リニア「南アルプストンネル」建設計画 “最難関”手探りスタート 建設 長野・大鹿村の地元住民にくすぶる不安や反発 :イザ!

技術的な問題はともかく、必要かね?

JR東海は1日、リニア中央新幹線の「南アルプストンネル長野工区」(8・4キロ)の安全祈願・起工式を長野県大鹿村で行い、平成39年の開業に向けて県内初の本体工事に着手した。周辺住民にはなおもトンネル掘削や工事車両が環境、生活に及ぼす影響を懸念する声がくすぶり、一部住民は強硬に反対する。リニア計画で技術的にも、そして地元対策でも“最難関”とされた工事が手探りのスタートを切った。

長野県飯田市中心部から車で1時間余。山々に囲まれたのどかな原風景が広がる大鹿村で1日午前、掘削工事が予定される斜面を前に行われた安全祈願・起工式には、JR東海の幹部や沿線自治体の首長、鹿島建設など施工業者関係者ら約100人が出席した。

あいさつでJR東海の柘植(つげ)康英(こうえい)社長は「地元の皆さまの生活や環境を保全しながら、自治体や住民の方々とも連携して工事を進める」と強調した。「鍬(くわ)入れの儀」や「玉串奉奠(ほうてん)」などの神事で安全を祈り、起工式では工事計画の概要が説明された。

その外では、工事に反対する住民らがプラカードを手に集まり「理解も同意もしてない」「丁寧な説明を求める」と抗議活動を続けた。起工式後、住民が会場を出入りする車両に詰め寄り、JR東海の社員や警察官ともめる場面もあった。

工事現場となる釜沢地区の谷口昇自治会長(46)は「現状では説明不足。納得していない住民がいるのに強引に工事を進めるなんて、JR東海にも村にも不信感が募るばかりだ」と怒りをぶちまけた。

工事をめぐっては、トンネル掘削で発生する東京ドームの容積の2倍超となる約300万立方メートルの残土置き場の問題や、ピーク時に1千台超の工事車両が平穏な生活環境を脅かすことなど住民が抱える不安は解消されていない。

JR東海は26年10月の国土交通省による工事計画認可以降、自治体や住民を対象にした説明会を重ねてきた。それでも多くの住民が首を縦に振らないなか、大鹿村とJR東海は10月19日、工事車両の通行時間やルートなどをまとめた確認書を締結した。村議会は同21日、リニア計画への賛否をはかり、議長を除く7議員のうち過半数4人が賛成に回って着工が決まった。

リニア計画に反対する住民でつくる「大鹿リニアを止める実行委員会」は21日、「村と村議会がJR東海のために同意を急いだ。確認書には不備はあり説明が不十分」などとする意見書を村に提出した。同30日に村内で開かれた長野県の阿部守一知事と柳島貞康村長、地元代表者による意見交換会でも、不安視される生活環境悪化や観光客減少への対策などを切実に訴える声が噴出した。一部住民は、環境調査を独自に行う準備を進めているという。

住民有志による「飯田リニアを考える会」の米山義盛代表(61)は「このままでは今後10年もの間、住民は我慢を強いられる。こちらの疑問に答えないまま、工事が進まないよう働きかけていく」と話す。

起工式に出席した阿部知事は記者団に「リニアの工事着工は長野県の発展にとって大きな1歩だ。工事に懸念する地域の声にも寄り添いながら地元とともに進めていきたい」と述べた。

■南アルプストンネル長野工区 総延長約25㌔の山岳トンネルのうち、大鹿村から静岡県境までの8・4㌔の区間。地表面からの最大深度は国内最大の1400㍍に及び、前例のない難工事が予想される。平成?年早々に作業用トンネルの工事に入り、同年末ごろには本線の掘削工事が始められる予定。38年11月の完成を目指す。リニアの県内路線は大鹿村~南木曽町の6市町村を経由する総延長約53㌔。うち約49㌔がトンネル区間になる。県内駅は飯田市に建設予定。

食堂車のついた、寝台列車を復活してほしいんだがな。