スプーンを使って簡単にわかる睡眠不足判定テストと二度寝の効能(米研究)

二度寝が良いのか・・・

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現代人はなにかと睡眠障害に悩まされている。不眠症はストレスや不安、悪い食生活によって引き起こされる場合がある。老化もひとつの要因だ。

十分な睡眠は、記憶や感情と同様に重要で、睡眠不足は血糖コントロールに大きな影響を与える。これまでの研究から、睡眠時間が常に7時間以下の人は、2型糖尿病になる危険性が2倍になり、5時間以下の人は5倍になるという。

自分が睡眠不足なのかどうかが簡単にわかる方法があるという。睡眠開始潜伏テストというもので、シカゴ大学の有名な睡眠学者ナサニエル・クレイトマンによって開発された、科学的にきちんと裏づけのあるテストである。

用意するのは金属スプーンと金属のトレイ、そして時計だ。

スプーンを使って行う睡眠不足度判定テスト
1.下準備:金属製のスプーンに金属製のトレイ、時計を用意2.昼下がり(正午以後、夕方に至るまでの時間帯)、暗い部屋のベッドに静かに横たわり、しっかりとスプーンを握りその手をベッドの端から出す。

3.ベッドから手を出している場所の床に金属のトレイを置き、時間をチェックして目を閉じる。

4.眠り込んだら、感覚のなくなった指からスプーンが落ちて下にあるトレイに当たり、カチャンという音をたてる。その音で目が覚めるはずだ。そうしたら、すぐに時間をチェックして、目を閉じてからどれくらい時間がたったかを確認する。

判定

・目を閉じてから5分以内なら深刻な睡眠不足。
・10分以内なら危険
・15分以上なら問題なし

すぐに寝入ることができるほうが悪い兆候だというのは意外に思うかもしれない。しかし、これは日中の眠気と関係してくる。なのでテストは必ず昼下がりに行おう。

深刻な睡眠不足の人は、1分もしないうちに眠りに落ちるらしい。夜でも横になったとたんに寝てしまう人は、十分な睡眠がとれていない証拠だという。

また、睡眠不足の人は目が覚めてしまうのも早い。

例えば夜11時にベッドに入ったのに、午前3時に目が覚めてしまい、その後すっかり目がさえてしまって眠れない。悶々としながらベッドでゴロゴロして、何時間もたったような気がしているうちにいつの間にか眠りに落ちて、目覚ましの音ではっと我に返る。そんな経験をしたことはないだろうか?

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かつての人類は二度寝睡眠を行っていた

一度目が覚めもう一度眠る。一般的に二度寝と呼ばれるが、多相睡眠または分割睡眠という名称がついているれっきとした睡眠の形である。これはわたしたちのご先祖さまがやっていた睡眠形態である。

アメリカ、ヴァージニア工科大学の歴史家ロジャー・イーカーチ教授は、こうした細切れ睡眠がかつてはごく普通に行われていた証拠を発見した。

当時の人たちは、陽が落ちれば床に就き、4、5時間眠ってから起きた。これを第一の睡眠という。それから、1時間くらい起きていて、再びベッドに戻る。これを第二の睡眠という。

このふたつの睡眠の間に、彼らは家の雑用をしたり、友だちを訪ねたり、家でおとなしくしていたりした。イーカーチが見つけ出した16世紀の医者の手引書によると、第一の睡眠の後は夫婦の営みに最適の時間だったという。持続力や感度も良く、より楽しむことができるとのことだ。

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しかし、現代ではなぜこうした二度寝が一般的ではなくなったのだろうか?イーカーチ教授は、産業化時代のプレッシャーや、20世紀初めの電灯の到来のせいで、暗くなっても寝る必要がなくなったからだと考えている。睡眠を分割する習慣は社会の意識の中から消え、いったん寝たら朝までそのままという睡眠パターンが一般的になった。

二度寝のほうが体に良いという研究結果も

更にアメリカの国立精神衛生研究所の睡眠研究者トーマス・ウィアの実験からは、分割睡眠のほうがより自然かもしれない証拠がさらに見つかっている。

まずは、8人の健康な若い男性にそれぞれの部屋に入ってもらい、一日10時間明かりにさらし、夜の14時間は真っ暗にする。これは、人工の明かりのない初冬の明暗パターンを模した環境だ。被験者たちには、4時間寝て、数時間静かに起きていて、再び4~5時間寝るというパターンに従ってもらう。

第一の睡眠は深い眠り:記憶機能を活性化

被験者たちは、第一の睡眠のときは深い眠りに入っていて、脳は短期記憶から長期記憶へ記憶を移動させるのに忙しく働いている。この活動があるおかげで、翌日のための短期記憶のスペースができるというわけだ。十分な睡眠をとらないと、記憶機能に重大な影響が出る。

おもしろいことに、睡眠を削って一夜漬けで詰め込み勉強をした学生は、試験の成績が悪いという研究結果が出ている

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第二の睡眠は浅い眠り:感情を処理を活性化

被験者たちが第二の睡眠に入ると、たいてい第一の睡眠より浅いREM(急速眼球運動)睡眠になる。これは、目の筋肉以外の体のほとんどの筋肉が活動を停止している状態だ。この間は、ストレスに関係する脳内化学物質ノルアドレナリンのスイッチが切れているため、REM睡眠はとても大切な睡眠サイクルなのだ。

日中に体験したことを脳が処理して、そのとき芽生えた感情と折り合いをつけ、わたしたちを落ち着かせてくれるのに重要な役目を果たしている。

十分なREM睡眠がとれないと、脳は感情を処理する時間がもてない。睡眠不足だと、ストレスや不安をより強く感じるのはそういう理由なのだ。この研究で印象的なのは、被験者たちが分割睡眠をしてみたということだけでなく、標準より長い9時間近い睡眠をとっているということだ。これは、彼らに慢性的な睡眠不足の兆候があるせいかもしれない。

大人は少なくとも7~8時間の睡眠をとるべきなのに、ほとんどの人がとれていないことをこの研究は示している。睡眠協議会の調査によると、イギリスの成人の70%が7時間以下の睡眠時間しかとれていないという。

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効果的に二度寝をするために

不眠症を無理に封じ込めようとするより、うまく二度寝をする方が効果的であるようだ。例えば朝の7時に起きることに決めたら、必ず午後10時半にはベッドに入る。こうすることで、第一の睡眠に4時間、それから1時間起きていて、さらに3時間ほど第二の睡眠をとることができる。

途中で目が覚めたら快くこれを受け入れ、静かにベッドから起きよう。牛乳には眠気を誘うアミノ酸トリプトファンが含まれている。温めた牛乳などを飲み、音楽を聴いたり、瞑想したり、本を読んだりする。たいていは1時間くらいで眠くなってくるので、ベッドに戻って寝る。

起きている間にテレビやスマホを見ないこと

二度寝睡眠を導入し、起きている間に、町を歩き回って午前3時の写真を撮っている人や、同士たちと午前3時にヨガをやっている人もいるらしい。

だが、ひとつ注意点がある。起きているこの時間にテレビを観たり、メールをチェックしたりしてはいけない。スクリーンのブルーライトはメラトニンの生成を妨げ、眠気を感じなくしてしまうからだ。

分割睡眠を上手に取り入れることで、日中に疲れを感じることがなくなり、映画や芝居を見ている間に居眠りすることもなくなるという。

4時間ぐっすり寝て、いったん睡眠を中断し、再び3時間程度軽く眠るこの睡眠法は、より自然な眠りに近いのかもしれない。

だが、今のところ、継続的にずっと眠るよりも体のためにいいという確実な証拠はない。しかし、睡眠薬に頼ったり、眠れなくて悶々としながら精神的に追い込まれるよりは確実に良いだろう。

via:This simple spoon test will tell you just how sleep deprived you really areHow doing yoga at 3AM can be a dream cure for insomnia: TV’s Doctor Michael Mosley reveals how he defeated his sleeping problemなど/ translated konohazuku /

それができる社会ならな・・・