日産 ゴーン会長を逮捕 金融商品取引法違反の疑い

日産 ゴーン会長を逮捕 金融商品取引法違反の疑い

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日産自動車のカルロス・ゴーン会長(64)が有価証券報告書にみずからの報酬を実際より50億円余り少なく記載していたとしてグレッグ・ケリー代表取締役(62)とともに金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。

逮捕されたのは日産自動車の会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)と代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)で、東京地検特捜部は横浜市にある日産の本社などを捜索しています。

東京地検特捜部によりますとゴーン会長らは平成23年3月期から平成27年3月期までの5年間のゴーン会長の報酬が、実際には合わせて99億9800万円だったのに、有価証券報告書には49億8700万円と50億円余り少なく記載していたとして金融商品取引法違反の疑いが持たれています。

ゴーン会長は日産自動車の有価証券報告書で毎年、役員報酬を公開していて、平成22年度から26年度にかけては毎年、10億円前後の報酬を受け取ったと記載していました。

しかし日産自動車は19日、ゴーン会長が開示されるみずからの報酬額を少なくするため、長年にわたって実際の報酬額より減額した金額を有価証券報告書に記載していたことや、会社の資金を私的に支出するなどの複数の重大な不正行為が認められると明らかにしていて、こうした不正にはケリー代表取締役が深く関与していたと発表していました。

特捜部は捜索で押収した資料などを分析し、トップが関わったとされる不正の実態解明を進めるものとみられます。

ケリー氏 3年前から代表取締役

日産自動車のホームページによりますと、グレッグ・ケリー氏はアメリカの大学を卒業後、法律事務所で弁護士として勤務し、1988年に北米日産に入社しました。

主に法務や人事などを担当し、2008年に日産自動車の執行役員に昇格。その後、常務執行役員などを経て3年前から代表取締役を務めていました。

報酬は10億円超も

カルロス・ゴーン会長は、日産自動車の有価証券報告書で毎年、役員報酬を公開しています。

それによりますと平成26年度には1年間の報酬が初めて10億円を超えて10億3500万円、平成27年度は10億7100万円でした。平成28年度は過去最高となる10億9800万円でしたが、平成29年度は前の年よりも33%減らして7億3500万円でした。

また、これとは別にゴーン氏は三菱自動車工業の会長として平成29年度には2億2700万円の役員報酬を受けているほか、同じく会長を務めるフランスのルノーからも役員報酬を受けています。

ゴーン氏「他のグローバル企業と比べれば低い水準」

カルロス・ゴーン氏の報酬をめぐってはその高さが注目され、日産自動車の株主総会でも毎年、株主から質問が出ていました。

平成28年度のみずからの役員報酬が過去最高となる10億9800万円となったことについてカルロス・ゴーン氏は去年6月の株主総会で、「役員報酬は、業績や事業への貢献と日産と同じ規模のグローバル企業におけるCEOの報酬水準も分析したうえで決めている。役員や幹部クラスのほぼ半数は外国人だ。競争力を維持するためには、多国籍の優秀な人材をつなぎとめないといけない」と述べ、理解を求めていました。

また、おととしの株主総会では「優秀な人材の確保には競争力のある報酬が必要で、トップの報酬も他のグローバル企業と比べれば低い水準だ」と述べていました。

日産自動車の社員は

日産自動車のカルロス・ゴーン会長が東京地検特捜部に逮捕されたことについて、35歳の男性社員は「びっくりました。これまでも排ガスの検査などで不正が続いていたので、これを機にうみを出し切ってほしいと思います」と話していました。

38歳の男性社員は「まだ会社から社員に対して何も説明がないので、早く真相が知りたいです」と話していました。

また20代の男性社員は「とても驚いていますが、まだ何も聞かされていないので詳しいことはわかりません」と話していました。

ルノー「情報確認中」

カルロス・ゴーン氏はフランスの自動車メーカールノーの会長兼CEOを務めていて、ことし6月の株主総会で4年の任期で再任されました。ルノーによりますとゴーン氏の2017年の報酬は740万ユーロ、日本円でおよそ9億5000万円でした。

ゴーン氏が会長兼CEOを務めるフランスの自動車メーカー・ルノーの広報担当者は、NHKの取材に対して「現在、情報を確認中で、コメントすることはありません」と話しています。

ルノー株が急落

カルロス・ゴーン会長が会社の資金を私的に支出するなど、複数の重大な不正行為をしていたと日産自動車が発表したことを受けてゴーン氏が会長を務めるフランスの自動車メーカー・ルノーの株価は一段と値下がりしています。

パリの株式市場ではルノー株への売り注文が膨らみ日本時間の午後7時15分現在、株価は13%以上、下落しています。

ゴーン会長 欧州での経歴

ゴーン会長は大学を卒業したあと、フランスのタイヤメーカーミシュランに入り、北米担当の責任者を務めました。

ミシュランでの実績を評価されて1996年にはルノーの上席副社長に就任。1999年に深刻な経営危機に陥った日産自動車の最高執行責任者、翌2000年には社長となり経営の立て直しに手腕をふるいました。

そして2005年にはルノーのCEOとなり、2009年以降は会長も兼務して会長兼CEOとしてルノーを率いるようになります。

また、あわせて日産自動車の会長、三菱自動車工業の会長も務め、3社の連合をリードしてきました。

情報源:日産 ゴーン会長を逮捕 金融商品取引法違反の疑い | NHKニュース


仏テレビ局 ゴーン氏逮捕 速報で伝える
仏テレビ局 ゴーン氏逮捕 速報で伝える

フランスのテレビ局「フランス24」は、ゴーン氏が金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されたことを日本のメディアを引用して、速報で大きく伝えました。

この中でゴーン氏が、経営難に陥っていた日産を立て直したキーパーソンであったことや雇用やコストを大幅に削減したコストキラーとして知られていたことなどを詳しく紹介しました。

また、日産とルノー、それぞれから多額の報酬を得ていて、その額については批判もあったなどと指摘しました。

そして、今回の事態を受けてルノーの株価が大きく値下がりしていることを伝え、筆頭株主であるフランス政府に対しコメントを求めたものの、応じなかったとしています。

フランス経済省「事実関係を確認中」

フランスの経済省はNHKの取材に対し「報道は承知している。事実関係の確認を進めているところだ」と話しています。

パリでも驚きの声

ゴーン氏が逮捕されたことについて、フランス・パリでは驚きの声が聞かれました。

このうち50代の女性は「ゴーン氏は有名な経営者であり、長年、ルノーのトップを務めてきたので、逮捕されたことは驚きです」などと話していました。

また、80代の男性は「大きな会社のトップなので驚きました。フランスの自動車産業にとってよいニュースじゃないですね」と話していました。

情報源:仏テレビ局 ゴーン氏逮捕 速報で伝える | NHKニュース


日産 ゴーン会長逮捕 欧米メディアも速報で伝える
日産 ゴーン会長逮捕 欧米メディアも速報で伝える

ゴーン会長らが金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されたことについて欧米のメディアは相次いで速報で伝えていて、関心の高さをうかがわせています。

このうち、ロイター通信は「世界の自動車業界で最も著名な人物のひとりが逮捕された」と伝えるとともに、パリの株式市場でルノーの株価が大きく下落したことを報じています。

また、イギリスの公共放送BBCは、東京からの中継などを交えながら、日産が不正行為を理由にゴーン氏の会長と代表取締役の職を解くことを提案する方針だと伝えました。

さらに、ゴーン氏について経営難に陥った日産を劇的に立て直したとして「20年近く自動車業界の巨人だった」と紹介しました。

そのうえで、人気漫画雑誌の連載でその半生が取り上げられたことや、過去に行われたアンケート調査では「日本を任せたい有名人」として、当時、アメリカ大統領だったオバマ氏よりも上位にランクされたなどと、日本で広く知られた存在であると伝えています。

情報源:日産 ゴーン会長逮捕 欧米メディアも速報で伝える | NHKニュース


[横浜市/東京 19日 ロイター] – 東京地検特捜部は19日、日産自動車(7201.T)会長のカルロス・ゴーン容疑者と同社代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者の2人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕した。同特捜部は、横浜市の同社本社も同容疑で家宅捜査した。

11月19日、東京地検特捜部は、日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(写真)と同社代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者の2人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕した。ジュネーブで2017年3月撮影(2018年 ロイター/Denis Balibouse)
11月19日、東京地検特捜部は、日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(写真)と同社代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者の2人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕した。ジュネーブで2017年3月撮影(2018年 ロイター/Denis Balibouse)

複数の国内メディアによると、ゴーン容疑者は2011年から15年までの5年間に、99億9800万円の報酬を受け取っていたにもかかわらず、有価証券報告書には49億8700万円の報酬があったと虚偽の数字を記載。合計で約50億円の報酬を過少に記載した。

日産の西川廣人社長は同日夜に会見し、今回の2人の行為は、専門家から重大な不正であるとの判断を受けており、22日にゴーン容疑者の解職を提案する臨時取締役会を開催すると述べた。

また、今回の不正行為はガバナンス上、ゴーン容疑者に権限が集中し過ぎていたことが誘因だったと指摘し、ガバナンスの再構築に取り組む意向を示した。

同社が19日に公表した文書では、ゴーン会長とケリー氏が、長年にわたり報酬額を過小に有価証券報告書に記載していたことが判明したと指摘。

ゴーン会長には同社の資金を私的に支出するなど複数の重大な不正行為が認められ、ケリー代表取締役も深く関与していたことが判明していると言及した。

この点に関連し、西川社長は、1)報酬額を減額して有価証券報告書に記載した、2)目的を逸脱し、同社の投資資金を使って投資した、3)同社の経費を不正に使用した──の3点を確認したと述べた。

有価証券報告書の記載は適正でなく、是正がどうなるのか、現状ではわからないが、瑕疵(かし)は認めなければならないと語った。

そのうえで、独立取締役2人を含めた第三者機関を設立し、ガバナンスの回復に強めたいと表明した。

西川社長は、今回の不正発覚と2人の逮捕により、株主や関係者に大変、心配をかける事態となり、深くおわびしたいと述べた。

さらに世界の従業員、販売関係者に大きな動揺を引きこしていると思うが、社内の動揺をできるだけ安定させたいと語った。

一方、ルノー(RENA.PA)、三菱自動車(7211.T)、日産のパートナーシップに何ら影響を与えないと西川社長は断言。今後も三菱自動車の益子修CEOとは、今後も緊密に連携し、コミュニケーションを図っていきたいとした。

今回の逮捕に至った経緯に関連し、昨年来徹底してきたコンプライアンスと内部通報の結果であり、その後、ゴーン容疑者主導による重大な不正であるとの判断にいたったと説明した。

11月19日、東京地検特捜部は、日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(写真)と同社代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者の2人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕した。パリで10月撮影(2018年 ロイター /Regis Duvignau)
11月19日、東京地検特捜部は、日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(写真)と同社代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者の2人を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕した。パリで10月撮影(2018年 ロイター /Regis Duvignau)

具体的には、内部通報があり、監査役を中心に問題提起の動きがあり、社内調査を進めた結果、2人の不正が発覚したと西川社長は述べた。

今回の逮捕を踏まえ、極端に個人に依存した経営から脱却し、サステナブルな経営体制見直しのよい機会になるとの考えを表明した。

ゴーン容疑者が長年、実力者として君臨してきた弊害は大きいとも指摘。刑事告発について、今日のところは答えられないが当然、告発に値すると述べた。不正がいつからか今は言えないが、長きにわたっていたと語った。

一方、西川社長自身の責任については、猛省するべき点があるとしたうえで、今は社内を沈静化、安定化させ、会社を正常な状態にして前に進めるよう、やることが山積していると表明した。

ゴーン会長は1999年、仏自動車大手ルノー(RENA.PA)副社長から日産の最高執行責任者(COO)に就任し、2001年6月から最高経営責任者(CEO)となった。

99年当時の日産は約2兆円の有利子負債を抱えていたが、ルノーと日産の部品や購買の共通化を推し進めるとともに、村山工場などの生産拠点閉鎖など大胆なリストラを断行し、コストの大幅カットで収益をV字回復させた。2005年にはルノーの会長権CEOに就任。16年には三菱自動車の会長にも就いた。17年4月に日産社長とCEOを退任し、会長となった。

日産によると、2016年度のゴーン会長の役員報酬は10億9800万円、17年度は7億3000万円だった。

情報源:日産ゴーン会長らを金商法違反容疑で逮捕、社長「権限集中が誘因」(ロイター) – Yahoo!ニュース

情報源:日産ゴーン会長らを金商法違反容疑で逮捕、社長「権限集中が誘因」 | ロイター


日産三菱・ルノー連合のカルロス・ゴーン会長兼CEO=米ネバダ州ラスベガス
日産三菱・ルノー連合のカルロス・ゴーン会長兼CEO=米ネバダ州ラスベガス

日産自動車(本社・横浜市)の代表取締役会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が、自らの報酬を約50億円少なく有価証券報告書に記載した疑いがあるとして、東京地検特捜部は19日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで、ゴーン会長と同社代表取締役グレッグ・ケリー容疑者(62)を逮捕し、発表した。特捜部は認否を明らかにしていない。特捜部は同日夕、日産の本社など関係先を捜索した。押収した資料などの解析を進める。

特捜部の発表によると、ゴーン会長とケリー代表取締役の2人は共謀のうえ、2010~14年度の5年度分の有価証券報告書に、実際はゴーン会長の報酬が計約99億9800万円だったにもかかわらず、計約49億8700万円と過少に記載した疑いがある。

同社の有価証券報告書によると、逮捕容疑の対象となった10年度のゴーン会長の報酬額は9億8200万円だった。同様に、11年度は9億8700万円、12年度は9億8800万円、13年度は9億9500万円、14年度は10億3500万円とそれぞれ記載されている。

その後、15年度は10億7100万円、16年度は10億9800万円と記され、17年度は7億3500万円で4年ぶりに10億円を下回った。17年4月に社長兼最高経営責任者(CEO)を退いて会長のみにとどまったため、大きく報酬が減った。

ゴーン会長は、経営危機に陥った日産にルノーから派遣され、1999年に最高執行責任者(COO)、2000年に社長に就任。01年6月から社長兼CEOとなり、日産の再建を進めた。05年にはルノー社長にも就いた。16年には、燃費不正問題の発覚をきっかけとした三菱自動車との提携を主導し、16年12月に三菱自会長にも就任した。

金融商品取引法は、有価証券報告書の重要事項について、うその記載をした場合に刑事罰を科している。法定刑は10年以下の懲役か1千万円以下の罰金だ。業務に関する違反行為に対して法人も罰する両罰規定が適用されれば、法人にも7億円以下の罰金が科される。

情報源:ゴーン容疑者ら2人逮捕 報酬を50億円過少申告の疑い(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース

情報源:ゴーン容疑者ら2人逮捕 報酬を50億円過少申告の疑い:朝日新聞デジタル


会見した日産の西川広人社長兼最高経営責任者(撮影・西岡千史)
会見した日産の西川広人社長兼最高経営責任者(撮影・西岡千史)

日産自動車のカルロス・ゴーン会長が有価証券報告書に報酬を過少に記載した金融商品取引法違反の疑いで逮捕された事件で、日産の西川広人(さいかわひろと)社長兼最高経営責任者(CEO)は19日夜、横浜市の本社で会見した。

報道関係者が200人以上集まる中の緊急会見で、西川社長は弁護士なども伴わず、一人で出席。ゴーン氏に経営の権限が集中していたことについて「実力者として君臨してきたことの弊害」「負の遺産」と繰り返し、謝罪会見というよりも、ゴーン氏の「追放」を強く印象づける会見となった。

西川氏は冒頭で「ゴーン氏について重大な不正行為を確認した。内容について細かく説明できないが会社として断じて容認できない。解任することを決断した」と述べた。正式には22日に取締役会を招集して手続きするという。

報道陣が続々と集まった日産本社(撮影・西岡千史)
報道陣が続々と集まった日産本社(撮影・西岡千史)

その上で西川氏はこう謝罪した。

「本件は内部の通報があり、社内調査の結果、ゴーン氏らの複数の不正が確認された。事案の内容を会社から検察当局に説明し、捜査に協力してきた。株主や関係者の皆様に不安を与えたことを謝罪する。カルロスゴーン率いる日産の信頼を大きく裏切ることになってしまった。大変残念で申し訳ない。私自身、経営会議のメンバーとして力を合わせてきたが、こういう重大事案になったのは、残念という言葉を超えて強い憤り、落胆している。従業員の中にもいったい何が起きているんだという状態で、私が感じていることが従業員にも広がっていくのではないか。社内の動揺を安定させ、取引先との影響を出さないように集中していきたい」

不正の内容については捜査中として説明を避けた。今後の経営の進め方について、社外取締役を中心に第三者も入れて調査するという。

仏ルノーや三菱自動車との関係については、変更が必要になれば調整していくとした。

「ルノーへの影響は大きいが、ルノーや三菱とのパートナーの関係に影響はなく、緊密に連携していく。将来に向けては、極端に特定の個人に依存した形の見直しの機会になる。43%の株を持つルノーのトップが日産のトップを兼任するのは、ガバナンス上問題があった。ゴーン統治で一人の個人に権限が集中したことは負の遺産で、時間を置かずに明確に手を打っていく」(西川氏)

ゴーン氏と一緒に逮捕された同代表取締役のグレゴリー・ケリー氏については「ゴーン氏を背景に影響力を持ってきた」と話した。

記者との主な質疑応答は以下の通り。

ゴーン会長への権力の集中の果て…

―日産のファンにどう説明するのか。

「私も大きなショックを受けている。重大事案で不安を与えて申し訳ない。多くの日産ファンにとにかく申し訳ない。できることはガバナンスについて猛省する。一人に権力が集中し、長年実力者として君臨してきた弊害は大きい。目に見える形で問題を解消していく。これを見ていただくことしかない」

―いつごろ内部通報があったのか。

「そこも含めて検察と連携しているので、現時点では答えを控える。いずれ話せるようになる」

―不正の中身は?

「開示の問題と私的な目的で投資資金を使ったこと、会社の経費の不正使用です」

―不正の行為者は逮捕された2人だけか。

「この2人が調査の結果、首謀であることは確認している。役員らの反応については、知ったのがつい先ほどなので、彼らも一体、何があったんだという感覚。取引先も大きな不安を抱えているので、そこを不安定にしないように全力を尽くす。役員が先頭に立って、日常の業務に影響が出ないようにする」

―解任する理由は。

「どの事案を見ても、会社としてみれば当然許容できない。虚偽であったり、支出が私的なものだったり」

―不正がいつごろから行われてきたのか。

「そこについてもいまは内容を申し上げられない。長きにわたってということ」

―ゴーンさんは日本で納税していたのか。

「私は回答できないが、当然日本で納税していたと思う」

―会社としてゴーン氏を告発し、損害について訴えないのか。

「それに値する事案であることは認識している」

―100億円近い報酬があったのに50億円しか公表していなかったとされるが、どういう処理をしていたのか。

「そこは確認をしている部分もあるが、今の段階では答えを控える」

―長期政権の弊害と言うが、どういう形で権力が集中したのか。クーデターのようなことが起きたと見られるが。

「今回の件は事実として見た場合、不正が内部通報で見つかりそこを除去するのがポイント。クーデターではない」

ゴーン氏は暴君だったのか?

「ガバナンスの面では権力が集中したことが誘因なので、公正なガバナンスをつくる。権力の集中は長い間で徐々に形成されてきたとしか言いようがない。ルノーと日産のCEOを兼務していたのが無理があった。ケリー氏はゴーン氏の側近として仕事をしてきた。ゴーン氏の権力を背景に社内をコントロールしてきた。これが実感であり実態」

―取締役会の招集は22日でいいのか。

「招集して2日あけるので22日木曜日」

―今回の話を知っていたのは西川氏のほかに何人か。

「数名の単位と思っていただいていい」

―ゴーンさんはカリスマでリストラをし、剛腕を振るってきた。暴君だったと言えるのではないか。報酬の記載が無いのは粉飾決算ではないのか。

「記載は適正ではなかったので瑕疵(かし)を認めて是正はする。正直言って私もいまに至るまで、当面の対応に追われじっくり考えることをもう少ししたい。事実として初期に、ほかの人間ができなかった改革を実施した実績がある。その後は功罪、両方ある。それは私の実感です。積み上げてきた全部を否定できないが、最近の状況を見るとやや権力の座に長く座っていたことに業務の面で弊害も見えた。私も意見を言うことがあったが、こういう事態になったので、従業員にも目に見える形で手を打っていきたい」

―一緒に逮捕されたケリー氏はどういう影響力を与えたのか。ゴーン氏は日産の顔だが、ブランドへのダメージやアライアンスへの影響は。

「ケリー氏はもともと日産出身で、専務執行役員という立場で仕事をしていた。幅広い仕事をして、絶えずゴーン側近として動いていた。そういう意味で影響力が大きい。近年は会長へのサポート以上のものはないので、影響力は徐々に落ちてきていた。ゴーン氏と日産を重ねる人は多いが、日産は日産。日産ブランドをそのものとしてご愛顧いただく。今回の事案で大きなショックがあり、影響がないとは言わない。できる限り努力していく。ルノーや三菱自動車とのアライアンスの関係には影響せず、より緊密に議論して決めていく。日常の運営面では、3社の責任者が集まって方向性を話し合って決める」

司法取引はあったのか?

―どういう調査を継続していくのか。

「社内調査はほとんど終わっている。状況把握はできている。後は捜査の進展もあるので、そこを見ていずれみなさんに話ができる」

―ゴーンさんの高額報酬について正当だったのか。権力の過度な集中を許した責任は。

「報酬については、日本全体でいろんな議論があるが、日本だから低いとか、欧米だから高いということは是正されていくべきだと個人では思う。権力の集中は、振り返ってみると後付けだが反省すべき点はある」

―検察当局と司法取引をしているのか。今回社長として責任をどうとるのか。

「司法取引については全くコメントできない。日産のファンもいればサポートしてくれたみなさんに、おわびをしたい。猛省すべきところもあるが、事態を安定化させることが私の責任。様々なことをスピードを上げてやっていかなければいけない。その先を考えることが来るかもしれないが、まずは集中してやっていく」

―アライアンスのメンバーとの反応は。ルノーや三菱の人はどう反応したのか。仮にルノーがゴーン氏を退任させない場合の対応は。

「私の方から報告してから時間がたっていないので、具体的な反応はない。後はそれぞれの会社で対応していく」

―内部調査は終了したと言うが、ゴーン氏からは話を聞いているのか。ゴーン氏がケリー氏に指示をしていたのか。

「ここは私から話しにくい。つかんでいる事実はあるが、そこの最終的な判断は捜査当局でする。ただし、2人が首謀なのは間違いないと見ている」

―後任の人事は。こういう不正をどうして見抜けなかったのか。

「ある部分、会社の中の仕組みが形骸化し、透明性が低かった。ガバナンスに問題があっても必ず不正が起きるわけではないが、この集中という部分でいろんなことが起きてもわからない弱点があった」

―社内で知っている人がいたのにゴーン氏に言えなかったのでは。

「不正について、なかなか表面化をしなかった。仕事をするときにぶつ切りにすれば、全体が見えない」

日本市場を軽視した?

―日本市場を軽視していたのでは。

「全く軽視はしていない。日本初のブランドの価値は、いまの経営陣は十分認識している。日本のマーケットの重要性を見ているが、過去にその部分が十分に会社の中で認識されていなかった時期がある。なので商品投入には時間がかかるので、挽回(ばんかい)しにくいことがあった。ここは断言は避けたいが、ある意味偏った意見で商品投入された時期があり、結果としてお客様に訴求できなかったことがある。ここは事実だという実感だ」

―ルノーとの関係は。

「ルノーとのアライアンスの会社のCEOをゴーン氏が兼務しているのは変わりない。ルノーの取締役のみなさんと協議をして決めていく。今のとこをそれ以上の協議はしていない。これからそこを含め相談していく」

―後任については次会の株主総会まで決めないのか。

「取締役会にはかるので、いま話すのは時期尚早。2人の取締役は解任できないので、どの段階で株主総会を招集するのか、ガバナンスをどうするのか、社外取締役を中心に提言してもらう。総会の決議が必要なことも含め、対策していく。当面は22日に相談して、短期の対応と時間のかかる対応を提言してもらう」

―ゴーン氏から話を聞いていないことでいいのか。

「私は聞いていない。動機については控えさせてください。調査は十分にできている」

―ゴーンさんへの権限の集中の弊害と言うが、なぜこのような事態になったのか。振り返ってみて、それを許した原因は。

「なぜそうなったのかは非常に難しいが、人も入れ替わるなかで、私自身どういうことができたか反省しないといけない。2005年にルノーと日産のCEOを兼務することになった。私たちは日産にとっていいことではないかと思って、その時、将来どのようなことが起きるのか議論していなかった。一人個人に依存するのは将来を見通せないという質問もあるが、それが転機となった。私たちも十分分からない中で権力が集中していった」

西川社長は会見の最後まで頭を下げることはなかった。最後の言葉は「ありがとうございました」だった。

情報源:日産のゴーン会長を追放「クーデターではない。権限集中で負の遺産に」西川社長【会見全文】〈週刊朝日〉(AERA dot.) – Yahoo!ニュース

情報源:日産のゴーン会長を追放「クーデターではない。権限集中で負の遺産に」西川社長【会見全文】 (1/5) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)


日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:西川 廣人)は、内部通報を受けて、数カ月間にわたり、当社代表取締役会長カルロス・ゴーン及び代表取締役グレッグ・ケリーを巡る不正行為について内部調査を行ってまいりました。
その結果、両名は、開示されるカルロス・ゴーンの報酬額を少なくするため、長年にわたり、実際の報酬額よりも減額した金額を有価証券報告書に記載していたことが判明いたしました。
そのほか、カルロス・ゴーンについては、当社の資金を私的に支出するなどの複数の重大な不正行為が認められ、グレッグ・ケリーがそれらに深く関与していることも判明しております。

当社は、これまで検察当局に情報を提供するとともに、当局の捜査に全面的に協力してまいりましたし、引き続き今後も協力してまいる所存です。

内部調査によって判明した重大な不正行為は、明らかに両名の取締役としての善管注意義務に違反するものでありますので、最高経営責任者において、カルロス・ゴーンの会長及び代表取締役の職を速やかに解くことを取締役会に提案いたします。また、グレッグ・ケリーについても、同様に、代表取締役の職を解くことを提案いたします。

このような事態に至り、株主の皆様をはじめとする関係者に多大なご迷惑とご心配をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます。早急にガバナンス、企業統治上の問題点の洗い出し、対策を進めてまいる所存であります。

以上

情報源:当社代表取締役会長らによる重大な不正行為について – 日産自動車ニュースルーム



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