アジア人女性初のバックギャモン世界王者・矢澤亜希子、男性からのバッシングにも耐え2度頂点「ソフトがあったから強くなれた」

アジア人女性初のバックギャモン世界王者・矢澤亜希子、男性からのバッシングにも耐え2度頂点「ソフトがあったから強くなれた」 | AbemaTIMES

バックギャモン・・・、ルールが分かるだけだな。


アジア人女性として初めて、世界的人気を誇るボードゲーム「バックギャモン」で世界チャンピオンになった日本人がいる。プロプレイヤー・矢澤亜希子だ。旅行中に興味を持ったバックギャモンをインターネットで調べ、解析ソフトで学び、ネット上の猛者たちを次々と撃破すると、競合が揃う世界選手権で2度も優勝した。「ソフトを使って勉強していなかったら、初めて人と対戦した時に、いきなりプロの人を倒すようなことはなかった」と語る矢澤は、競技者が圧倒的に男性ばかりの世界の中で、バッシングにも耐えながら勝ち抜いた。バックギャモンの世界、さらには日本ではメジャーな男女が対等に戦う将棋の世界について話を聞いた。

テレビ朝日のバラエティ番組「激レアさんを連れてきた。」にも出演歴がある矢澤が、バックギャモンを知ったのは大学生の時だ。中学生時代から毎年10個、新しいことをするという自分の決め事を守ってきた中で、スキューバダイビングで世界中の海を潜っていたところ、エジプトでバックギャモンと出会った。

矢澤 街中でやっている人がたくさんいまして。すごく気になっていたので、帰国してからすぐに調べたんです。姉妹だったこともあって、周りにゲームをする人がいなかったんです。だから、それ以外のゲームをやったことがなくて。

矢澤にとって“初ゲーム”となったバックギャモンは、中東では国民的名ゲーム。男女問わず楽しみ、カフェに行けば道具が備え付けてあることもある。プロプレイヤーは欧米が中心だが、中東では庶民に親しまれ、社交の手段としても用いられるものだ。

矢澤 周りに知っている人もいなかったから、ネットで調べました。そうしたらWindowsの中にデフォルトで入っていて。最初はそれで遊びました。その後はオンラインのサイトで上級者の方の試合をずっと観戦していましたね。どういう風に攻めるかとか、自分なりに勉強しました。ただ、いきなり人と対戦するのは怖かったので、なかなかやらなかったです。

ここで登場したのが解析ソフトだ。日本では、将棋界におけるソフト(AI)の登場と発達が度々話題になったが、バックギャモンの世界ではかなり前からソフトが人間を超えており、さらには正解をソフトから学ぶところまで来ている。

矢澤 解析ソフトを買いまして、それで勉強したんです。昔の人は正解が分からない中で、手探りでやっていたから、強くなるのにすごく時間がかかったと思うんです。今はそういう手間が省けるので、始めたばかりの人でも急激に強くなれる。私もソフトを使わず、1人で考えながらやっていたら、こうはなっていなかったと思います。

結果、矢澤はオンライン対戦で腕を磨きそこから日本のトッププレイヤーが集まる場所に出向き、デビュー戦でいきなりプロを倒してしまう。2003年のことだ。翌2004年には日本チャンピオンにまでなってしまった。ここまで聞けば、プレイヤーとしては順風満帆だが、ここから大きな逆風が続くことになる。男性プレイヤーからのバッシングと病だ。

矢澤 2004年に日本で優勝した時、女性のタイトルホルダーは初でした。私が勝った時に男性たちから好ましくないようなものが…。勝ち進んでいく中で、女性に勝たれたくないというか、そういうもはありました。「女性に勝たれて格式が下がった」と言われたこともあったので。

この女性に対する態度は、海外でも同じだった。海外のトーナメント会場に行き、大会受付に並んでいると、観客や男性プレイヤーの付き添いだと思われて、列を抜かされた。ようやく受付についても、本当に出るのかと囃し立てられた。今でこそ若干名の女性プレイヤーがトップカテゴリに参加してきたが、当時は矢澤1人きり。風当たりは相当に強かった。

もう1つの逆風が子宮体がんだ。2012年に発覚し、手術しなければ余命1年と宣告され、務めていたゲーム会社も辞めることになった。それでも必死の闘病生活を経て克服。これをきっかけに、本当にやりたいことを突き詰めようと、就職を機に辞めていたバックギャモンの世界に復帰。この2年後に、アジア人女性初となる世界チャンピオンになったのだから驚きだ。

矢澤 世界で最初にタイトルを取った時も、やはりバッシングはありました。日本でもそうだったので、世界でも同じことが起きるのは予想できていましたけど。ただ2回、3回と勝っていけば文句を言われなくなるのはわかっていたし、周りも認めてくれると思っていました。今では全然なくなったんですが、私以外の女性にはまだある状況なので、なくなっていけばいいなと思っています。

日本ではよく知られる将棋については、ほとんど縁がない矢澤だが、男性と対等に盤を挟んで戦う女性棋士には興味がある。さらに、まだいない「女性のプロ棋士」についても関心を持った。

矢澤 女性のプロ棋士が1人出ると、希望が違うと思います。0と1では。私が世界チャンピオンになってから、女性のバックギャモンプレイヤーがすごく増えたと聞きました。最初の人は自分で道を切り開いていかないといけませんが、後の人は道が出来ているのでブレイクスルーが起こると思います。これからの時代は、ソフトを使った勉強は欠かせなくなってくると思うし、むしろどう使いこなすかが問題です。上手に使いこなせれば、女性でも道は開けると思います。

日本の将棋界以上に、世界の舞台で男性たちに囲まれながら、解析ソフトを駆使して実力をつけ、そして頂点に立った。そんな矢澤の戦い方は、もちろん定跡どおりに進めていくものの「人対人」だからこそ起きる部分も研究し、そして勝っている。ソフトは相手のミスを想定しない最善手を考えるため、大きなミスを誘い出す一手という概念がないからだ。

将棋界では女流棋士の里見香奈女流四冠が7年ぶりに「女流枠」で男性棋戦に復帰し、6勝6敗(11月29日現在)と健闘している。男女の区別がない「プロ棋士」ではないが、研究次第で男性棋士とも十分に戦えるという結果を残し続けている。12月2日からスタートする超早指し棋戦「女流AbemaTVトーナメント」では、トップの女流棋士8人が、持ち時間7分、一手指すごとに7秒加算という、限られた時間の中で極限の集中力を発揮する戦いが繰り広げられる。

矢澤 女性にできないということはないです。諦めずに挑戦してほしいですね。実際に私も男性しかタイトルホルダーがいなかった中で、自分を信じてやってきたことが、形として実を結んだので、将棋の世界でもそれができると思います。

競技人口3億人とも言われるバックギャモンの世界で頂点に立った矢澤は将来、女流棋士が男性棋士に勝ち続け、将棋界のタイトルを獲得することを真剣に信じている。

◆女流AbemaTVトーナメント 持ち時間各7分、1手指すごとに7秒が加算される、チェスでも用いられる「フィッシャールール」を採用した女流棋士による超早指し棋戦。推薦枠の女流棋士、予選を勝ち抜いた女流棋士、計8人がトーナメント形式で戦い、1回の対戦は三番勝負。優勝者は、第1回大会で藤井聡太七段が優勝した持ち時間各5分、1手指すごとに5秒加算の「AbemaTVトーナメント」に、女流枠として出場権を得る。

情報源:アジア人女性初のバックギャモン世界王者・矢澤亜希子、男性からのバッシングにも耐え2度頂点「ソフトがあったから強くなれた」(AbemaTIMES) – Yahoo!ニュース

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GNU Backgammonでやってみたけど、勝負にするならねぇ。