App Storeは独占禁止法に違反してる? 米最高裁の審議によってはIT業界に影響大 | ギズモード・ジャパン

ふむ・・・


Image: BigTunaOnline/Shutterstock.com
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どうなる、IT業界。

米最高裁判所は、現地時間で6月18日(月)、Apple(アップル)のApp Storeポリシーが独占禁止法違反にあたるか否かに関する訴訟を行なうかの審議をすることを決定しました。最高裁の判断しだいでは、Appleはもちろん、多くのIT企業に激震が走ることになります。

App Storeが独占禁止法に違反しているか否かについては、長く議論されている問題です。少々ややこしいので、噛み砕いていきましょう。

まずはApp Storeの仕組みから。2008年以降、iOSアプリ開発者は、Appleが提供するプラットフォームApp Storeを介してアプリをリリースしなければならないというポリシーが適用されています。リリースには、App Storeからの許可が必要ですよね。こうすることで、たとえば脱獄iPhoneユーザーなどが、アプリを入手できないようにする狙いもあります。App Storeで販売されるアプリの売上は、うち30%がAppleへ、70%が開発者へ入ります。

最初にApp Storeのシステムは独占禁止法違反だとして消費者団体がApple相手に訴訟を起こしたのは2011年のこと。この訴訟は棄却されるも、消費者から「独占禁止法に抵触しているのでは?」という声はたびたび挙がってきました。

2013年、カリフォルニア州の地方裁判所はAppleに軍配をあげ、独占禁止法には当たらないと判断。消費者団体は上訴し、サンフランシスコの第9巡回区控訴裁判所は反トラスト法を持ち出し地方裁判所の判決を覆しました。

そして今、最高裁判所の出番。ややこしいことにApple側は、消費者団体が反トラスト法をもって訴える権利はないと主張しており、訴訟そのものを否定。トランプ政権(司法省)はAppleを支持しており、最高裁判所に働きかけています。つまり、最高裁はApp Storeが独占禁止法に違反しているかどうかを判断する前に、裁判自体を行なうか審議しなければならないということです。

これを論じるためには、1977年のケース「Illinois Brick Doctrine」に触れるのが必要不可欠。これは、The Wiredの解説がわかりやすいです。たとえば、企業Aがパンの生産市場を独占しているとします。するとBさんが、企業Aのパンを使ったサンドイッチ屋さんでサンドイッチを購入しても、Bさんは企業Aを訴えることができないのです。企業Aのパン市場独占が、サンドイッチ屋さんの価格にどれほど影響を与えているかを図るのは困難であり、商品(サービス)の直接的な購入者しか相手を訴えらえないというルールなんですね。つまり、Bさんは企業Aのパンを直接購入するわけではないので、企業Aを反トラストだ独占禁止だと言えないのです。

もしくは、Appleは開発者からアプリを購入して再販売しているわけではありません。つまり、アプリの購入者はAppleの商品を直接購入しているわけではない、ゆえに反トラスト法で訴えらえるいわれはないとも。App Storeがショッピングモールなら、売上30%徴収は家賃のようなものなんだそう。

まぁ、両者それぞれ言い分はあるわけで。最高裁判所は、AppleがApp Storeの仕組みをもって市場を独占しているのか、商品を流通させるという立場のAppleがアプリ価格設定に影響を与えているか、あれこれ考えてそもそも訴訟自体が妥当なのかを判断せねばいかんのです。

最高裁の判決には、IT企業が大注目。だって、App Storeの仕組みがダメだとしたら、その他いろんな企業のサードパーティ参加のプラットフォームがダメってことになりますよね。あぁ、こりゃ大変なことになりますよ。

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Source: SCOTUS

Rhett Jones – Gizmodo US[原文

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