【関西の議論】琵琶湖からアユが消えた 昨年比10分の1…「45年漁師やってて初めて、最悪や」“異変”の正体は?(1/5ページ) – 産経WEST

マジかよ。


琵琶湖のアユがかつてない不漁に陥っている。昨秋にはアユの産卵量が平年値の倍以上観測され、今年初めからの漁でも豊漁が期待されたが、ふたを開けてみれば漁獲量は昨年の10分の1程度。深刻な事態を受けて滋賀県が原因を調査したところ、気候の影響で成育が遅れているらしいことがわかったが、他にも植物プランクトンの大量発生が影響している可能性も指摘され、原因の特定には至っていない。「早くなんとかしてほしい」。中には休業に追い込まれた漁師もおり、漁協関係者らはいらだちを募らせる。果たして、琵琶湖のアユはどこへ消えたのか。(江森梓)

大津市の堅田漁港で水揚げされるアユの稚魚「ヒウオ」=昨年12月

豊漁と思いきや…

「45年漁師をやっているけど、こんなことは初めて。最悪の事態や」

大津市でアユ漁を営む竹端五十夫さん(62)はこう嘆く。船を出してもアユがほとんど捕れないため、アユ漁を一時休業し、フナ漁に切り替えた。

「隣の漁師はまだ続けているけど、捕れても1回当たりに1~2キロ。船のガソリン代の方が高くついてしまっている。もうどうしようもない」

琵琶湖のアユ漁は毎年12月から始まり、年明けから本格化する。県漁連によると、今年は1~3月の琵琶湖の活アユ漁獲量が1051キロで、昨年同時期(1万2377キロ)の10分の1以下だった。

一方、県水産試験場が昨秋に琵琶湖周辺の主要な河川でアユの産卵状況を調べたところ、推計産卵数は平年値(106億粒)の倍以上の213.8億粒だった。このため一部関係者の間では、豊漁を期待する声も上がっていたのだが…。

沖合へ集中?

なぜこんな事態になったのか。同試験場は、アユの成育の遅れの可能性を指摘する。

3月中旬に沿岸の水深30メートル地点で行った通常調査では、アユは平年の3%程度の13群しか観測できず、過去最低だった。一方で、琵琶湖を東西に横断して沿岸と沖合をまんべんなく観測する調査では、昨年比1.2倍となる252群を観測した。

昨年は9月中旬まで雨が少なくアユの産卵環境がなかなか整わなかったとみられ、観測した卵の約8割は9月末から10月初めにかけて確認したものだった。これらは10月初めから中旬ごろに孵化(ふか)したとみられ、例年よりやや遅い。

アユは大きなものから沿岸部に移動して川へ遡上(そじょう)する習性があり、今年はアユの成育が遅れているため、沖合に偏って分布しているとみられるという。同試験場は、沿岸でまとまって漁獲され始めるのは4月以降になると推測する。

琵琶湖で大量発生した植物プランクトン「ミクラステリアス ハーディ」。アユの不漁に関係しているのか(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター提供)

琵琶湖の異常事態か

しかし他にも気がかりな要因がある。ある外来植物プランクトンが琵琶湖で大量発生しているのだ。

その名は「ミクラステリアス ハーディ」。オーストラリアやニュージーランドなどで生息が報告されているが、日本の湖沼では珍しい。県琵琶湖科学環境センターによると、琵琶湖では数年前から時々観察されるようになり、昨年11月から12月にかけては北湖中央部で前年の約10倍の量が観察された。

このプランクトンは全長160~180マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)。植物プランクトンの中でもかなり大きい部類で、アユの餌となる動物プランクトンのミジンコが餌とするには大きすぎるという。

そこで大量発生の結果、ミジンコの餌となる植物プランクトンが成育場所を奪われるなどして減少。その結果、ミジンコが繁殖せず、アユが減ったり成長が遅れたりする原因になっている可能性もあるという。

ただ、アユの体長と体重から算出される「肥満度」は例年並みで、単純に外来プランクトンの大量発生でアユの餌が不足したとは言い切れない。

というわけで原因はいまだ詳しく解明されず、対策もままならない状況だ。

「このままでは、琵琶湖の漁業が壊滅してしまう」「本当にアユは捕れるようになるのか。そもそも琵琶湖の沿岸の水質がアユに合わなくなってしまっているのではないか」「もはや完全に琵琶湖の生態系が狂ってしまったのではないか」

3月末に県がアユの不漁を受けて大津市内で開いた緊急対策会議では、漁協関係者から次々と不安の声が上がった。

アユの不漁を受けて今年3月に滋賀県が開いた緊急対策会議

県外にも不漁の余波

打撃を受けるのは、琵琶湖産のアユを河川に放流する漁業団体も同じだ。全国内水面漁業協同組合連合会によると、平成28年度の全国でのアユの放流量は計約844トンで、うち約171トンが琵琶湖産という。

琵琶湖産アユを放流している京都府宇治市の宇治川漁業協同組合は「例年並みの放流量が確保できるか心配」と不安を募らす。大阪府茨木市の安威川上流漁業組合も毎年行うアユのつかみ取りイベントに琵琶湖産を使用しており、角野一雄組合長は「今年も同じように使えるか、しばらく様子を見る必要がある」と話す。

滋賀県は原因究明に向けて今後も調査を続けた上で、人工河川への養殖魚の放流などの対策に乗り出す方針だ。

情報源: 【関西の議論】琵琶湖からアユが消えた 昨年比10分の1…「45年漁師やってて初めて、最悪や」“異変”の正体は?(1/5ページ) – 産経WEST

ふむ。