広島 ケガを乗り越えた若き4番打者・鈴木誠也(広島アスリートマガジン) – Yahoo!ニュース

来期は万全の態勢で頼む。


故障からの復活が注目されて迎えた2018年。開幕4番スタートも序盤は苦しい日々が続いた。しかし、ケガへの不安と4番の重圧を乗り越え確かな進化を見せつけたシーズンとなった。

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広島アスリートマガジン 2018年優勝記念特別増刊号
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今季も首位を独走するカープの4番として、打率、本塁打数、打点数はいずれもリーグ上位と堂々の数字を残し、3連覇に大きく貢献した鈴木誠也。数字だけを見れば文句なしの成績だが、今季を迎えるまでの期間、そしてシーズン中も決して順調であったわけではない。昨年8月に右足首を骨折。野球人生初めての大ケガを負って長期離脱。その後はリハビリ生活を余儀なくされた。

「とにかく1日1日良くしていきたかったです。良くなってきたと思ったら、次の日はまだ痛みが残っているとか、その繰り返しだったので……開幕まで本当に短く感じました。『本当に間に合うのかな』という気持ちがずっとありましたし、なんとか間に合ったうれしさが大きかったですね」

リハビリ期間から右足首の状態は一進一退。それでも周囲の期待を一身に受け、開幕は初の4番スタメン。しかし右足をかばうあまり、開幕直後に下半身の張りで13日間の離脱を余儀なくされた。4月後半に一軍復帰するも、理想とする打撃には程遠い状態が続いていた。

「良いときの感覚を求めているわけではないんですが、迷いがあるというか、なかなか相手は自分のスイングをさせないように投げてきますからね。本当になかなか自分のスイングができないという状況ではあります」

5月には17打席無安打と苦しみ、両足のスタンス幅を狭めるなど打撃フォームも模索した。そんな状況下でも5月25日の中日戦(マツダ)で試合を決める勝ち越し弾を放つと、5月30日の西武戦(マツダ)ではサヨナラとなる四球を選ぶなど、右足の状態が100%ではない中、要所で4番の働きを見せていった。

「ケガを恐れていたら良いプレーもできないですし、『あのケガは自分の運命なんだ』と思って、切り替えてプレーしていきたいです。怖さもありますが、そこに勝たないといけませんし、敵は自分だと思うので、そこに勝てれば自ずと良い結果はついてくると思っています」

ケガへの不安と戦いながら5月、6月、7月と3カ月間の月間打率はいずれも3割を超え、その間13本塁打、42打点。3番を打つ絶好調の丸佳浩と共に4番打者として最低限の結果を残し、チームの首位独走に貢献した。そして8月、いよいよ鈴木のバットが火を吹く。8月1日のヤクルト戦(神宮)では2本塁打を含む7打点と好スタートを切ると、その後も好調を維持。打率は一時リーグトップに立つなど、一気に状態を上げていった。

「4番というのは決して楽ではないですし、楽しいポジションでもありません。でも、そういうもので悩める内はありがたい事だと思ってプレーさせてもらっています」

ケガへの不安、4番の重圧と向き合い、それを前向きに捉えながら戦い続けた。そして鈴木にとって因縁の日、8月23日のヤクルト戦(マツダ)では、9回、丸の3ランで同点とすると、続く鈴木は劇的なサヨナラ本塁打を放った。1年前、大ケガを負った日に悔しさを晴らすかのような最高の仕事をやってのけた。結果的に8月の月間打率はリーグ2位の・414、本塁打数はリーグトップの12本と本領を発揮。9月には30本塁打の大台にも乗せた。

さまざまな不安の中でスタートした2018年。苦しみながらもケガを乗り越えて3連覇に貢献した。若き4番打者の進化は、これからも続いていく──。

(広島アスリートマガジン2018年リーグ優勝記念特別増刊号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)

▼ 鈴木誠也(すずきせいや)
1994年8月18日生、東京都出身/24歳・プロ6年目/二松学舎大附高-広島(12年ドラフト2位)/181cm・96kg

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情報源:広島 ケガを乗り越えた若き4番打者・鈴木誠也(広島アスリートマガジン) – Yahoo!ニュース


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