ボーダフォンが月面にLTE基地局を設置、月からインスタできる日がやってくるかも:山根博士のスマホよもやま話 – Engadget 日本版

ほぉ・・・


個人の宇宙旅行実現はまだまだ先というのに、ボーダフォンはなんと月面にLTE基地局を敷設する予定です。2019年に民間資本の科学者たちによる「PTScientists」が打ち上げる月面探索機の通信手段として、ノキアと協業して開発する小型基地局が一緒にロケットに積み込まれます。宇宙空間でのLTE通信はもちろん世界初、いや宇宙初となります。

月面の探索はアウディー製のローバー「Audi Lunar Quattro」2台が使用されます。重量は約30Kgと軽量に仕上げられていますが、地球へデータを飛ばすための無線機を搭載することができません。そこで月面にLTEの基地局を立て、ローバーに搭載したLTE端末からLTE通信でデータを飛ばし、さらにそこから地球へデータを送るというシステムが組まれるとのこと。

月面LTEに利用される周波数は1800MHz、Band 3です。月面には携帯電話の電波は飛んでいないためにどの電波でも利用できそうですし、障害物の少ない月面なので900MHzあたりでもよさそうですが、月面反射通信の影響や、諸々の条件を考慮してこの周波数が選ばれたのかもしれません。

通信速度は100Mbpsから1Gbpsになるとのこと。LTEでのギガビット通信は最近になって端末側もサポートする製品が出てきましたが、月面でもさっそくこの高速通信環境を利用しようとしています。なお月と地球との間の通信速度は2013年にNASAのLLCD(月レーザー光通信実証実験)で622Mbpsを記録しています。月と地球の距離によるタイムラグはありますが、ローバーが撮影した写真や動画を即座に地球へ送信することもできそうです。PTScientistsは月面探索中のライブ配信も考えているとのこと。

今回の月面LTEネットワークで、基地局が何基設置されるかは不明です。2台のローバーが見通しのきく範囲を動くだけなら1基だけなのかもしれません。なお基地局はノキアの子会社となったベル研究所がわずか1Kgで宇宙でも利用できるという超小型のネットワーク設備を開発します。この軽量な基地局はいずれ地球でも応用展開される可能性もありますから、今回のテストは月面探索の枠を超え、ネットワーク設備の技術進歩にも大きな貢献をしてくれるはずです。

個人的な興味としては、ローバーに搭載される端末にはSIMカードが搭載されるのか(おそらくM2M用途ですし物理的なトラブルを避けるためeSIMでしょう)、モバイルネットワークコード(MNC)はどのような番号が割り当てられるのか、そして月のモバイルカントリーコード(MCC)はどうなるのか、などが気になります。スマホ1台持って月のそばまで飛んで、ネットワークサーチしてみる、なんてことが気軽にできないのが残念です。

2019年といえば各国で5Gの商用サービスが始まりますが、月面の4G開始も大きな話題になりそうです。

情報源:ボーダフォンが月面にLTE基地局を設置、月からインスタできる日がやってくるかも:山根博士のスマホよもやま話 – Engadget 日本版


Vodafone、懐かしいな・・・