【ビジネス解読】「財閥」沈下、スワップ議論…韓国が官民挙げ、なりふり構わぬ「日本頼み」(1/5ページ) – 産経ニュース

日本から要請することはあり得ません。


韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の友人である崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件を受け朴大統領が任期満了前の辞意を表明し国政が混迷する中、政権と結びつきの強い財閥企業の“地盤沈下”も懸念されている。企業への手厚い政府支援がなくなるとの憶測が広がっているからだ。

さらに、米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利する「番狂わせ」で世界経済の先行きは不透明感が増している。既に、日韓の両政府は通貨交換(スワップ)協定再開の議論を進めているが、11月には両国の貿易機関も6年ぶりに協議会を開催。官民をあげた「なりふり構わぬ日本頼み」の真相は…。

国民向け談話を発表する韓国の朴槿恵大統領。任期満了前の辞意を表明し、国政が混乱する中で韓国は「日本頼み」を強めている=11月29日、ソウル(聯合=共同)
国民向け談話を発表する韓国の朴槿恵大統領。任期満了前の辞意を表明し、国政が混乱する中で韓国は「日本頼み」を強めている=11月29日、ソウル(聯合=共同)

6年ぶり

「たまに政治的に両国関係は難しくなるが、両機関の協力関係を構築していかないといけない」

日本貿易振興機構(JETRO)と6年ぶりの定期協議会に臨んだ大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の金宰弘(キム・ジェホン)社長は、JETROに“ラブコール”を送った。

これに応える形で、JETROの石毛博行理事長も「来日観光客は増えているが、貿易投資は潜在力に見合っておらず、両機関の発揮する役割は大きい」と述べた。

両機関は昭和42年に協議会の開催を始めたが、平成22年以降は両国関係の緊張から見送ってきた。40回目の今回は東京で催された。

金社長は「(韓国が)環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加に成功すれば、産業構造を補う関係を築いていきたい」と期待感を示した。

財閥企業の「没落」

両国の関係は「雪解け」にはほど遠いにもかかわらず、韓国の経済界が日本に秋波を送るのは、韓国企業全体の利益の4割を占める十大財閥を筆頭に巨大企業の収益性が伸び悩んでいるからだ。

中央日報(日本語版)によると、韓国経済新聞が韓国経済研究院と共同で過去6年間(2010~15年)の日米中韓各国の時価総額上位500社の収益性や成長性、安定性などを調べた結果、韓国では最大財閥サムスングループなど500社の15年の総売上高が前年比2.25%ダウン。減収はリーマン・ショック(08年)以降では初めてのことだ。

日米中各国の上位500社が増収を確保する中、かつて、世界のさまざまな産業で覇権を握った韓国企業の凋落(ちょうらく)ぶりがうかがえる。

サムスングループ中核企業のサムスン電子は、今夏発売した新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」が欠陥問題で生産停止に追い込まれ、7~9月期は大幅な減収減益を強いられた。

ロッテグループの重光昭夫(韓国名・辛東彬=シン・ドンビン)会長らは横領罪などで在宅起訴された。

朝鮮日報(日本語版)によると、現代自動車も世界的な景気低迷と労働組合のストライキなどの影響で7~9月期は減収減益。10月末の株式時価総額は約269億8000万ドル(約3兆円)と首位のトヨタ自動車の7分の1に過ぎず、世界の自動車メーカー10位圏から脱落した。

政局不安「追い打ち」

韓国の巨大企業は、税制優遇など手厚い国家支援で急成長を遂げてきた。ところが、こうした官民一体の経済活性化策にほころびが見えはじめてきた。

朴大統領友人の崔被告が私物化していたとされる2財団には、53社が計774億ウォン(約70億円)を拠出した事実が発覚。海運最大手の韓進(ハンジン)海運は、グループが財団への出資を渋った後に政府の支援を打ち切られ、経営破綻した。政権側の「見せしめだ」との噂がささやかれた。

しかし、不祥事発覚後の11月中旬、検察当局は、財団に出資していた現代グループの鄭夢九(チョン・モング)会長やサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長ら複数の企業幹部を一斉に参考人聴取した。国民の間には「政経の癒着」と糾弾する声が上がった。

さらに、崔被告ら3人と朴大統領の「共謀関係」を検察が認定した。19~29歳の支持率はついに「0%」となった。もはや、韓国政府は、経済対策どころではなくなったのかもしれない。

トランプ大統領は「リスク」

さらに、韓国の経済界は、「保護貿易主義」を唱えるトランプ次期米大統領の発言にも神経をとがらせている。

「トランプ氏の保護貿易主義で韓米の通商関係が悪化することも問題だが、米中の通商関係が悪化しても韓国の輸出は大きな衝撃を受ける」

朝鮮日報(日本語版)は、11月14日の社説でこう危機感をにじませた。トランプ氏は中国を「為替操作国」と主張。中国からの輸入品に45%の高率関税をかけるという公約を掲げた。

朝鮮日報は「韓国が中国に輸出する製品の70%は中間財。中国でそれを加工し、米国に輸出する構造」と指摘し、韓国の輸出は大きな衝撃を受けると論じた。

朝鮮日報は、「急務が山積している状況にもかかわらず、韓国には経済の司令塔すら存在しない。実に残念なことだ」と社説を結んだ。大統領と財閥企業の不祥事を糾弾する声は日増しに大きくなっている。

韓国は日本に通貨スワップ協定の再開を求め、日韓両政府の協議が進んでいる。韓国は将来の通貨危機を懸念しており、融資枠は500億ドル(約5兆円)規模の巨額になるとの観測も浮上している。

11月上旬の自民党の「外交・経済連携本部・国際情報検討委員会合同会議」では、出席した多くの議員から「韓国に甘すぎる」といった厳しい意見が続出したという。

さらに、日韓の貿易機関同士の協議も再開された。

JETROは「現段階で具体的な成果はない」と説明するが、韓国の官民をあげた「日本頼み」は強まっている。

しかし、韓国は自国の景気が回復すれば、日本を敵視しがちだ。

「恩をあだで返される恐れもある」

専門家がこう警鐘を鳴らすように、日本にはしたたかな交渉術が求められている。(藤原章裕)

情報源: 【ビジネス解読】「財閥」沈下、スワップ議論…韓国が官民挙げ、なりふり構わぬ「日本頼み」(1/5ページ) – 産経ニュース

韓国に存在しないもの「感謝」「敬う」。