(大志 藤井聡太のいる時代)飛躍編:4 創作も傑出、中学2年で色紙に書いた27手詰め:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


「陣屋本店」に飾られている色紙
「陣屋本店」に飾られている色紙

「四段 藤井聡太」「持駒 飛角角桂」。名古屋市北区の「らあめん専門店 陣屋本店」の店内には、藤井聡太七段(16)の色紙が飾られている。藤井は近くに将棋の研究室を構える師匠の杉本昌隆七段(50)と店に時折来るようになった。棋士になりたての中学2年の時、サインに書いたのは座右の銘ではなく、自作の詰将棋だった。

「藤井さんのファンが、よく写真を撮っていきます。40代、50代の女性が多いですね。九州、大阪、東京から来る方もいて、ありがたいです」。おかみの川浦節子さん(76)は話す。

詰将棋は、玉将の捕まえ方を考えるパズルだ。藤井は小学校低学年の時、作り始めた。専門誌「詰将棋パラダイス」に小5で初入選。「詰将棋解答選手権」で4連覇しているように、詰将棋を解く速さは他の棋士たちが驚くほどだが、創作に関しても才能を発揮している。詰将棋の名手としても知られる谷川浩司九段(56)は「藤井七段の作品は洗練されている。創作にかけても、プロ棋士の中で既にトップクラス」と称賛する。

おかみの川浦さん(左)と藤井四段(当時)=いずれも名古屋市北区
おかみの川浦さん(左)と藤井四段(当時)=いずれも名古屋市北区

藤井は詰将棋を作る際、「逆算」と呼ばれる一般的な手法を主に使う。結末の部分にうまくつながる手順を考えていくやり方だ。将棋盤に駒を並べ、ただ一つの正解手順が成立するための配置を、あれこれ模索する。藤井は「1日に何時間かかけることもあります。でも、対局が近い時はやりません」と言う。

色紙に書いた作品も、そうした試行錯誤の末に生まれた。気に入っている作品だが、難点が一つあった。色紙の下にはこうある。「二十七手詰」。手数が長く、棋士でさえ解くのが難しいほどなのだ。

谷川は、こう助言する。

「色紙に詰将棋を書く時は、もう少し易しい作品の方がいいですね」=敬称略(村瀬信也)

◆この連載は来週休みます。次回は1月6日の予定です。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)飛躍編:4 創作も傑出、中学2年で色紙に書いた27手詰め:朝日新聞デジタル



27手詰め、マジかよ・・・