「電車で化粧」議論、実際に女性や専門家に聞いてみると…:イザ!

人が多い(満員とは限らない)時に、座席に荷物を置いている奴。


東急電鉄のマナー向上広告動画の対象となっている電車内で化粧をする女性について、女性たちに話を聞いてみたら、批判的な意見が多かった。その半面、「体臭や携帯電話の方が迷惑」という声も。マナーをめぐる意識の差がありそうで…。

写真はイメージ(本文とは関係ありません)

立ったまま「つけま」

「電車内で化粧をしているなんてみっともない」

こう憤るのは、東京都板橋区の会社員女性(45)だ。朝の通勤電車でよく見かけるのが、ドア近くに立ち、つけまつげの装着をしている20代半ばくらいの女性。カーブが多く揺れる車内で、のりをつけ、目に装着するという繊細な作業を行い、乗換駅に着く頃には、つけまつげによって変身が“完了”。目の大きさが変わっているという。見ていてみっともないと思うだけでなく、「カーブが多いから指が目に入ってしまわないか心配。危ないからやめたほうがいいと思う」。

特に嫌われるのがファンデーションなど粉を使うタイプの化粧だ。4歳の娘と出かけているときに、電車内でフェースパウダーをはたいて、“最後の仕上げ”をしている若い女性を見たという40代の母親は「天気が良かったので粉が光で反射して見えた。吸い込むのも嫌だし、娘もいたので、離れました」。

ただ、電車で化粧は、若い女性だけの問題というわけではなさそうだ。「何かにおうと思ってふと周りを見たら、優先席に座っていた50代くらいのおばさんがマニキュアを塗っていてびっくりしました」という証言もあった。

東急電鉄のマナー向上広告の動画の一場面(同社提供)
東急電鉄のマナー向上広告の動画の一場面(同社提供)

「におわないなら良いのでは?」

実際に電車で化粧をしている女性には、どんな事情があるのだろうか。

週に数日は通勤電車の中で化粧をしているという都内の女性会社員(28)は「できるだけ満員電車の中ではやらないように、比較的空いている始発の電車を選ぶようにしています。周囲からの目が気になることはあるが、どうしても出かける時間までに終わらないことがあって…」と話す。

出社時間に遅刻してしまいそうなとき、女性は電車の中で、眉毛をかき、アイラインを引き、アイシャドーを塗る。ただ、においの強いものは使用しないようにしたり、ミニサイズの化粧品や鏡を使うことで周囲にバレないように工夫したりと、「(車内での化粧に)罪悪感はある」という。スマートフォンを鏡替わりに使ってカムフラージュすることも。

なかには“一部容認派”も存在する。「リップクリームを電車で塗ることはあります」「粉が飛んだりにおいがしたりするのは良くないが、口紅程度ならOKなのでは」といった意見もあった。変身過程に興味を持つ人もいた。40代の男性会社員は「メークで顔が変わっていくさまがおもしろいので観察してしまうこともあります」。

また、「体臭や携帯電話など、ほかの迷惑行為のほうが気になる。なぜ女性の化粧ばかり話題になるのか」という指摘もあった。一般社団法人、日本民営鉄道協会が毎年行う、マナーアンケート「駅と電車内の迷惑行為ランキング」によると、平成27年度は、「車内での化粧」は8位。1位は「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」、2位は「座席の座り方」、3位は「乗降時のマナー」だった。

男女別に見ると、「車内での化粧」は男性で9位、女性で7位。ほぼ毎年、女性のほうで順位が高くなる傾向にあり、同性ならではの厳しい視線がありそうだ。

東急電鉄のマナー向上広告の動画の一場面(同社提供)
東急電鉄のマナー向上広告の動画の一場面(同社提供)

地域社会の“他人化”影響?

「羞恥心はどこへ消えた?」(光文社新書)などの著書のある、聖心女子大学の菅原健介教授(社会心理学)は「都市化が進み、地域社会が機能しなくなったことが、電車での化粧という行為につながっているのではないか」と指摘する。

電車での化粧については、平成に入ってから、メディアでマナーの問題として取り上げられるようになったという。「恥ずかしいという感情は、自分が大事にしている集団から外されたくないというときに起こる。周りがみんな他人なら、どう思われてもよいと考えてしまう」と菅原教授。

かつては地域社会が機能し、電車は近所の人も乗っている可能性のある場所だった。また、「家でやることを外でやるのは恥ずかしい」「どこで誰が見ているのか分からない」という意識があったという。地域社会のつながりが希薄になり、他人の目を意識する必要がなくなったことが影響していると分析する。

「他人の視線を意識する場所が変わってきているのでは」と推測するのは、東京大情報理工学系研究科の特任研究員、久保友香さんだ。久保さんは、女性が化粧や写真加工などの技術によって変身し、新たなアイデンティティーを得るといった研究をしている。

日本では昔から、巫女(みこ)やおいらんなど、不特定多数の人に姿を見せる立場の人は強い化粧で素顔を隠してきた。久保さんは「女性はかつては家族にも化粧していない顔を見せませんでした。女性の社会進出が進むことで、対人関係で重視する対象が(身近な人々から)変わってきたのではないか」と分析している。(油原聡子、中井なつみ)

情報源: 「電車で化粧」議論、実際に女性や専門家に聞いてみると…:イザ!

もしくは、目の前の席が空いているのに、座らずに立ちっぱなしの奴。
邪魔だから座れ、一人分のスペースが無駄になっているんだよ。