障害者らの団体、住民監査請求へ 名古屋城EV不設置で:朝日新聞デジタル

えぇ・・・


調査用の足場で覆われた名古屋城天守の石垣=2018年6月1日、名古屋市中区、戸村登撮影
調査用の足場で覆われた名古屋城天守の石垣=2018年6月1日、名古屋市中区、戸村登撮影

名古屋城の木造新天守にエレベーター(EV)設置を目指す障害者らが、EVを設置しないとする名古屋市に、城の木造化関連予算を支出させないよう求める住民監査請求を準備していることがわかった。「障害者や高齢者などの移動困難者を排除する事業への公金支出は不当だ」と訴える。

住民監査請求を予定しているのは、障害者団体などでつくる「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」のメンバーら。「史実に忠実に復元する」としてEVを設置しない名古屋市の方針は「階段を自ら昇降できない者だけを排除、差別するものだ」として、「法の下の平等」を定めた憲法14条や障害者差別解消法などに違反していると主張。木造新天守に使う木材を調達する費用として、市が施工業者の竹中工務店に支出する94億5540万円を差し止めるよう求めるという。

実行委はまた、市がEVの代替案として挙げる移動補助ロボットなどの「新技術」について、「実用性や安全性が確認されておらず、障害者差別解消法が禁止する『障害を理由とした不当な差別的取り扱い』にあたる」と指摘する。辻直哉事務局長(46)は「公金を使う事業なのに、一部の人が使えないのはおかしい。河村たかし市長とは話が進まないので、こういう形を取らざるを得ない」と話している。(北上田剛)

「名古屋市の対応は人権侵害」と愛知県知事

名古屋城木造新天守にエレベーター(EV)を設けない名古屋市の決定に反対する障害者団体が19日、大村秀章知事と面談し、反対活動への支援を求めた。団体によると、大村知事は「市の対応は人権侵害」との見方を示し、支援に前向きな態度を見せたという。

県公館を訪れたのは「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」共同代表の近藤佑次さんや斎藤縣三さんら。「誰もが上れるようにするのがバリアフリーという考え方を河村たかし市長は理解しようとしない。考え直してもらえる機会をつくってもらえないか」と訴えると、大村知事は「よりよい方向に進むように私自身も努めたい」と応じた。

面談は冒頭部分を除き、非公開で進められた。

面談後、大村知事は報道陣に対し「すべての人が同じ条件でアクセスできる権利を保障するのが真のバリアフリーだ」と同調。「市は真摯(しんし)に受け止め、互いに納得ずくで話し合わないと進んでいかないと思う」と話した。具体的な支援策については「よく考えて取り組みたい」と語った。

続いて報道陣に囲まれた斎藤さんは「妥協点となり得る具体策はあるか」と問われ、「透明のEVで(天守の)中身を見学できるようにしたり、木で包む構造にしたりすれば、木造復元とバリアフリーは共存できる」と、私案を示した。一方、近藤さんは「(EV設置が)景観に影響があるとしても、それが批判されることなのか、と言うことが一番考えるべき部分ではないか」と話した。

これらの発言に河村市長は「よう考えて丁寧にやっとります」と主張。「健常者も体の不自由な方も一緒に(史実に忠実に復元した)本物を体験できることが本当のバリアフリーと思う。EVを付けると体験できんようになる」との持論を報道陣に語った。

名古屋城天守木造化をめぐり、市は5月、新天守にEVを設置せず「新技術」によりバリアフリーを実現する決定を表明。障害者団体は「障害者差別解消法などに違反している」と強く反発し、近く署名活動なども始める方針だ。(関謙次)

情報源:障害者らの団体、住民監査請求へ 名古屋城EV不設置で:朝日新聞デジタル


文化財だぞ、近代化する方がおかしいだろ。