【小池百合子都知事豊洲問題緊急会見詳報(2)】盛り土問題、責任があるのは8人と結論 「責任感の欠如、前例踏襲、連携不足…残念ながらきりがない」(1/6ページ) – 産経ニュース

<1>からの続き。

《築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の主要施設下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題について、東京都の小池百合子知事の会見が続いている》

《小池知事は時系列に沿って、盛り土が行われなかった経緯についての説明を続けた》

豊洲市場移転問題について会見する小池百合子都知事=1日午後、東京都新宿区の都庁(宮崎瑞穂撮影)
豊洲市場移転問題について会見する小池百合子都知事=1日午後、東京都新宿区の都庁(宮崎瑞穂撮影)

「結果として、平成23年6月ですけれども、この段階で提出された基本設計の成果物では、寸法こそ明記されておりませんが、建物下全体に地下空洞が記載された断面図が添付されています。そして基本設計が完了いたしますと、より具体的な検討を進めるということで、実施設計に着手することになります。これは平成23年9月に決定され、その仕様書を確認いたしますと、基本設計で作成した(地下空洞が記載された)断面図が添付されていました」

「この実施設計に大きな影響を及ぼしたと考えられますのが、平成23年8月18日に新市場整備部で開催された部課長級の会議。この会議の場におきまして、地下にモニタリング空間を設置する方針を確認したと、複数の当時の関係者が証言をいたしております。つまりこの会議で決定した方針が、これまで都の方針に沿わずに、直の判断でこれが行われたということになるわけです。ですから、いつ誰がと言ったときには、ここがいつということになると考えられます」

《小池氏は、平成23年6月に完成した基本設計の断面図に地下空洞が描かれていたと説明。同年8月に開催された部課長級の会議で決まった方針が、都の方針に反する判断だったと断じた》

「それからいろいろとメモや会議録を精査したわけですけれども、設計事務所との打ち合わせ記録がございました。その記録によりますと、コストの面、工期の面、多くの課題をクリアするためにモニタリング空間の扱いについても設けるのか設けないのかと揺れ動いた形跡がございますけれども、報告書では平成24年5月の段階で建物下に盛り土をしないということが最終的に確定したと、このように判断されます」

「そして平成25年2月に完了した実施設計の成果物には、寸法まで記載されました地下空洞のある断面図が提出をされています。これに基づいて建設工事が着手されて現在に至ったという、これが時系列的、そして各会議の内容、さらには何がそこで決まったのかということを、詳しくご説明させていただきました」

「以上申し上げました通り、基本設計から実施設計にかけて整備方針、つまり全体に盛り土を敷くという方針に反しまして地下空洞を設けること、そして盛り土をしないということが固まっていったという形跡が見られるわけです」

《経緯についてひと通り話し終えた小池知事。続けて、責任の所在について説明を始めた》

「この間に市場長を務めましたのが2名、OBが1名と現職が1名。そしてまた、当時の部長級の職員が6名おります。内訳はOBが3名、現職が3名、合わせまして計8名ということになります。この8名が盛り土をしないことを決めた実務上の決定者、また、事実を知り得る立場にあった者であったという判断ができるかと思います」

「当時豊洲市場の整備の中心を担っておりましたのが新市場整備部で、ここには技術系の幹部5名が関わっており、結果を見ますと都が定めた整備方針に反する内容で事業を進めていたことになります。それから新市場整備部長は、これに該当するのはOBが1名なんですけれども、この整備部長は平成23年11月16日に設置をされました新市場整備部を統括するライン部長の立場にあった人物でございます」

「事情聴取から得られました多くの証言からも、新市場整備部長は整備方針の順守、市場長への報告、説明、技術会議などへの確認を行うべき立場にあったわけですし、また実務的に地下にモニタリング空間を作ることが決定されたと考えられます平成23年8月、つまり部課長級の会議の責任者であったと、このようになります」

「また、基盤整備担当部長ら、これに当たるのがOBが1名、そして現職が1名でございますけれども、この2人は土木ラインになります。それから施設整備担当部長ら、それぞれOBが1名、現職1名ですが、こちらの2人が建築ラインということになって、それぞれトップとしての責任を有することになります」

《都の元中央卸売市場長、岡田至氏は産経新聞の取材に、当時の部下から地下空洞を設けるとの報告はなかったと説明。「小池百合子知事の会見で、盛り土がないことを初めて知った。『嘘だろう』と思った」と答えていた。また、岡田氏、中西充氏を含む19年以降の歴代市場長5人が都の調査に対し、「(建物下に)盛り土をしないとの認識はなかった」などと回答していた》

「岡田元市場長と中西元市場長、現副知事でございますが、この2人につきましては市場の最高責任者であり、『盛り土がないことは知らなかった。報告を受けていない』とそれぞれおっしゃっているんですけれども、それで済まされるというものではございません。責任者であったわけでございます。実務を進めているのは技術畑ですけれども、そちらに対して都の整備方針に沿った形できちんと進められているのかどうかという確認をすればよかったわけですが、その点がなされていなかったということになります」

「そしてまた、市場長を補佐をして局全体に目配りすべき立場にあるのが管理部長です。管理部長は当時でありますけれども、現職1名でございますが、この点についても責任という観点からは同様のことが言えるのではないかと思います」

豊洲市場移転問題について会見する小池百合子都知事=1日午後、東京都新宿区の都庁(宮崎瑞穂撮影)
豊洲市場移転問題について会見する小池百合子都知事=1日午後、東京都新宿区の都庁(宮崎瑞穂撮影)

《8人を責任ある立場と特定した理由について説明を終えた小池知事。続けて、今回の事態が起きた原因についての見解を述べた》

「最も大きな要因というのは、いくつか、複数の要因が考えられると思います。つまり専門家会議が平成20年7月に終了して1カ月後に技術会議が開かれるわけですけれども、せっかく専門家会議が技術会議につながれていったけれども、それが途中から消えていくといったことが、今回の会議録やメモなどを精査していく中で、連携がうまくできていなかったということも出て、明らかになりました。マネジメントの欠如、責任感の欠如、前例踏襲、チェック不足、意思決定プロセスの不備、職種間などでの連携不足。残念ながらきりがないんです」

「けれども、改めてこういったことを考えますと、一つ一つの情報公開、それも正しい情報公開ですね。例えば専門家会議もあの頃工夫して会議そのものもオープンにしていたけれども、それがうまくつながっていないで、この情報が技術会議の方にはそれが十分生かされないまま段々と、モニタリングということをベースにして地下空洞が生まれていって、それに対して誰もがチェックをしなかったということだと考えます」

「事実と異なる説明を続けてきたこということは言語道断と言うしかないわけであります。建物の下に盛り土をしないで地下空洞を設けるということが、もし方針転換として意志を持って方針転換するということであるのだったらば、それは情報をその時にオープンにして、そこで変更しなければならない理由は丁寧に説明すべきだったということだと思います。仮にそうしていたならば、専門家に相談をして安全性などについては確認を求めていればよかったわけで、そうなればこのような事態は回避できたはずです」

「そもそも地下にモニタリング空間を作ると言った考え方も、土壌汚染対策法の改正に対応するためにはどうしたら良いのか、万が一の時に備えることが必要ではないかという発想から出てきたものであるにせよ、こういった形で流れが途中で途絶えて、そして方針がいつの間にか変わってしまうということで、このような事態を招いているということは極めて残念なことだと思います」

「先ほど、原因は組織運営上の数々の問題が重なったことと申し上げて参りましたけれども、今回の豊洲市場につきましては課題はまだまだ多々ございます。食の安全、地下水の問題、大気の問題、多々ございます。このような問題につきましては今後、再び起こらないためにも、これをきっかけとしまして、改めて職員の一人一人に、より責任を持って、都民ファーストの基本を忘れることなく、しっかりと一つ一つのことを丁寧に、かつ分かるように進めていくように呼びかけて参りたいと思います」

「関係いたしました職員の責任の所在は明確にする必要もございます。そこで、懲戒処分などの手続きでございますけれども、速やかに進めるように指示をしたところでございまして、厳正に対処して参りたいと考えています」

《約20分にわたり、検証報告書の内容について説明した小池知事。8人の処分内容についての言及はなく、会見は記者からの質問へと移行した》

=(3)へ続く

さて、次があるな。