ソニー新CEOは「真面目一辺倒」 楽しさのDNA、継承なるか (1/4ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)

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13年ぶりに復活したソニーの犬型エンターテインメントロボット「aibo(アイボ)」はソニー復権を象徴する(AP)
13年ぶりに復活したソニーの犬型エンターテインメントロボット「aibo(アイボ)」はソニー復権を象徴する(AP)

ソニーの吉田憲一郎社長兼最高経営責任者(CEO)が1日付で就任した。思い切った事業再編で業績を急回復させた前最高財務責任者(CFO)としての手腕には定評がある。しかし、夢や楽しさを追い求めるソニーのDNAを引き継ぐことができるかは未知数だ。

株価チェック怠らず

2014年4月にCFOに就任、平井一夫前社長の下でパソコン事業の売却やテレビ事業の分社化など構造改革を断行した。18年3月期の連結営業利益は7200億円と20年ぶりの最高を見込む。2月の社長交代会見では「多様性を強みにしていけるかが課題。より良いソニーを作るため経営チーム、社員とともに取り組む」と語った。

かつてウォークマンやトリニトロンなど技術で世界を席巻したソニー。しかし革新的な製品を創出できない中、金融から半導体、ゲーム、映画まで扱う複合企業に変化した。ブランド調査を手掛けるインターブランドによると、ソニーの世界ランキングは低下を続け17年は61位。米アップル(1位)や米グーグル(2位)との差は大きい。

吉田氏の数字に対する意識の高さは社内でも有名だ。常に株価のチェックを怠らず、社内会議では必ず時価総額の話をする姿が印象的だという。ソニーの株価は過去4年で1500円台から5000円超にまで回復した。エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは「数字に基づいた論理的な経営」に期待すると話す。

吉田氏は東大卒業後の1983年、ソニーに入社。米国駐在や証券業務部を経験し、出井伸之社長時代に始めた若手主体の勉強会への参加を経て、1998年社長室長に抜擢(ばってき)された。2000年に子会社(旧ソネット)に出向し、社長に就任した05年には新規株式公開(IPO)を実現(後12年に非公開化)させた功績を持つ。

ソニー株を保有するオアシス・マネジメント(香港)の紫垣拓也アナリストは、今回のCEO交代を多くの投資家は「非常にフェイバーに受け止めていると思う」と分析する。CFOとしては厳しかった吉田氏について、旧ソネットで部下だった人物は、イノベーションを起こすタイプではないが、若手の発案にもよく耳を傾けたと明かす。

CFOからのCEO昇格は経営再建の場などで目立つが、吉田氏は好業績の中で登板する。コンサルティング会社ghSMARTのエレーナ・ボテルホ氏は、「過去の成功が未来の成功につながるとは限らない」と話す。ただ「キャッシュが余れば成長のために積極的なM&A(企業の合併・買収)をするかもしれない」とみる。

ものづくりへの愛は

今後の経営のかじ取りをめぐり、吉田氏の現場経験の少なさを不安視する声もある。特にソニーの根幹ともいえるエレクトロニクス事業や稼ぎ頭のゲーム事業で現場経験がなく、長年ソニーを取材してきた作家の立石泰則氏は「吉田さんはものづくりへの愛着がないし、ビジョンも見えない」と将来を案じる。

かつてウォークマンが生まれたのは、創業者の井深大氏が海外出張時に持ち運びやすい再生機能付きのテープレコーダーを事業部に要望したのがきっかけだった。最近では、本業とは畑違いのソニー・ミュージックエンタテインメントの社員らが発案・開発したスマホゲームが収益拡大に大きく貢献している。

吉田氏の社長就任後の最初の大仕事は、今年度からの新たな中期経営計画の策定となる。例えば、今後の収益の鍵を握る半導体事業への投資や、CFO時代は抑制していたエレクトロニクス事業の設備投資についても、描くべき将来の成長シナリオに沿った方向転換が求められる。

無数の製品と8事業を有するコングロマリットのトップとして、今後の挑戦は多岐にわたり、経営判断の重みも増してくる。今後のミッションとしては(1)イメージセンサー事業では韓国サムスン電子の先を維持するための投資戦略(2)音楽事業ではEMIミュージック・パブリッシングの過半数株式の確保に向けた協議(3)プレイステーション(PS)4の後継機で来年にも発売が噂されるPS5への対応-の3つが考えられる。

マッコーリー証券のダミアン・トン氏は「今のソニーはキャッシュフロー(現金収支)が潤沢なのでリスクを取ることができる」と述べ、成長事業に積極的に投資できるかが先行きを大きく左右するとみている。

世界でブランド力を再び高めるには「ソニーの顔」としてプレゼンスを増すことも重要だ。ソニーの社員らは、平井氏だけでなく、ハワード・ストリンガー氏や出井氏ら歴代トップはカリスマ性を備え、プレゼン能力にもたけていたと口をそろえる。

社員から「真面目一辺倒」と評される吉田氏。株式や債券の投資家をはじめ製品サービスの利用者など、ステークホルダー(利害関係者)から与えられたミッションは少なくない。(ブルームバーグ Yuki Furukawa、Yuji Nakamura)

情報源:ソニー新CEOは「真面目一辺倒」 楽しさのDNA、継承なるか (1/4ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)


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