PTAってなんだかな~ 強制的だから「いやいや」に:朝日新聞デジタル

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入会のあり方を考えるワークショップでは、入会届についてだけでなく、活動の負担感や変えることの難しさなど話題が多岐にわたった=東京都新宿区
入会のあり方を考えるワークショップでは、入会届についてだけでなく、活動の負担感や変えることの難しさなど話題が多岐にわたった=東京都新宿区

新年度になりました。学校のPTAも新しい加入者を迎える時期です。本来は入退会自由。でも、入るときに意思確認がなかったり、半ば強制的だったりするケースもあり、保護者からは疑問視する声も出ています。

東京都内の女性(47)は昨年12月、次女が今春入学予定の中学校のPTAから「加入についてのお願い」という文書と「加入同意書」を受け取った。同意書には「原則全保護者に加入していただく」と記載されていた。

1月に開かれた新入生向けの学校説明会では、この加入同意書と引き換えにする形で、学校説明の資料が渡された。PTAの会長は、簡単に活動内容を説明した後、「入学式の写真撮影の後で役員決めをするので心づもりを」と呼びかけた。女性は、手を挙げて「入退会は自由のはずです」と訴えたが、近くに座っていた女性から「そんなの個別にやりなさいよ」とたしなめられた。

散会後、女性に近づいてきた会長は、PTAの重要性を説き、「あなたもお母さんなんだから」と繰り返した。

女性は、PTA活動とは関係ない学校の図書館の手伝いや猫を保護するボランティアをしている。活動は楽しく、仲間ともいい関係だ。「やりたい人が自発的にやるから、みんなが楽しくできる。PTAは強制的だから『いやいや』になってしまう」と感じている。

意義が分かる活動を

PTAは、保護者と教師を会員とする団体。活動内容は学校によって異なるが、学校行事を手伝ったり、広報紙をつくったりと学校をサポートする役割も担う。設置や加入を義務付ける法律はないが、「全員参加」を呼びかけ、事実上の「強制加入」になっているケースが多い。

2月下旬、こうしたPTAの入会のあり方を考えるワークショップが都内で開かれた。主催した生活協同組合パルシステム東京が、生きづらさの解消や社会の仕組みを改善する取り組みの一環として、8年ほど前から企画している。この日は小学校から高校までのPTA経験者が、会員、非会員、役員などそれぞれの立場で意見を交わした。

参加者からは、「入会届が自分の意思を表す一番の方法」「『入って当たり前』でPTAの必要性を考えないことが、組織を悪くしているのではないか」と、入会の意思確認の必要性を指摘する声が相次いだ。

現在は加入していないという女性は、役員の押し付け合いや役員決めのくじ引きを小学校で体験し、PTAのあり方に疑問を抱いていた。入退会自由だと知って、中学校では入会しなかったが、校長からは会費を払うよう促されたという。「賛同できない組織に入りたくなかったので後悔はしていないが、子どもが学校で嫌な思いをしないかという不安はずっとあった」

役員経験者の女性は、「一度退会しようと思ったことがあるが、退会した人が学校に呼び出されたり、周りから非難されたりと苦労していたので諦めた」と打ち明けた。運営方法を改善したかったが、異論を唱えにくい雰囲気があったという。「ゆるく付き合うのが一番楽。でも、おかしいことをそのままにはしたくない」と話す。

別の役員経験者の女性は、積極的な人とそうでない人との意識の差を指摘した。「やる気のある人たちは、『自分たちはやってるんだぞ』という姿勢で、消極的な人には『意識が低い』『尻たたかなきゃ』という態度。積極的でない人にも参加する意義が見いだせる活動にしなければいけない」と話した。

運営、改善の動きも

改善に向けた動きも出始めている。埼玉県教育局は昨年1月、小中学校の管理職向けに「PTA活動を円滑に推進するための留意事項について」という文書を配った。

文書では「入会は任意であることを保護者に周知している」「PTA会員ではない保護者の児童生徒に対しても教育的配慮をしている」など4項目のチェックリストを提示。「PTAへの入退会の自由」の根拠となる「結社の自由」を定めた憲法の抜粋、負担を軽減したPTAの事例なども紹介している。

県教育局家庭地域連携課によると、県民からのPTAに関する問い合わせは、学校説明会やPTA総会が開かれる2~5月に増える。とりわけ強制加入への苦情が多いという。担当者は「現場で、PTAや保護者の対応をしている学校の管理職の先生たちに、参考資料として活用してほしい」と話している。

現場も変わりつつあるようだ。埼玉県内の小学校に今春、子どもが入学する保護者(46)は、2月の学校説明会に出て驚いた。「PTAの活動は制度として義務付けられたものではありません」「決して強制ではなく、各ご家庭のご事情に配慮したい」。上の子もこの学校に通い、かつては「6年間で一度は役員を」など強制的な空気があったため、想像していた内容とは正反対だった。入退会は保護者の自由であること、非会員の子どもに配慮することも説明された。

この保護者は、「PTAが入退会自由を明確にしたことで、自主性が喚起され、活動に参加したいという気持ちになった」と話す。(田中聡子)

埼玉県教育局が挙げるPTA運営で気をつけるポイント

○入会は任意であることを保護者に周知しているか

○加入方法や会費の徴収方法等を事前に周知しているか

○会員ではない保護者の児童生徒に対しても教育的配慮をしているか

○役員選定の方法を事前に説明し、各保護者の事情に十分に配慮しているか

情報源:PTAってなんだかな~ 強制的だから「いやいや」に(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース

情報源:PTAってなんだかな~ 強制的だから「いやいや」に:朝日新聞デジタル


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