環境技術研究所の開発センターでは、1年で出荷ベースで重さ約1キロのヒラメが養殖できる=前橋市(久保まりな撮影)

打倒「近大マグロ」! 海なし県・群馬が挑む「前橋ヒラメ」養殖

ふむ・・・


「海なし県」の群馬で高級海水魚、ヒラメの活魚を養殖し、食べられる-。そんな夢を実現させたベンチャー企業がある。前橋市の環境技術研究所だ。海水を注ぎ足さず水を循環させるシステムを開発し、1年間いつでもヒラメを出荷できるようになった。現在、年間約800匹を市内の飲食店などに出荷している。世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した「近大マグロ」に対抗する「前橋ヒラメ」は誕生するか-。(前橋支局 久保まりな)

環境技術研究所の開発センターでは、1年で出荷ベースで重さ約1キロのヒラメが養殖できる=前橋市(久保まりな撮影)
環境技術研究所の開発センターでは、1年で出荷ベースで重さ約1キロのヒラメが養殖できる=前橋市(久保まりな撮影)

日曜大工で作れる設備

前橋市六供町の同社開発センター。断熱材が貼られ太陽光を遮った施設内には、アクリル板を接着させた手作りの水槽が並び、畳1畳分ほどの水槽の底にヒラメ約150匹が重なり合う。

大がかりな機械は一切なく、ポンプや水槽などすべて日曜大工で作れるような手軽なものばかりだ。

現在、同センターでは1年間いつ注文が来ても出荷できるよう、時期をずらしてヒラメを飼育し、年間約800匹を市内の飲食店などに出荷している。

環境技術研究所の嶋田大和社長。本業の建設コンサルタントに加え、陸上養殖でもビジネスの可能性を生み出している(久保まりな撮影)
環境技術研究所の嶋田大和社長。本業の建設コンサルタントに加え、陸上養殖でもビジネスの可能性を生み出している(久保まりな撮影)

海水を濾過して循環

同社は嶋田大和社長と、大学の同級生で前橋工科大学の梅津剛准教授が平成13年に立ち上げたベンチャー。もともとは、梅津准教授の研究分野の流体力学を生かし、いかに水をきれいにして魚を長生きさせるかという課題の解決を目指す水質浄化装置の開発に励んでいたが、魚の養殖にも手を伸ばした。

海水魚の養殖は一般的に、海の近くにいけすを作り、海水を循環させて行うことがほとんどで、ヒラメも例外ではない。ただ、水揚げ量が、赤潮や台風など天候に左右されやすく、一部魚種では安定供給できる陸上養殖も行われてきたが、大量の海水が必要になるなどの課題があった。

そこで同社が開発したのが、水槽内の海水をきれいにして循環をさせる水替え不要の循環システムだ。水槽に入れた炭素繊維に付着した微生物に、アンモニアや有機物など水槽内の汚れを分解させ水質を維持。さらに、水を濾過(ろか)するなどして、きれいにし、水槽に戻している。

このシステムでは大量の海水が不要で、蒸発した分を塩と水道水で注ぎ足すだけで十分だという。海に面していない内陸県の群馬でも海水の輸送コストがかからないで済むのが最大の特長だ。

また、室内の施設で1年中、水温を一定に保てるメリットがあり、通常なら出荷できるまで1年半かかるところを、1年で稚魚から出荷ベースの全長45センチ、約1キロの大きさに成長させられる。新鮮なまま、市内の飲食店に届けられるのだ。

群馬県には海がない
群馬県には海がない

水族館にも応用できる

嶋田社長は、内陸県での養殖に「食料自給率40%を切った日本で、場所を選ばず海水魚の安定供給ができる。薬剤を使わないので安心安全」と意義を説明する。

ただ、嶋田社長には同社での養殖数を数千匹単位に増やす考えはない。むしろ、技術やノウハウを他の企業に移転するのが目的で、養殖の先に目指すのは、「地域活性化」だ。

「会社の片隅に置けば、新たな雇用の場が生まれる可能性があり、高齢者宅に置けば、魚の世話が生きがいになり、収入にもつながるかもしれない。医療費の削減にもなる」(嶋田社長)。

海なし県で新鮮な魚が食べられるだけではなく、このシステムを生かせば、手軽に水族館の設置も可能になるという。

「前橋の街中に水族館を」「釣った魚をその場で料理しててもらうとか、そういったアミューズメント施設があってもいい」「魚と一緒に泳げるプールもおもしろい」

嶋田社長の口からは次々とアイデアが飛び出す。

「皆には『また、ばかなことを』と言われるんですけど」と嶋田社長。今後は、システムのコスト低減や、販路拡大を図っていく予定で、近大マグロまでは届かなくとも、「前橋産ヒラメのブランド化もできたら」と意気込む。

今年2月からは、水流を必要とする「トラフグ」にも挑戦する。前橋が高級海水魚の養殖で有名になる日も“夢”じゃないかもしれない。

情報源:打倒「近大マグロ」! 海なし県・群馬が挑む「前橋ヒラメ」養殖 (産経新聞) – Yahoo!ニュース

情報源:打倒「近大マグロ」! 海なし県・群馬が挑む「前橋ヒラメ」養殖


ほぉ・・・

株式会社環境技術研究所(oo)