パリ同時多発テロ1年 警察が「反乱」、オランド政権揺さぶる:イザ!

日本も他人事じゃないぞ。


8日、パリ近郊で抗議デモに参加する警察官の男性ら(ロイター)
8日、パリ近郊で抗議デモに参加する警察官の男性ら(ロイター)

【三井三奈の国際情報ファイル】

130人が死亡したパリ同時多発テロから13日で1年を経るフランスで、警察官がオランド政権への抗議デモを繰り返すという異常事態が起きている。テロの脅威が押さえ込めない上、治安を支える国の屋台骨が「反乱」を起こし、来春の大統領選での再選をめざすフランソワ・オランド大統領(62)を揺るがしている。

デモの発端は先月8日、警備中のパトカーが火炎瓶攻撃を受け、警察官4人が負傷した事件だった。2人は重体で、このうち1人は28歳で3児の母だ。入院先に集まった同僚たちが「危険から身を守る装備がないまま、過重労働を強いられる。うんざりだ」と怒りをたぎらせた。数百人がパリ中心部に結集し、無許可でサイレンを鳴らしてパトカーを走らせると、警察デモはすぐ全国に広がった。

警察官への襲撃は今年、多発している。6月にはパリ郊外で警察官がイスラム過激派に刺殺された。テロだけではない。覆面の男たちが労組デモに乗じて火炎瓶や鉄棒で攻撃する事件が頻発する。彼らは「破壊分子」と呼ばれ、組織力が高く公権力を恐れない。

オランド政権は同時多発テロ後、警察や軍1万人を動員し、予備役まで募って「厳戒態勢」をアピールしたが、実質的な対応策は後手に回った。警官の発砲は原則として自衛目的に限られ、破壊分子を威嚇できない。シリアの過激派が絡むテロ計画が相次いで摘発される中、社会不安に乗じた暴力行為が横行した。

混乱の背景には、左派政権の看板である「人権重視」とテロ対策の両立の難しさがある。

同時多発テロで実行犯の大半がアラブ系移民2世だったことから、大統領は事件後、二重国籍者のテロ犯罪者から仏国籍を剥奪する憲法改正案を発表した。ところが、身内である社会党左派から「『国民は平等』という国家理念に反する」という批判が噴出。司法相が抗議辞任するに至り、断念を迫られた。

政府は交通機関の職員による手荷物検査を可能にしたり、テロ扇動サイトへの恒常的アクセスに禁錮刑を科したりなど複数の新法を成立させたものの、治安当局が強大な監視権限を持つ米英式テロ対策には至らなかった。南仏ニースで84人が死亡した今年7月のトラック突入テロでは、犯人が事前に下見する様子を監視カメラがとらえていたが、危険を把握できなかった。国会で保守系野党が「米国やカナダにならって、監視カメラに生体認証システムを導入し、不審者を察知できるようにすべき」と提案し、政府が「公共の自由への侵害」だとして退けた直後に事件は起きた。

4日、仏リヨンでの抗議デモに参加した警察官(ロイター)
4日、仏リヨンでの抗議デモに参加した警察官(ロイター)

7月末、仏北部で神父が殺害された教会襲撃テロでは、情報機関が犯人を監視下に置いていながら、テロを防げなかったことが発覚した。世論調査では「政府のテロ対策に不満」と答えた人が8割を占めた。

大統領選をめぐる10月末の世論調査でオランド氏に投票すると答えた人は9%。経済不振への不満に治安対策の不手際が追い打ちをかけ、このままでは大統領選で決選投票にすら進めない。

今月来日した社会党の元閣僚は、極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首(48)が保守系候補とともに決選投票に進む可能性が強いとの見方を示した上で、「社会党はバルス首相を擁立すれば勝機があるかもしれない、と述べた。社会党内で「オランド氏以外の候補で臨む」オプションの模索が始まったようだ。(外信部編集委員 三井美奈)

情報源: パリ同時多発テロ1年 警察が「反乱」、オランド政権揺さぶる:イザ!

「国災」でも「政災」でも、造語を作ればいい。
国家権力が要因の災害や、政治家による災害とかな。
国家規模の災害じゃないぞ?