働き方改革関連法 賛成多数で可決・成立

働き方改革関連法 賛成多数で可決・成立 | NHKニュース

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政府・与党が今国会最大のテーマとしてきた働き方改革関連法は、29日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、成立しました。国会審議で最大の焦点となった、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度は来年4月から導入されることになります。

働き方改革関連法案は、28日夜、参議院厚生労働委員会で可決されたのを受けて、29日午前、参議院本会議で審議が行われ、最初に、法案に賛成・反対双方の立場から5党による討論が行われました。

この中で、自民党は「今回の法案で、柔軟に働くことができる、能力を最大限に発揮できる働き方を実現できれば、わが国の経済もさらに力強く成長する」と述べました。

これに対し、参議院野党第1党の国民民主党は「高度プロフェッショナル制度の創設は、長時間労働や過労死となる懸念が極めて大きく、労働者保護の観点から絶対に導入してはならない」と述べました。

続いて採決が行われた結果、自民・公明両党と日本維新の会、希望の党などの賛成多数で可決され、成立しました。

働き方改革関連法は、長時間労働を是正するため時間外労働に罰則付きの上限規制を設ける一方、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度を導入するとしています。

さらに、同一労働同一賃金の実現に向けて、正社員と非正規労働者の不合理な待遇の差を禁止することなども盛り込まれていて、新たな制度は来年4月から順次導入されます。

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法成立までの経緯

安倍総理大臣が「働き方改革国会」と銘打った今の国会。政府・与党は働き方改革関連法案を最重要法案と位置づけて審議を進めました。

政府は当初、実際に働いた時間と関係無く、一定の時間働いたものとみなして賃金を支払う裁量労働制の適用の拡大を盛り込む方針でした。

しかし、法案作成の過程で使用された厚生労働省の調査に不備があることが発覚し、誤りと見られるデータが相次いで見つかりました。このため、政府は、法案からの削除を余儀なくされました。

一方、高収入の一部専門職を対象に、働いた時間ではなく成果で評価するとして労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度について、政府は「多様な働き方の実現に必要な制度だ」と主張。立憲民主党や国民民主党、共産党などは「長時間労働を助長し、過労死につながる」と真っ向から対立しました。

法案の審議は、衆議院では33時間余り、参議院では衆議院を上回るおよそ37時間行われ、28日に参議院厚生労働委員会で可決されたのを受けて、29日の参議院本会議で採決が行われました。
その結果、自民・公明両党と日本維新の会、希望の党などの賛成多数で可決され、成立しました。

安倍首相「働く人の目線で改革推進」

働き方改革関連法が成立したことについて、安倍総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し、「70年ぶりの大改革だ。長時間労働を是正をしていく、非正規という言葉を一掃していく、そして子育て、あるいは介護をしながら働くことができるよう多様な働き方を可能にする法制度が制定されたと思っている」と述べました。

そのうえで、「これからも働く人々の目線に立って改革を進めていきたい。もちろん国会でさまざまなご議論があったがこれを受け止めながら、そういう視点に立って改革を進めていきたい」と述べました。

加藤厚労相「周知や啓発に取り組む」

加藤厚生労働大臣は記者団に対し、「一億総活躍社会の実現に向けた最大の挑戦が働き方改革だ。成長と分配の好循環を回し、より活力のある国にしていきたい。省令やガイドラインをできるだけ早く整備し、理解を深めてもらうべく、周知や啓発に取り組みたい」と述べました。

自民 岸田政調会長「柔軟な働き方を」

自民党の岸田政務調査会長は記者会見で、「日本人の働き方を変える大きな一歩になる。働く人たちがそれぞれの事情に応じて柔軟な働き方ができる社会を実現していきたい。高度プロフェッショナル制度は健康の確保を大前提に意欲や能力に応じて効率的に働くことができる環境を整備する意味があり、付帯決議に留意しながら行政の取り組みをしっかり注視していきたい」と述べました。

公明 井上幹事長「政府は懸念の払拭を」

公明党の井上幹事長は記者会見で、「安倍総理大臣が『働き方改革国会』と位置づけたように、労働法制の70年ぶりの大改正であり、これからの働き方が大きく変わる。高度プロフェッショナル制度にはいろいろな懸念が寄せられているが、付帯決議に労働基準監督署が監督・指導をきちんと行うことも盛り込まれており、政府は、課題にしっかり取り組み、懸念を払拭(ふっしょく)してもらいたい」と述べました。

立民 蓮舫参院幹事長「数で押し切られ悔しい」

立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は記者団に対し、「いとも簡単にあっさり採決されたことは非常に残念だ。まだまだ審議しなければならない課題があることが明確になったにもかかわらず、数の力で押し切られ、本当に悔しい。働く人たちの生活にどのような影響が出るのか常にチェックし、必要であれば対案を提出したい」と述べました。

国民 舟山参院国対委員長「付帯決議は成果」

国民民主党の舟山参議院国会対策委員長は記者会見で、「高度プロフェッショナル制度は過労死のおそれがあり、最後まで廃案を求めたが、力不足をおわびしなければならないし、大変悔しい思いだ。一方で、付帯決議を勝ち取ることができたのは、数の少ない野党ができることとしては、最大限の成果だったのではないか」と述べました。

共産 笠井政策委員長「高プロ制度廃止目指す」

共産党の笠井政策委員長は記者会見で、「『働かせ方改悪』の強行は、断じて許されない。高度プロフェッショナル制度については労働団体も反対しており、野党も連携して反対してきた。今後、世論と連携しながら廃止に追い込むための国会での戦いを急速に強めて、廃止を実現したい」と述べました。

経済界「改革の第一歩」

経団連の中西会長は「創造性を発揮できる環境整備や長時間労働の是正は喫緊の課題であり、法律の成立を評価する。働きがいと生産性を向上させ、イノベーションを生み出す働き方改革の実現に向け、経済界としても取り組みを加速したい」というコメントを出しました。

日本商工会議所の三村会頭は「人手不足が最大の経営課題となっている中小企業にとって、働き方改革は人材確保に向けた1丁目1番地だが、取り組みにはかなりの時間と負担を要する。政府には法律の成立を契機として、働き方改革に取り組む中小企業を支援するよう期待する」とコメントしています。

また、経済同友会の小林代表幹事は「働き手の健康への配慮や日本の生産性向上に向けた改革の第一歩が踏み出されたことを歓迎する。民間企業が率先して実行することに加え、国家公務員の長時間労働是正や創造的な働き方など日本全体で一丸となって取り組みを強化する必要がある」というコメントを出しました。

過労死遺族が採決見守る

参議院本会議場には、過労死で家族を亡くした人たちで作る「全国過労死を考える家族の会」のメンバーや、3年前、過労のため自殺した高橋まつりさんの母親の幸美さんらが訪れ、採決の様子を見守りました。

情報源:働き方改革関連法 賛成多数で可決・成立 | NHKニュース


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