メディアで話題「大人の発達障害」。中年になるまで自覚がない人も…その症状とは? | 日刊SPA!

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かつては未成年の問題だと思われてきた発達障害が、「大人の問題」として急速に認知され始めている。メディアでの露出も増え、自分や周りの人間に対して「実はそうなのかも」と思った人もいるのではないか。果たして「大人の発達障害」を抱える社会人たちの現状とはどんなものなのか。生きづらさを抱える大人たちの姿に迫った。

◆仕事でミスばかりなのは生まれつきの脳の特性?

昨年から「発達障害ブーム」と呼べる現象が起きている。NHKでは何度も特集が組まれ、ネットでは発達障害の傾向を自己診断できるチェックリストもよく見かける。

では、そもそも大人の発達障害とはどのような症状なのだろうか。発達障害当事者の取材を行っているライターの姫野桂氏が解説する。

「一言でいえば、発達障害は先天性の脳の特性により『できること/できないこと』に偏りがある障害です。主に3つの種類があって、独特なマイルールがあったりコミュニケーションに問題が生じる『ASD(自閉スペクトラム症)』、衝動的な言動や不注意などが目立つ『ADHD(注意欠陥・多動性障害)」、知的に問題はないのに読み書きや計算が困難な『LD(学習障害)』です。しかし、人によって上記の症状が交ざって出たりするため、“ここからが発達障害で、ここからは定型発達(健常者)”という線引きが難しく、専門医でもハッキリ診断できないんです」

誤解されがちだが、発達障害は成人後に突然なるのではなく「幼少時から抱えていた問題が大人になって露見した」ものだ。つまり、これまではただ単に「仕事ができない人」と片付けられてしまっていた人が、そもそも周囲とはスタート地点が違うのだと、改めて認知され始めたということになる。

また、ここ数年は発達障害であることをカミングアウトする芸能人がいたり、堀江貴文のヒット本から「多動力」という言葉が話題になったり(多動症はADHDの代表的な症状)。さらにビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズも発達障害の傾向を指摘されている。

「そういったカリスマ経営者になぞらえて『発達障害=すごい才能の持ち主』という認識すら広まっています。確かにその側面もあるでしょうが、あくまでごく一部の話で、圧倒的多数の人たちは日々の職場で苦しんでいるわけです」

そう分析するのは、産業医として多くの会社員を診察する大室正志氏だ。他人がすぐにできるようになる仕事ができず、職場でのコミュニケーション上の問題が生じ、「その結果、職場にいられなくなってしまうケースも少なくない」という。一説には成人の1割が該当するというデータもあり、それなりの規模の会社ならば、どこにでも発達障害の人がいておかしくはないはずだ。

◆発達障害の当事者が多い会社には共通点がある

また、会社の社風や業種によっても、社内の発達障害者の割合や扱い自体が変わるという。

「PCに向かう作業が多いIT業界や、研究に没頭できる研究職にはASD傾向の人が多いです。ただ、それでも仕事内容には問題ない。発達障害の人にはコミュニケーション力は乏しくても、特定ジャンルならすごく能力を発揮する人も少なくないからです。実際に、スタートアップ企業などでは『一芸に秀でた人材ばかりを集めたら、結果的に発達障害の人ばかりになった』なんて話も聞きますから」

では、発達障害の人がそれを自覚したり周囲から指摘されたりするのはどういったきっかけなのか。

「周囲に露見するのは大きく2つのパターンがあります。ひとつ目は、新卒入社時にあまりに仕事覚えが悪くて周囲が気づくパターン。もうひとつは、管理職となり部下への指導などで今まで以上にコミュニケーションが必要な立ち場になった際に気づくパターン。そもそも発達障害の人は自覚がないことも多いので、中年まで気づかなかった人は後者だと思います」

週刊SPA!が発達障害の当事者(自覚症状がある“グレーゾーン”の人たちも含む)300人にとったアンケートでも、やはり「仕事のミスが続いたから」という人は多い(Q1)。ただ、最多は「メディアの情報で気づいた」という声だ。

「これまでの取材でも、テレビやネットで発達障害について知って専門医を訪ねる人はいました。寝坊したわけじゃないのに毎日遅刻する、仕事の納期を守れない、デリカシーのない発言で空気を壊してしまう。そう悩んでいた人が『これは発達障害ではないのか?』と気づき始めているんです」(姫野氏)

Q1「発達障害」だと気づいたきっかけは?

(複数回答可)

1 メディアの情報で「自分も?」と思った 158人

2 いくら注意しても仕事のミスが続いたから 148人

3 友達などと接していて、ずっと違和感があった 122人

4 昔から人間関係でトラブルを起こしやすい 116人

5 妻や親など家族から指摘された 37人

6 上司や同僚から指摘された 16人

7 子供の頃から発達障害だと診断されている 10人

あなたは大丈夫?「大人の発達障害」の代表的な症状

●ASD(自閉スペクトラム症)

・人を不快にさせる言葉を無意識に使ってしまう

・客観的に自分を見られず、身だしなみに無頓着

・何かに集中しすぎてほかの約束事を忘れる

・マルチタスクが苦手で、複数の仕事をこなせない

●ADHD(注意欠陥・多動性障害)

・人の話に集中できずによそ見や聞き逃しをする

・長期的な仕事が不得意で、なかなか業務を始めない

・仕事でケアレスミスや忘れ物を頻繁にする

・時間の管理が苦手で移動時間などを計算できない

●LD(学習障害)

・字の読み書きがうまくできず、転記や音読が困難

・計算がうまくできず、桁の大きい算数が解けない

【大室正志氏】

産業医。産業医実務研修センター、ジョンソン・エンド・ジョンソン統括産業医を経て現職。専門は産業医学実務。約30社の産業医業務に従事

【姫野 桂氏】

ライター。発達障害当事者を多く取材。著書『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害当事者じゃない人に伝えたい当事者の本音』が8月発売

※週刊SPA!6月19日発売号「大人の発達障害」特集より

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