「夜の生活は?」「脱がすぞ」“下ネタ全開部長”セクハラの法廷バトル…賠償 言葉は低額、身体接触は高額?:イザ!

男女逆だとどうなったんだろうな?


【衝撃事件の核心】

「おれの女になったら給料を上げてやる」。男性管理職から社内や無料通信アプリ「LINE(ライン)」で9カ月にわたってセクハラを受け続けた女性社員は、勤務先の会社と管理職に慰謝料など計約770万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こした。判決は徹底抗戦した管理職側の主張を退け、約57万円の支払いを命じた。今回は身体接触でなく言葉によるものだったが、セクハラ訴訟の賠償額は妥当なのか。

女性側が裁判に提出したLINEのやりとりなどから認定されたセクハラ被害。賠償額の妥当性は…

◆フラれた腹いせか

原告の女性は20代後半。平成26年8月、商用車の買い取り・販売会社に新入社員として入社し、九州支店に配属された。妻子を神戸に残して単身赴任していた部長からセクハラを受けるようになったのは、そのわずか2週間後だった。

判決などによると、9月8日、女性のLINEに「付き合って」「女として好き」とメッセージが届き、その後も「夜景見に行こう」などと誘われ続けた。女性は10月22日、LINEで「好きな人がいます」と伝えたが、部長は「ばか!」「あほ!」などと返信。セクハラは次第にエスカレートしていく。

11月に入ると、女性を自宅に連れ込み、「おれの女になったら役職とかつけて給料上げてやる」と宣言。業務時間中に「胸触らせろ」「脱がすぞ」といった性的発言も連発した。

27年4月、2人きりになった職場で「おれにもっと甘えろ」と迫り、6月には「お前がかわいいからそばに置いておきたい」と隣席への席替えを強いた。

◆「違和感」部長が反論

女性は6月30日以降、取締役に被害を直訴して休職。会社側が事実をきちんと調査せず、社長が部長に口頭注意する対応にとどまったことに失望し、8月に神戸地裁に提訴した。

会社側は当初争う姿勢を示したが、今年4月に100万円を支払う内容で女性と和解。これに対し、部長側は代理人弁護士を選任し、セクハラの意図はなかったと反論した。準備書面で性的発言などを事実と認めた上で「職場の雰囲気を明るくするための冗談。原告だけを対象にしたわけではない」とし、「原告は性的な冗談にも嫌そうな素振りを見せず、むしろ盛り上がっていた」と主張した。

「原告にセクハラを主張されることには違和感がある」とまで言及した陳述書も提出したが、代理人が7月に辞任した後は新たな代理人を選任せず、裁判の期日にも出廷しなかった。

9月の判決は部長側の主張をほぼ退け、女性側の勝訴を言い渡した。女性側が証拠提出したLINEなどからセクハラ被害の主張が信用できると指摘。「原告だけを対象にしたわけではない」とした部長の弁明を不法行為の成立を否定する事情にならないと断じ、執拗(しつよう)なセクハラ・パワハラがあったと認定した。

一方、慰謝料についてはキスをされたり体を触られたりする身体的被害がなく、大半が言葉によるセクハラだった点を重視。「権利侵害の程度がさほど大きくない言葉が多い」として女性が求めた600万円から50万円に大幅に減額し、弁護士費用などと合わせた約57万円の支払いを部長に命じ、確定した。

◆損害回復に疑問視

「言葉のセクハラは軽く、身体接触型のセクハラは重いという日本の一般的な認識が反映された判決だ」。セクハラ訴訟に詳しい山田秀雄弁護士(第二東京弁護士会)は指摘する。

大阪市港区の海遊館が男性管理職2人に対し、女性従業員へのセクハラ発言を理由に出勤停止とした処分を妥当とした昨年2月の最高裁判決を引き合いに「言葉のセクハラにも厳しい姿勢で臨む方向性が示されていただけに、原告女性の損害回復が十分でない印象を受ける」と疑問視した。

山田弁護士によると、日本でのセクハラの賠償額は100万~300万円の範囲が最も多い。近年はセクハラへの認識が厳しくなったため1千万円を超える賠償額も珍しくないが、慰謝料でなく、休職や転職に伴う逸失利益で高額化しているのが現状という。

山田弁護士は賠償額の妥当性について「米国のように億単位の賠償額は行き過ぎとしても、日本は女性の精神的苦痛を考慮すれば低すぎる」と語る。再考すべきか否か、幅広い議論が求められる。

情報源: 「夜の生活は?」「脱がすぞ」“下ネタ全開部長”セクハラの法廷バトル…賠償 言葉は低額、身体接触は高額?:イザ!

時代の差か、性別の差か・・・