ニコチンが統合失調症の原因となる脳活動障害を正常化することが明らかに – GIGAZINE

ほぉ・・・


By Franck Michel

ニコチンが統合失調症とも関連する遺伝学的に引き起こされる脳の活動障害を正常化する、という研究結果をコロラド大学ボルダー校の研究者が発表しました。この発見により、なぜたくさんタバコを吸う人がいるのかを解き明かすことにつながるかもしれません。

Nicotine reverses hypofrontality in animal models of addiction and schizophrenia : Nature Medicine : Nature Research
http://www.nature.com/nm/journal/vaop/ncurrent/full/nm.4274.html

Nicotine Normalizes Brain Activity Deficits That Are Key to Schizophrenia – Neuroscience News
http://neurosciencenews.com/schizophrenia-nicotine-brain-activity-5995/

世界中で約5100万人が苦しんでいると言われる統合失調症の新しい治療法となるかもしれない「非中毒性のニコチンを用いた治療方法」がサイエンス誌のNature Medicineで発表されました。コロラド大学ボルダー校の行動遺伝学研究所であるInstitute for Behavioral Genetics(IBG)で働く研究者であり、同研究に携わった人物でもあるジェリー・スティッツェル氏は、「我々の研究は、統合失調症において特定の遺伝子が原因となることを示すものであり、ニコチンが障害を改善するメカニズムを明らかにするものです」と語っています。なお、研究を主導したのはフランス・パリのパスツール研究所で研究員を務めるウベ・マスコス氏です。

By Ricardo Liberato

脳の前頭前皮質にあるニューロンの発火が減少する「hypofrontality」は、統合失調症の患者でみられる注意力・記憶力・判断力・口頭での説明に対する理解力の低下の根本的な原因であると考えられています。また、従来の遺伝子関連の研究により、「CHRNA5」と呼ばれる遺伝子に遺伝的変異を持つ人は、統合失調症を患う可能性が高いことが示されていました。しかし、そのメカニズムは不明なままでした。

そこで、今回の研究では「CHRNA5」に遺伝的変異を持つハツカネズミの脳を最先端の脳画像技術で観察し、「hypofrontality」が起こるかどうかを観察しました。研究では「CHRNA5」に遺伝的変異を持つハツカネズミの脳では「hypofrontality」が観察され、さらに、行動試験を通して統合失調症の症状も確認されています。そして複数の実験の結果、「CHRNA5」の遺伝的変異が「hypofrontality」を引き起こし、統合失調症において重要な役割を果たす可能性が高いことが明らかになりました。

さらに、統合失調症のハツカネズミに毎日ニコチンを摂取させたところ、不活発だったハツカネズミの脳の活動がニコチン投与からわずか2日で活発になり、さらに1週間ニコチンの投与を続けたところ、ハツカネズミの脳の活動は正常になったそうです。このことから、ニコチンが脳のニコチン受容体に作用することで、認知機能が正常に戻ることも明らかになっています。

By Ryan Mannie

そして、「CHRNA5」に遺伝的変異を持つ人々は、よくタバコを吸う傾向にあることも明らかになっています。また、統合失調症患者の80~90%が喫煙者であり、そのほとんどがヘビースモーカーとのこと。このことから、統合失調症の喫煙者たちは、ニコチンを摂取して脳の活動を正常にするためにタバコを吸うようになったのではないかと研究者たちは推測しています。

なお、研究チームによると「hypofrontality」は注意欠陥・多動性障害双極性障害のような精神状態と関係のあるものだそうで、最終的にはニコチンを用いた薬剤を開発して多方面で活用することを計画しているとのことです。

情報源: ニコチンが統合失調症の原因となる脳活動障害を正常化することが明らかに – GIGAZINE

マジかよ。