【関西の議論】糖尿病ワースト3位・香川県、原因はやはりうどん? 炭水化物重ね食べ、早食い…県民の食習慣に“待った”(1/4ページ) – 産経WEST

うどんか・・・


うどん県・香川では、うどんにちなんだイベントや企画も盛りだくさん(写真は徳島県のスダチとのコラボ)。しかし、このうどん文化が糖尿病の多い一因ともいわれ、県は対策を進めている=平成26年9月、高松市

“うどん県”をアピールする香川県は、糖尿病による死亡者数が全国3位、患者数を示す受療率は同2位と“糖尿病ワースト県”としても知られる。糖尿病は肥満や食べ過ぎ、運動不足などが主な原因とされるが、国の調査によると香川県の場合、肥満度を示す体格指数BMIは全国8位、塩の摂取量は34位、1日の歩数は27位(いずれも男性)と突出して悪いわけではない。ではなぜ? 医療関係者は「うどんとおにぎりなど『炭水化物の重ね食べ』に加え、うどんの過剰摂取、早食いという県民の食習慣にあるのでは」と指摘。不名誉な結果は、やはりうどんの影響なのか。

“粉もん文化”に匹敵する“うどん県文化”の重ね食べ事情

香川県民のソウルフードといえばうどん。そのうどん店で、トッピングの天ぷらなどとともに欠かせないサイドメニューの定番が、おにぎりやいなりずしなどのご飯物だ。

うどん店の多くは、好きなトッピングや総菜を取って、レジに持っていくセルフ式で、おにぎりなどはレジのすぐ横に置いてある。高松市内にある人気店の女性店員(53)は「だいたい半分くらいのお客さんがおにぎりなどを買っていきますね」と話す。

こうした炭水化物の重ね食べは、お好み焼きやたこ焼きなど粉もんが好きな大阪でもよく見られるが、体にあまりよくないとされる。

大阪府が今年8月に発表した「大阪版健康・栄養調査」によると、「米・パンと麺(めん)類や粉もんを一緒にどのくらい食べているか」という問いに対し、男性は約27%、女性は約26%が1日1食以上、重ね食べをすると回答。4人に1人が「お好み焼きとご飯」など主食の重ね食べをし、BMIが高い人ほど、その傾向が強いことが明らかになった。

重ね食べはカロリー過多になりやすく、栄養バランスも悪いため、府は「炭水化物の重ね食べは大阪文化で改善は難しいが、バランスの良い食事を心がけて」と呼びかけている。

炭水化物の過剰摂取、早食いも

しかし、大阪府の糖尿病死亡率は33位、受療率は20位と、香川県とは隔たりがある。医療関係者は「(香川で糖尿病が多いのは)重ね食べも要因の1つだが、炭水化物の過剰摂取や早食いの影響も大きいのでは」と指摘する。

総務省が取りまとめた経済センサスによると、香川県にある「うどん・そば」の店は約600店。人口1万人当たりに対する店舗数は5・92店で、全国1位。別の統計ではうどんの県別消費量が全国平均の2倍以上というデータもある。

香川のうどん店では、小(1玉)から大(3玉)までサイズがあるのが一般的。1玉当たりの量は店によって違うが、市販のものだと1玉約250グラム。仮に3玉分750グラムだとすると800カロリーになり、一般的な成人男性の1日の炭水化物摂取量の約3分の2に当たる。

さらに、うどんは麺を豪快にすすり、そののどごしを楽しむのが通の食べ方。どんぶりの中のうどんは一気になくなり、結果的に早食いとなる。しかも副菜を取らないため、空腹にいきなり炭水化物を摂取することになり、食後の血糖値が急激に上がりインスリンが大量に分泌されるため、内臓脂肪がたまりやすいともいわれる。

月に1回開かれる糖尿病教室。栄養管理やヘルシーな調理方法の説明の後、試食会も開かれた

子供の1割が「糖尿病のリスク高い」、予防は地道な生活習慣の改善と定期検診のみ

炭水化物の重ね食べ、過剰摂取、早食い-。こうした食事の仕方は子供にも引き継がれており、香川県は小学生を対象に血液検査で糖尿病などの傾向を調査する「小児生活習慣病予防健診」を始めた。今年の結果によると、「将来糖尿病の発症リスクが高い子供」は男子14・5%、女子13・6%。「肥満傾向」は男子10・1%、女子8・4%。生活習慣との関連では、腹いっぱい食べる、早く食べると答えた児童に肥満傾向や脂質異常、肝機能の異状が多い傾向がみられた。

香川県に糖尿病の患者が多いのは、やはりうどんの影響なのか。県健康福祉総務課は「一因として挙げられるが、糖尿病は日々の生活習慣の積み重ねで発症するもので、原因を1つにしぼるのは難しい」と話す。

そもそも糖尿病は、血中のブドウ糖をエネルギーに変えるインスリンの分泌や働きが低下し、血糖値が高い状態が続く病気。その原因は肥満や食べ過ぎ、運動不足、ストレスなど普段の生活習慣によるものといわれている。

こうしたことから香川県は平成24年から糖尿病専門医や地域、医療、学校関係の専門家らで糖尿病の発症予防などを協議する検討会を設置し、対策に乗り出している。

毎月1回、医師や栄養士による「糖尿病教室」を開き、食事の取り方や調理の方法、適切な運動量など、糖尿病予防の基礎知識を分かりやすく市民に説明。麺類を食べる時には野菜摂取量が少なくなることから、野菜を使ったメニューを提供するうどん店を紹介する「ヘルシーうどん店マップ」も作った。

また小学校などでは、児童やその保護者を対象にした「糖尿病予防健康教育」を実施。小児生活習慣病予防健診の結果をもとに、健康的な生活の実践方法を指導し、栄養教諭や学校保健関係職員を対象とした研修も行っている。

県健康福祉総務課は「糖尿病を含む生活習慣病に特効薬はなく、普段の生活から予防を心掛けるしかない。市民への啓発を続けていきたい」とする。

県としては、うどんが一方的に“悪者”にされるのは何としても避けたいところ。うどん県の試行錯誤が続く。

情報源: 【関西の議論】糖尿病ワースト3位・香川県、原因はやはりうどん? 炭水化物重ね食べ、早食い…県民の食習慣に“待った”(1/4ページ) – 産経WEST

麺だけじゃなくて、つゆもだろうな。