「引きずり下ろしません」 過剰予約、日本の対応は :日本経済新聞

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オーバーブッキング(過剰予約)によって乗客を引きずり下ろした問題で、米ユナイテッド航空への批判が相次いでいる。航空治安当局の係官が座席放棄を拒否した男性を強制的に退去させた動画は交流サイト(SNS)などを通じ、世界中に一気に広まった。米航空会社ではオーバーブッキングが頻繁に発生しているが、「おもてなしの国」といわれる日本ではどう対処しているのだろうか。

成田空港へ向かう米ユナイテッド航空機(6日、千葉県内)

■「協力金」当日なら1万円

日本の主な航空会社ではオーバーブッキング対策として「フレックストラベラー制度」を導入している。日本航空と全日本空輸では過剰予約による座席不足が国内線で発生した場合、予約便への搭乗を取りやめる顧客に「協力金」を支払う。当日便の振り替えなら1万円、翌日以降なら2万円とする。翌日以降の場合は協力金に加えて宿泊費なども航空会社が負担する。

今回の問題で機内から引きずり下ろされた男性は強制退去時に傷を負ったという。日本の航空各社からは「オーバーブッキングが原因で乗客を引きずり下ろすようなことはしない」との声が上がる。オーバーブッキングが発生したら「搭乗前のカウンターで顧客に協力を呼びかける」(スターフライヤー)など、事前の調整を徹底している。

そもそも、なぜオーバーブッキングは発生してしまうのか。航空会社は直前のキャンセルなどで空席が出るのを避けるため、一部の便では座席数を超える予約を受けることがある。便によって一定数のキャンセルが発生してしまうことを考えれば、収益面の安定を図るためには必要な戦略との見方がある。

国土交通省がまとめた資料によると、日本の主な航空会社8社のオーバーブッキングは2015年度に1万1550席だった。約8割が航空会社による別便への振り替えに応じたが、解決できなかった顧客は約1800人に上った。米国の約4万人に比べると少数にとどまるものの、日本でも自分の意志に反して搭乗を断念した顧客がおり、過剰予約は世界共通の問題だ。

少しでもオーバーブッキングを少なくするために、航空各社は実際に搭乗する客数やキャンセル率などを綿密に予測している。飛行機が向かう目的地や出発する曜日などによって需要は変わってくるため、「過去の実績をもとに予測の精度を高めるようにしている」(全日本空輸)。様々な施策が奏功し、主要会社8社の15年度のオーバーブッキングは前年度に比べて2割減った。

■「統計だけで予測は困難」

人工知能(AI)などを活用すれば搭乗率をもっと精緻に予測できるとの期待もかかる。しかし、航空経営論を専門とする東洋大学国際観光学部の島川崇教授は「統計システムだけで予測するのは難しく、営業担当が旅行会社と交渉するなど人による調整は今後も欠かせないだろう」と話す。日本の航空会社が米国と比べて過剰予約が少ないのは、「直前までの担当者の交渉が徹底されている」(島川氏)といった見方もある。

今回のユナイテッドのオーバーブッキングは同社の4人の従業員を他の空港に移動させるために発生した。「顧客を軽視している」ともとられかねない経営姿勢が批判に拍車をかけた。島川氏は「オーバーブッキングはあくまでも会社側のミスであり、当然と思って顧客に接することは間違い」と指摘する。オーバーブッキングの発生よりも、発生時の対応に顧客の信頼がかかっている。

(潟山美穂、池田将)

情報源: 「引きずり下ろしません」 過剰予約、日本の対応は  :日本経済新聞

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