羽生「無冠」 平成将棋界の生きる伝説が迎える正念場:朝日新聞デジタル

ふむ・・


平成の将棋界をリードしてきた羽生善治竜王(48)がタイトルを失い、27年ぶりに無冠になった。歴史に残る数々の記録を打ち立ててきたが、近年は成長著しい若手に苦しめられている。第一人者が正念場を迎えている。

広瀬章人八段(31)を挑戦者に迎えた竜王戦七番勝負。山口県下関市で20、21日に指された第7局は、史上初の「タイトル獲得通算100期」がかかっていた。

感想戦をする羽生善治前竜王(左)と広瀬章人新竜王=2018年12月21日午後7時15分、山口県下関市、堀英治撮影
感想戦をする羽生善治前竜王(左)と広瀬章人新竜王=2018年12月21日午後7時15分、山口県下関市、堀英治撮影

「負けました」。羽生竜王が投了を告げて無冠が決まると、対局室には約70人の報道陣が詰めかけた。前竜王となった羽生は「非常に形勢判断が難しい将棋だった」「(今シリーズは)細かいところでの選択で間違えてしまった気がする」と振り返った。口調は淡々としていたが、時折うつむく姿も見られた。

羽生前竜王の初タイトルは1989年の竜王戦だった。96年、7タイトルを史上初めて独占。08年には名人通算5期で永世名人の資格を得た。12年、大山康晴十五世名人(故人)を抜いて、タイトル獲得が史上最多の81期になった。

羽生前竜王、タイトル獲得の軌跡
羽生前竜王、タイトル獲得の軌跡

しかし、ここ数年は、20歳近く年が離れた若手に屈する場面が増えた。16年には佐藤天彦名人(30)に名人を取られ、今年は豊島将之二冠(28)に10連覇中だった棋聖を奪われた。通算勝率は7割を超えるが、年間勝率は16年度以降、5割台にとどまっている。

今回の竜王戦でも、精彩を欠いた将棋があった。勝てば3勝目となる第4局。優位を築いた後にミスが出て、痛い逆転負けを喫した。6月の名人戦第6局でも終盤の勝負どころで淡泊な手を選んで敗れた。

近年は、人工知能(AI)の発展に伴い、従来の価値観にはない手法が次々と登場している。羽生前竜王もAIを研究に活用している一人だが、戦術の大きな変化への対応は容易ではない。藤井聡太七段(16)を始め、さらに若い棋士たちも力を伸ばしている。

昭和30~40年代に黄金期を築いた大山十五世名人は、50代になっても一流棋士として活躍した。59歳でのタイトル獲得は最年長記録だ。羽生前竜王は再びタイトルを獲得し、その記録に近づけるのか。

対局後、今後の抱負を問われると、「今回のシリーズをしっかり反省して、これからにつなげたい」。名人挑戦権を争うA級順位戦は現在5勝1敗。首位争いを演じている。(村瀬信也)

情報源:羽生「無冠」 平成将棋界の生きる伝説が迎える正念場:朝日新聞デジタル




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