15歳藤井、最年少七段挑む 相手は「藤井キラー」一門:朝日新聞デジタル

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史上最年少記録の七段に挑む藤井聡太六段
史上最年少記録の七段に挑む藤井聡太六段

将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)六段(15)が18日、勝てば七段昇段が決まる対局に臨む。実現すれば、15歳9カ月での七段昇段は史上最年少記録となる。

七段昇段のかかる対局は18日午前10時から、大阪市福島区の関西将棋会館で指される。第31期竜王戦(読売新聞社主催)のランキング戦5組の準決勝で、船江恒平(ふなえこうへい)六段(31)と戦う。

竜王戦のランキング戦は、本戦(決勝トーナメント)に出場する棋士を決める予選にあたり、最上位の1組から6組まである。

「史上最年少七段昇段に王手!」。こう銘打って本局を生中継するのはCS放送「囲碁・将棋チャンネル」と、インターネット会員サービス「将棋プレミアム」だ。日本将棋連盟幹部も「この日は相当数の報道陣が集まるはず」とみる。

これまで中学在学中にプロになった棋士たちが七段に昇ったときの年齢をみると、加藤一二三(ひふみ)・九段(78)が17歳3カ月、谷川浩司九段(56)が18歳11カ月、羽生善治(はぶよしはる)竜王(47)が20歳0カ月、渡辺明棋王(34)が21歳5カ月。昔と比べて昇段規定が増え、2007年11月から「昇段は、昇段規定の条件を満たした日付」になるなど(それ以前は、条件を満たしても4月1日付など区切りの日に昇段していた)、藤井六段に有利な面はある。それでも、15歳9カ月での七段昇段は、記録を大きく塗り替えることになる。

藤井六段は2016年10月1日付で四段となってプロデビュー。今年2月1日付で、名人戦・順位戦C級2組で9連勝を決め、C級1組への昇級を確定させて五段に昇段した。さらに、2月17日に開かれた朝日杯将棋オープン戦では優勝し、一気に六段へと駆け上がった。プロ入り後の藤井六段の通算成績は、計87対局で75勝12敗。勝率は8割6分2厘だ。

七段への昇段条件は、名人戦・順位戦でB級1組に昇級▽六段昇段後、公式戦150勝▽タイトル(名人、竜王以外)1期獲得などだが、藤井六段の場合は「竜王ランキング戦で連続昇級」という条件に該当する。

五段だった期間は実質16日間。五段の肩書の付いたグッズを制作する時間もなかったほどのスピード昇段だった。今年5月3日、「六段」の肩書の扇子が大阪と東京で発売されたが、直前にネットで告知しただけなのに、販売予定数がすぐ売り切れた。社会現象でもある「藤井フィーバー」は、ますます過熱しそうだ。

「意識してないが…」

対戦相手の船江六段は、井上慶太九段(54)門下だ。井上九段の弟子には3人のプロ棋士がいるが、そのうちの菅井竜也(すがいたつや)王位(26)と稲葉陽(いなばあきら)八段(29)は、公式戦で藤井六段に負けていない。そして井上九段も、藤井六段に公式戦で勝った最年長棋士だ。船江六段は「藤井キラー」とも言える井上一門の最後の刺客的な存在で、「師匠の勝利に勇気をもらった。私も続きたい」と気合が入る。

井上九段の地元・兵庫県加古川市で今月6日、将棋ファンらを集めたパーティーが開かれた。スピーチで菅井王位は「藤井聡太さんのおかげで将棋ブームとなり、どこに行っても藤井君の話になるんですが、個人的には、あまり気持ちが良いものではありません。藤井君より自分が強いということを皆さんに知ってもらいたい」。井上九段の兄弟子の谷川九段も壇上で「メディアの方や一般の方が藤井六段を褒めるのは良いのですが、(真剣勝負で競う)棋士仲間まで応援してはいけない。菅井王位の言葉は心強い。20代の棋士にとんがったことを言ってもらわないと面白くない」とスピーチ。温厚な船江六段も「棋士人生の中で一番注目される将棋。注目されるのはうれしいですが、勝たないと意味が無い」と決意を述べた。

今月4日、大阪市内であった森信雄七段(66)一門のパーティーでは、糸谷哲郎(いとだにてつろう)八段(29)が「藤井六段に対して森門下は11連敗で、うち1敗は私。井上門下は3連勝。どうやって勝つのか、聞かなきゃいけませんね」とスピーチ。森門下は、ベストセラーとなった「聖(さとし)の青春」で知られる故村山聖九段(1969~98)ら有力棋士が輩出する関西の一大勢力だ。井上門下の対藤井六段の戦績は、注目されている。

一方の藤井六段も、4月の対局後のインタビューでは「昇段は意識していません」と答えつつ、「竜王戦の本戦に進みたい」と思いを語った。両者とも負けられない一戦となる。

また、その後は、屋敷伸之(やしきのぶゆき)九段(46)が保持するタイトル戦の最年少記録を、藤井六段が更新できるかどうかが注目されそうだ。タイトル挑戦の最年少記録は17歳10カ月(将棋年鑑によると17歳11カ月)、タイトル獲得の最年少記録は18歳6カ月。藤井六段が今、挑戦権に最も迫っているのが、第66期王座戦(日本経済新聞社主催)。藤井六段は16棋士による挑戦者決定トーナメントに勝ち上がり、初戦の屋敷九段にも勝利。挑戦権獲得まで残り3勝だ。挑戦者になれば、秋ごろ、中村太地(たいち)王座(29)に五番勝負を挑むことになる。(佐藤圭司)

情報源:15歳藤井、最年少七段挑む 相手は「藤井キラー」一門:朝日新聞デジタル



第31期 竜王戦【5組】ランキング戦 船江恒平六段 対 藤井聡太六段 | AbemaTV(アベマTV)


そろそろ、井上一門に対して勝ち星が欲しいところ。