だった輸出量は10年ごろには31トンに拡大。ニューヨークやマカオでマンモスの牙と偽って象牙が販売されていたとする環境保護団体の調査結果も紹介している。

提案が採択されるには締約国の3分の2以上の賛成が必要。「ワシントン条約は絶滅のおそれがある現存する生物を対象にすべきだ」(欧州連合)などの意見も出ており、5月の会議で採択されるかは不透明な状況だ。(川村剛志)

情報源:マンモス、絶滅なのにワシントン条約? 背景に象牙問題:朝日新聞デジタル


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