ドローンで高さ80メートル級の橋梁を空から点検 中日本高速が実証実験開始:イザ!

ほぉ・・・

中日本高速道路が、無人航空機「ドローン」を使い、高さ80メートル級の橋脚の異常を点検するシステムの開発に取り組んでいる。他の高速道路会社もドローンの活用に乗り出しているが、同社は墜落防止や安定運用のため、独自に有線式を採用した。橋の点検に伴う人的負担は、民間の道路会社だけでなく、全国の自治体でも課題となっているだけに、開発チームは「点検員が行けない場所でも、効率的に点検を進めることができる」と期待する。

平成24年12月の中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を受け、全国の橋やトンネルでは5年に1度、触診や打音検査が可能な位置にまで近づいて点検する「近接目視」が義務づけられた。だが、橋脚の高さが最大70~80メートルにも達する新東名高速道路などでは、実際に点検員が近づいて微少なひび割れを発見することは困難。従来の点検方法では、下から足場を組むか、上からロープを使って近づくといった労力をかけざるを得なかった。

こうした中、実に4396もの橋を管理する同社は、有線式ドローンを使って橋の異常を点検する新システム「スキームス」の開発を始めた。

10月下旬に掛川市寺島の新東名宮ケ島高架橋で行われた実証実験では、道路の路肩から俯瞰(ふかん)カメラで有線式のドローンを操縦し、秒間1枚の間隔で床板を撮影。連続撮影した写真を結合することで橋の状態を3D画像に変換し、死角にある幅0・2ミリの微少なひび割れも発見することができるという。

スキームスの最大の利点は、有線式での給電方法を採用したことにより、バッテリ切れの心配がないことだ。ドローンの落下事故は約8割がバッテリ切れが原因で、安定した運用には欠かせない条件だった。

操縦もケーブルを通じて行うため、電波が他の機器と混信する恐れがなく、GPS機能が使えない橋の下でも操縦が可能になる。将来的には操縦を自動化するだけでなく、衝撃波を発して打音検査の役割を代替できる機器の搭載も視野に入れている。

その一方で、スキームスの実用化にはまだ課題も残る。落下防止用のケーブルを備えるものの、通常の無線式ドローンと同様、平均風速が6メートルを超えると飛行させることはできない。

また、現在のスキームスはケーブルを除くと重量3キロまでの機器の登載が可能だが、操縦範囲を広げるためにケーブルを延長させると、新たな機能の追加は難しくなるのが現状だ。

同社では、来年度からのスキームスの試行運用開始を目指しており、開発チームの忽那(くつな)幸浩リーダーは「まずは人間による目視と同等以上の機能を持たせることが目標。より安全で効率的な点検を実現したい」と話している。

中日本高速道路が実用化を進める構造物点検ドローン「スキームス」
橋の上から有線式のドローンを操作し、近接目視が困難な部分の異常を発見できる=静岡県掛川市寺島の新東名高速道路宮ケ島高架橋

まぁ、確かに向いているな。